第205話 興福寺攻め
「殿、興福寺から停戦の申し入れがありました、如何いたしますか?」
「大和の支配権を確実に奪う必要があるからね、降伏以外は却下です。」
興福寺からは何度目かの停戦の申し入れだが、俺は全て却下していた。
興福寺の狙いは戦力を温存したまま俺が立ち去るのを待つつもりだろうが今回の侵攻にあたり朝廷からの勅を得ている、春日大社も武装解除を受け入れさせた、興福寺も武装解除、寺領の没収は最低限の話である。
興福寺が混乱する中、俺は兵を進め各地の支配権を実力で奪っていく、興福寺についた時にはほぼ丸裸の状態となっていた。
「土御門につぐ!我が興福寺は皇族及び摂関家が門主を勤める、門跡寺院であるぞ!
我等に攻め込むとは恥を知れ!!」
嵩大が大きな声で叫んでいるのが聞こえる。
「門跡寺院というなら勅を受け入れるべきであろう!
血の繋がりを盾に朝廷に歯向かう逆賊共め!
お前達はただ大和の国を私的に占領していたに過ぎない!
この土御門ヒロユキが朝廷の名の下に成敗致す。」
「朝廷の名を騙るは大罪ぞ!自らの欲に目が眩み、寺院に攻め込むとは天罰が下るぞ!」
「天罰?天に歯向かうはお前達だと知れ!」
俺の言葉とともに大量のカラスが寺院に立てこもる僧兵達に襲いかかる。
「住民達よ、よく聞け!
僧に騙された事は神は知っている!
だが騙されたまま何もしない者に神は赦しを与えない!
赦しを乞うなら神の名を騙る罰当たり共を自らの手で成敗するのだ!」
俺は寺院に立て籠もる宗徒に呼びかける。
朝廷からの勅が出て、今現在カラスに襲われて僧兵を見て宗徒もどちらが神に逆らっているのか理解してしまう。
「神様の名前を騙り、今までよくも騙したな!」
一人の男が僧兵に槍を突き立てる。
「ぐふっ!」
僧兵はカラスに視界を奪われていた事もあり槍を防ぐ事が出来ない。
「・・・天罰は無い?」
これまで逆らうと天罰だと言っていた僧兵を殺しても天罰が下る事は無かった、誰かが言った言葉が引き金となり・・・
「罰当たり共!今までよくも!!」
「おい、こんなところに金を貯め込んでいるぞ!」
「この生臭が!!」
宗徒達の怒りは僧兵達に向かい、それは門主である嵩大にも向いていた。
「ま、まて!敵は土御門だ!
間違えるな!!」
「うるせぇ!お前の言葉なんて信用出来ない!信じて欲しくば天罰の一つや二つ出して見ろ!」 「ま、まて!!落ち着くのだ!こんな事をして、ただで済むと思っているのか!!」
嵩大の言葉が宗徒だった者達に届く事はもう無い、多くの僧兵と共に嵩大は首を取られるのであった・・・
戦国転移、修学旅行から川中島へ! カティ @fortune-Katty
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。戦国転移、修学旅行から川中島へ!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます