次の日は昨夜現れた怪盗グループでどこも話題は持ち切りだった。

「近くの美術館で宝石盗まれたらしいなぁ」

「らしいな」

 膝に登ってきたウサギを撫でながら適当に返事をした少年。

「7人組だったらしいよ」

「そうなんだぁ」

 そう話す女子高生たちとすれ違った羊のストラップを揺らす少女。

「なんでも一人が赤外線に触ったとかって」

「なんでそんなん知ってんだよ」

「ネットに載ってたんだよ」

 うるせぇ、とヘッドフォンをしながらパンダのようにマイペースに歩く少年。

「警察官にも1人混じってたらしいよ!」

「警察官に!?ヤバいな!」

「ホントやねぇ」

 そう言って狐のように目を細めて笑った少女。

「1人はバイク乗ってたらしいよ!」

「バイク!?かっこいいー!」

 そう目を光らせた犬のような少女。

「グライダーで逃走とかめっちゃかっこよくね?」

「それな。やってみてぇわ〜」

 そんな彼らを横目にネズミのように単独行動を好む少年。

「1人窓から飛び降りたのを見た人がいるんだって!」

「マジ?ヤバ」

 ふわっと欠伸をしながら猫のように伸びをした少女。

 彼らのスマホに通知が入り、それぞれがスマホを見る。ニヤッと妖しく微笑んだ彼らの耳にはイヤリングが光っていた。

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