第10話 第一村人に発見される!?
第10話 第一村人に発見される!?
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ごろごろ~ごろごろ~。
ダンジョンに入って何時間、何日が経過したのだろうか?
外の光が入ることもなく、スマホの充電は無くなり……
今が何日の何時なのか見当もつかない。
なんでそんなことになっているのか?
それはもう、手作りの家が想像以上に居心地がよかった件。
これに尽きる。
正確には、このベットがというべきか。
この部屋を作り、ベットにダイブしてからというものベットの魔力に取りつかれ離れられなくなってしまった。
あ、もちろんこのアイテムににそんな効果はない。
ただ、ヒキニートと超高級ベットの相性が異常に良かったというだけの話だ。
一般人には想像もつかないかもしれないが、ヒキニートという人種は1日中ベットの上から動かないなんてこともざらだ。
そんな人間に、お姫様が使うようなベットを与えればどうなるか?
ダラーん
こうなるのだ。
流石にこれはまずい、そうは思うのだが……
それで行動できるような精神力があれば、そもそもヒキニートにも廃ゲーマーにもなってない。
敷かれたレールの上を、生産レーンの上を外れることなく、高校大学を卒業し社会人となり立派な歯車になっていたことだろう。
食べ物?
うまいのが、インベントリの中に大量にある。
こうしてると、すべてどうでもよくなってくる。
あれ?
そもそも俺は、何のために生きてるんだっけ?
一生このままというのも、アリなのでは?
メルヘンなベットの上で、裸の男がごろごろと……
客観的に見れば地獄のような光景だが、客観的に見る人間などいないので関係ない。
唯一の問題点といえば、ありえないぐらい暇だってことぐらいだろうか。
ネットのない環境がこんなにきついとは……
今まで自分がどれだけネットに依存していたのか、どれだけの時間を吸い取られてたのかという話だ。
だからと言って、何かするわけじゃないんだが。
世界がこんなに変わって、こんなに強大な力を手にしたのに、俺は変わらずひきこもってる。
人間そう変わらないということだろう。
コツ、コツ、コツ、コツ……
部屋に足音が響く。
ここは仮にもダンジョンの中だ。
壁のすぐ向こうでは、魔物たちがうごめいている。
せっかくだし暇つぶしに……
ダメだ、起き上がるのがめんどくさい。
カーーン!!!!
うるっさ、なんだこの音?
「あれ? 隠しアイテムがあるのここじゃなかったか?」
「いや、攻略サイトによれば、確かにここだったと思うんですが……」
「おかしいなぁ。ほかの部分変わってないのに、ここだけ変わるのか?」
「さぁ、あのサイトが間違ってたとかっすかねぇ」
……人の声、久しぶりに聞いたなぁ~。
じゃなくて!!
これ、やばくね?
この光景みられたら……
メルヘンなベットの上で、裸の男がごろごろと……
自殺物では?
マジか~。
いや、そうだよな。
人来るよな。
完全にその可能性忘れてた。
それに、大したことないアイテムって言っても、それは元プレイヤーから見たらの話であって、隠しアイテムなだけあってこの階層の適正レベルの人にとっては有用なものだ。
いや、現実世界になった以上ポーションって高く売れそうだし、プレイヤーから見ても価値はあるのか?
まぁ、それはどうでもいい。
俺の安泰なひきこもり生活が……
くそ、家では母に邪魔され、新しく手に入れたマイホームでもまた邪魔されるのか。
ひきこもりに、平穏な日常はないということか。
とにかく今は、息をひそめて外の人がいなくなるのをじっと待つしかない。
ここでの生活もおさらばか。
これも神の思し召しという奴か。
力与えて世界もゲームにしたのに、なにひきこもってんねんという。
ガチでその説あるな。
こんな世界になった以上、神がいるのは確実だろうし。
……明日から頑張ろう。
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ーー次話予告ーー
『第11話 玉ねぎ【プレイヤー専用スレ~NPCお断り~】』
明日更新
少しでも続きが気になる、面白いと思っていただけましたら『ブックマーク』『評価』よろしくお願いします。
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