十一、かえるのかっくん
「え!? バケモノクサが、消えた?」
俺は、驚きのあまり、いっちゃんと顔を見合わせた。
「そうみたい。アタイも驚いてる」と、ひーちゃんが言う。
「それって、一体どういうこと? ウチ、信じられない」と、いっちゃん。
いっちゃんの言うとおりだ。全く信じられない。あの大きな化け物みたいな草が、消える? どうなってるんだ。この真夜中に、人間の誰かが切ったのか?
だとしたら、キャンプに泊まりに来ている誰かだ。管理棟はもう閉じている。
でも、バケモノクサの根元に行けば、人間も死ぬんじゃなかったか。
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