四十肩に悩むヒーラーの男マローンに、突如甦った前世の記憶。
だけどその記憶は奥さんの浮気やリストラなど、思い出したくないような嫌なことばかりで、最後はトラックに跳ねられそうな猫を助けてジ・エンド。踏んだり蹴ったりの人生でした。
けど前世で嫌な思いをしたのなら、今世では良い思いをしたい。
せっかく異世界転生したのですから、チート能力無双をして面白おかしく過ごしていけば良い、と言いたいところですけど。生憎マローンは、そんな都合の良い能力は持っていません。
しかし、そんなマローンの前に現れたのが、前世で助けた猫の生まれ変わりのミミー。
懐っこくて可愛いミミーに好意を寄せられるマローンですが、彼は四十肩持ちの中年。ミミーの想いには応えられずにいるのですが、歳の差があっても良いじゃないですか。
異世界を舞台にした歳の差カップルの、笑いあり冒険ありの、ファンタジーストーリーです。
仲間の裏切りにより首を切られてしまった、ヒーラーのマローン。なんとかくっつけられたものの、くっついた首は前後逆。
そうでなくても、四十肩や加齢のため、なにかとうまくいかない冴えないおじさん。なのに色々あって、仲間達と一緒に魔王討伐することに。
一部作品なら、ここから何か超強力な力を得て一気に大逆転となるのですが、そんなことはありません。一応女神様から特別な力は授かるものの、それでやることといったら、ワイヤーアートによるアクセサリー作り。出来上がった品は人気商品にはなれど、それで劇的に強くなるわけでも、周りからの評価が爆上がりでモテモテなんてこともありません。
だけど無双もしなければハーレムも作りませんが、地道にやれることをコツコツやる姿に惹かれる子はちゃんといます。
ならばその子とのラブロマンスを期待しますが、自己評価の低さや立場の違いから、それもなかなかうまくいかないのが困り者。
ここはもっと積極的にと思いながらも、そうしてしまったらマローンではなくなるし、読者としても今みたいに肩入れすることもないでしょう。
冴えない四十肩おじさん(首が前後逆)は、見事彼にとっての幸せをつかむことができるのでしょうか?
まさかの顔が後ろ前にくっついてしまった主人公マローンの贈るハートフルな冒険譚です。
えっと、まず何故顔が後ろ前にくっついているか……気になりますよね。
これには色々ありまして……
とにかく首が切られたものだから、自らのヒーラーとしての能力で慌てて治癒したんですね。もう、一刻を争いますから必死ですよ。
そしたらうっかり、顔が後ろ前だったと……これはもう仕方ないですよね。
彼も仕方ないと諦めて旅をします。まさかの後ろ前主人公の誕生です。
彼ほかにも四十肩を抱えていたり、手先が器用でアクセサリー作りをしながら旅の資金を溜めたり、旅の仲間にも恵まれながらのとてもオリジナリティ満載のストーリーです。
また、ヒロインとの関係性もとてもいいんですね。
ミミーという素敵な子なんですけれど、ミミーがもうすごく可愛いんです。わたしは何度叫んだか。
「おい、マローン! さっさとミミーに決めろよ!」笑
彼とミミーの間には年齢という大きな問題がのしかかります。
それを超えて二人は結ばれるのか、どうか。
優しい文章でつづられたストーリーなので、心が疲れているな~という方にも読んで頂きたいです。
時折突っこみつつ、笑いつつ。楽しかったです!
お手に取ってみてはいかがでしょう、おススメいたします(*´ω`*)
*上記ひとこと紹介文にある、動悸、息切れ、眩暈は、レビューを盛り上げる為の文言です。
異世界ファンタジーの冒険あり恋愛ありの盛り沢山物語です。
栗山さんがマローンになってしまいました。
前は散々な目に遭っていたようです。
かなり美味しそうなお名前で、どうしてもモンブランを彷彿とさせられます。
斬首されてしまうのですが、ヒーラーでありながら、わたわたと間違えて顔をくっつけてしまうこともありました。
驚きの発想力です。
そして、アクセサリーを拵えて旅の用足しにします。
それは、手先が器用だからだけではなく、意味のあることだったのだと、分かります。
そのせいか、四十肩になってしまうのですよ。
そして、猫だったミミーがとっても魅力的なのです。
どうしてもマローンは、遠慮していますが、いつか、申し込むときが来るのかな?
お嬢さんを!
いや、誰にでしょう。
とにかく、ミミーを自由にして、年の差も気にならなくなれば、大団円ですね。
古代竜のりゅんりゅんが私は好きですね。
もうひとつ、りゅんりゅん物語を読みたい位だと思いました。
我儘を言ってすみません。
是非、ご一読ください。