Birth

 小さい頃は、その日が嬉しくなかった。三月の末、学校は春休み。友だちにも会えない。

 あともうちょっと早ければ。そう考えたことは数知れず。


 その日が待ち遠しく思えたのは、大人になってから。春の空に薄紅色の花が咲きはじめるのを眺め、今年も私は自分が生まれた日を祝う。

 今日はとても美しい。

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