第23話 人喰い鬼編⑥

肉を喰ってるそいつは人間だった。

ただ、額に2本のツノがあり、鋭い牙が特徴的だった。

そいつは、喰ってる肉から牙を離すとやっとこちらを見た。左右の綺麗な赤い目が俺の体を舐めるように見る。

「お前、、いい体つきしてんなぁ、、美味そうだ

なぁ、、」

「気持ちわるいわ、おまえの喰ってるその肉のがま

だ―」

美味いだろ、、そう言おうとして言葉が出なかった。だってその肉の隣に『指』が落ちていたのだから。

「おまえ、まさか人間喰ってねーだろうな」

「人間はいいぞォ?特に女だ、、

処女なんか体に不純物が入ってねぇから、、、

柔らかくて、、ヤミツキだぞぉ?」

人間の肉なんて食いたかねぇよ!

「とりあえず、おまえを殺す。

任務なんだ、恨むなら人間喰ってる自分を恨め」

俺は強く地面を蹴り距離を縮める。

腰を低く落とし、右手の拳を思い切り引くと

「発勁・二式【はっけい・にしき】!」

「ガルゥァ?!」

発勁・二式は簡単な技だ。

発勁に新たに魔素を上乗せすることで1度相手に発勁を与えた後、俺の拳が触れた部分に俺の魔素が残り、体の内部に直接魔素を流し込む。

異人にとって、体に他人の魔素が流れるのは、これ以上ない苦痛だ。

「じっとしてれば、楽に殺すぞ?」

「おまえ、、、、、『傲慢』だなぁ、、」

そいつは俺の方に手を伸ばすと、

「異能呪縛・水の操【じゅばく・みずのそう】」

そいつの指から水のような、うねうねとした紐がこちらに向かってくる。

斬るしかない!

「今欲しい刀をイメージ、、イメージ、、

創造・鋼の刀【クリエイト・ソード】」

俺は右手に、鋼で作った刀を持つと

水の紐を全て斬り捨てた!



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