死を視る者が繋ぐもの

作者 霧野

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★★★ Excellent!!!

二つの世界を、泉と鏡が映し出し、繋ぐ。
それぞれの世界には、よく似た少年と少女がいて、彼らは互いの存在を知り、言葉を交わすうちに二つの世界の運命を知る――

ここではない別の世界に、自分によく似た存在がいるかもしれない。
似てるけど、住む世界が違うから、やっぱり色々と違いがあって……。
そう考えると、なんだかワクワクしてきます。

「あちらの世界」では、みんなが「マガリコ」と呼ばれる小動物のような相棒を伴っています。これがもう、とても可愛らしくて。羨ましいですね。
でも、「マガリコ」を失ってしまったものには、ある重大な運命が待ち受けているのです。

その運命をたどることになった少年と、彼を支える少女。
二人と出逢った「こちらの世界」の少年少女は、ともに運命を読み解き、世界を守る役目を担う決意をします。

まだ中学校に上がる前の幼い少年少女たちが、数々の出来事に傷つき、恐れながらも、勇気を灯し手をつなぎ合って、一歩一歩を踏み出していく。
心を熱くさせる「小さな冒険」が、確かにここにあります。
二つの世界を救う、可愛らしい冒険譚。ぜひお楽しみください♬

★★★ Excellent!!!


生涯を共にする相棒「マガリコ」がいて、性別を大きくなってから選択する世界
と現代の日本。この二つの世界をつなぐのは泉と鏡。
二つの世界の子どもたちが出会い、困難を乗り越えていきます。
読んで、少年少女の心の成長を体感してくださいませ。

★★★ Excellent!!!

一つは、一人一人がマガリコと呼ばれる相棒を持ち、性別の選択を通過儀礼とする世界。
一つは、現代の日本。
二つの世界がつながり、よく似た名前を持つ少年少女たちが出会い、冒険を経て成長する物語です。

子供から大人に移り変わる途中の少年少女たちの心理にリアリティがあります。
男らしさや女らしさ、昔から続いてきた慣例など、与えられたものと自分の心との間に齟齬が生じて、上手く前に進めない。
二つの世界は文化が違い、彼らが引っ掛かりを感じるものもそれぞれなのですが、それゆえに分かるのです。「物事の基準は一つではない」と。

子供だけで見つけた世界の秘密と大冒険に、心が躍りました。
勇気を出し、知恵を絞り、力を合わせて困難を乗り越えた先で、彼らは生きる上で真に大切なことを知ります。

読者視点でのみ知り得るパートも印象的でした。
心は常に自由であるべきですね。

子供たちが成長する姿に、背筋が伸びる思いがしました。
彼らと同じ年代の少年少女はもちろんのこと、大人も楽しめる素敵な物語でした!

★★★ Excellent!!!

出だしで「普通の異世界物?」と思っていた認識は、数話後に覆されました。
登場人物は多いものの、仕掛けられた巧妙なトリックで全くそれを感じないという、不思議な作品です。展開については徐々に理解が深まっていくので、創世のところまでは是非読んでいただきたい。私はそこから秀逸なラストまであっという間でした。

★★★ Excellent!!!

 始まりはとある村の少年少女の儀式の朝から始まります。そこは十三歳になると性別を選べる世界で、マガリコと言う相棒と共に生きる世界。
 ところが相棒のマガリコが死んでしまった少年エマトールは、『死を視る者』となってしまいます。彼を好きな少女ハスミュラは助けたいと思いますが……。
 そしてもう一つは現在の日本に近い世界。上記の村とはパラレルワールドのように時が進んでいて、エマトールとハスミュラと同じ響きの名を持つ少年少女がいます。彼らにも無力感や大人への不信感などの悩みがありました。

 そんな時空の違う彼らが、運命に導かれるようにして出会い、交流を深めていくうちに、間も無くこの世の終わりが近づいていると言うサインに気づきます。
 救うためには二つの世界に残された暗号を解読するしかない。協力しあって導き出した答えは、時間の差し迫った戦いを彼らに強いてきました。

 それはこの世の創造主が託した秘密の試練、切実な願いがこめられた仕掛けでもありました。

 肉体的な戦いと精神的な戦い、二つの戦を乗り越えて掴みとったのは、この世の未来と勇者になった真実。決して誰にも賞賛されることはないけれど、彼らの心を支えてくれる最高の冒険でした。

 世界を救うと言う重要な任務を、力弱い少年少女へ託したのは、創造主の希望の表れかもしれません。いつの世も、未来を作っていくのは若い力。

 みなさんもこの物語から、明日を切り開く勇気をもらってください。

★★★ Excellent!!!

この作者さんの物語は本当に面白いです。
読みやすい語り口、親しみのあるキャラクターたち、そこから描き出されるのは奇想天外なストーリー。
こういう想像力に富んだストーリーを綴れることは本当にすごいと思いました。

この物語では現実世界と、とある人物の手によってつくられた世界の二つの出来事が語られます。
現実世界はあくまでリアルな中学生の話。
もう一つの世界はファンタジー風味のある不思議な世界。
あくまで並行して存在している二つの世界が、とあるきっかけで接点が生まれます。

二つの世界に住むのは大人に差し掛かろうしている少年と少女たち。
少しずつ交流を含めていく二つのグループは、自分たちの世界が滅びようとしていることを知ります。
ミステリー的な要素も相まって、だんだんと深みを増していく謎とストーリーがかっこいいです。
そして世界を救うために彼らが起こした行動、謎の核心に存在するモノ、そのどれもが奇妙な説得力をもって語られていきます。

童話のようでありながら、ダークファンタジーの香りがあり、青春小説としても面白みがある。
とにかく物語そのものが力強くて面白い!

是非読んでみて欲しい作品でした!