第55話 アンナとテツ



「フッ、凄い自信ね。 いいわ、私が相手をしてあげる」

アンナがニヤッとしながら一歩前に出てきた。

「アンナ・・」

「いいのよクラウス。 どうせどこかでテツの実力を知っておかなきゃと思っていたしね」

「まぁまぁ、これは面白いことになってきましたわ。 クソウさん、我々は邪魔にならないように壁際に移動しましょう」

メリケン首相がうれしそうにクソウと一緒にSPを伴って壁際まで移動する。

クソウは何も言わずに腕組をして成り行きを見ていた。


部屋の真ん中に俺とアンナが残される。

アンナが俺を見つめて言う。

「テツ、いったいどんなレベルでスキルを持っているのか知らないけれど、私をなめていると痛い目を見るわよ」

「アンナ・・別に俺は相手をあなどるようなことはしない。 ただ、俺も結構なものだと思っているよ」

「大した自信だわね。 いいでしょう・・いつでもかかって来なさい」


アンナと俺が睨み合っているのを壁際でクラウスが見つめる。

クラウスは思う。

アンナは強い。

俺よりもレベルが2つ上だ。

佐藤も何となくわかっているだろう、アンナの雰囲気を。

レベル差は絶対に近い格差がある。

だが、佐藤はあれだけの自信ある態度。

それほどのレベルなのか?

それとも相手の強さを感じれないのか?

確か魔族領域にいたと言っていたが、あの世界でそれほどの高レベルの魔物はなかなか遭遇しない。

魔族は格が違うと聞かされていたし、実際に見た瞬間に背筋が凍ったのを覚えている。

俺は急いで撤退した。

撤退の速度が良かったのか追跡はされなかった。

(実際には魔族の領域から離れたので相手にされなかっただけだが)

佐藤はそんな魔族の中で過ごしたようだ。

アンナの強さがわからないくらい麻痺したのかな。

まぁ、俺たちも戦い続けてやっと今のレベルが確保できたのだ。

そんなに違いはできるはずもないだろう。

・・

いいだろう・・見せてもらおう。

クラウスは腕を組み、壁にゆっくりと背中をもたれかけさせる。



「どうしたテツ・・来ないのならこちらから行くぞ」

アンナがそう言うと一歩踏み出そうとした。

俺は左手を前に出して親指と人差し指で物を掴んでいた。

それをヒラヒラと揺らす。

!!

まずはアンナが反応した。

「な、なんだそれは? ん? ブ、ブラジャーじゃないか!」

俺はニヤニヤしながらうなずく。

「そう、ブラジャーだ。 アンナ・・あの、その・・案外でかいんだな」

俺はそう言葉を出しつつ、これってセクハラだよなと自分で突っ込む。

「は? 何がでかいって・・!! えーーーーーー!!」

アンナが自分の胸を両手で押える。

「い、い、い、いったいいつの間に・・か、返せ」

アンナが俺にモジモジしながら近づいてくる。

妙に色っぽい。

俺はブラジャーをアンナに手渡す。

「テ、テツ・・貴様、覚えていろよ‥まったく・・」

アンナはブツブツ言いながらブラジャーをポケットにしまっていた。


俺たちの行動を見ていたメリケン首相がつぶやく。

「クラウス・・いったい何が起こったのです?」

クラウスもわからない。

自然と壁から背中が離れ、前のめりになってアンナたちを見ていた。

いったい何が起こったのだ?

佐藤もアンナも何もしていなかったはずだ。

佐藤がいきなりブラジャーを持っていた。

アンナのブラジャーだという。

マジックか?

いや違う。

アンナがソワソワしながら佐藤を見ているな。

だが一体どうやって取ったのだ?

そんな動きや時間はなかったはずだ。

どういうことだ?

佐藤のスキルなのか?


<テツ視点>


俺は理解した。

アンナもクラウスも問題ないと。

アンナとの会話中に超加速で移動してみた。

アンナの前に来て手を振ってみる。

・・

反応なし。

クラウスの前に行ってみて同じことをする。

・・

反応なし。

それからアンナのところに戻って来てアンナの胸元を確認。

チラ・・。

!!

おぉ!

意外だな。

着痩せするタイプか?

胸の谷間がきっちりと見える。

・・・

これは少しくらい触れても大丈夫だろう。

チョンと触れてみる。

柔らかいな、胸だ。

う~ん・・そうだ!

アンナのブラをいただいておこう。

俺はそう思ってアンナの上着だけを脱がせる。

男と違ってこれは気持ち的にアゲアゲだ。

ピンク色のブラが見えた。

フロントホックか。

パチンとホックを外し、アンナからブラを外す。

!!

きれいな胸じゃないか。

乳首はピンク色か。

白人だものな。

形もいい。

・・・

いいよな?

別にいいよな?

うん、軽く揉んでおこう。

・・・

・・

ついでに舐めても大丈夫かな?

い、いやこれはアンナの了解を得ていない。

ダメだ!

ふぅ・・少しだけおいしい思いをさせてもらった。

俺は変態じゃない。

あまりに度の過ぎたことはやるまい。


アンナに服を着せて、元の俺のいた位置まで戻ってきた。



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