第168話 真実の答え
テラスネークは100体以上並んでいる。
その全員が薄らと姿を消し出した。
『ククク……。恐怖の始まりですよ。スキル
彼女の能力、
アスラはそれを妨害する。
「
しかし、数体が限度だった。
「クソ! 数が多すぎる!! 90体以上が襲ってくるぞタケル!!」
蛇達の群れは大地を揺らした。
ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
やれやれ。あの蛇の大群が過ぎ去るだけで俺達は骨も残らんな。
「でもな……。そうはいかん」
俺は両手を広げた。
「
俺達の周囲に巨大な城が現れる。
その数4つ。
城の出現に巻き込まれた蛇は頭を粉砕。壁に激突した蛇はバグンと大きな音を立てて空を仰いだ。
俺達は4つの城の中心、小さな隙間に立つ。
「そうか! このスペースなら大きな蛇は入れない!!」
テラスネークの力では破壊できない!
「ふ……。防御だけじゃないさ。アスラの左側の城、そこだけを解除する」
アスラは俺の言葉に同調して
「なるほどな。3つの城で守りを固め、空いたスペースで攻撃か!!
振り下ろした瞬間から
「ハハハ! 蛇は俺達に向かって密集しているから、わざわざ擬態を剥がす必要がないぞ!
そういうことだ。
「テラスネークは俺達に触れることすらできない」
蛇の死体が数十体と積まれたところで、俺達に向かってくる地響きは治った。
城を解除すると、離れた場所からテラスネークがこちらに向かって睨みを効かせていた。
その表情に笑みはなく、ただ憎い相手をどうやって屈服させてやろうかと思案しているようだった。
『流石ですねタケル・ゼウサード。あなたの
アスラは勝利を確信したように笑う。
「ハハハ! 化け蛇がぁ! 大きな力を手に入れたところで無敵ではなかったなぁ!! 蛇はカエルでも食ってろ!!」
蛇達は一斉に目を細めた。
凄まじい殺意が空気に乗ってピリピリと感じられる。
『……ホホホ。あなた達と同じように、神の武器を手にした者はその使い方を瞬時に熟知する』
なんの話だ?
『
俺の武器にも
アスラは
つまり、テラスネークはもう一つ技を使えてもいい。
『これが本当の力です』
群れの中央に位置する蛇が突然禍々しいオーラを放つ。
同時に額の上に浮いていた球体、
蛇は空を仰いで絶叫した。
『
球体にはいくつもの口が付いており、それが開けると真っ白い歯が見える。
その口に目掛けて、周囲のテラスネークは次々に吸い込まれていった。
吸い込まれる度に中央の蛇の力が上がっているな。
嫌な予感がする。
他の体を吸い込んだ蛇は全身を輝かせた。
その内在する力を発散する。その蛇を起点に大きな爆発が起こった。
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!
俺は瞬時に城を出してその爆風から身を守る。
城を解除すると大きな砂埃が見えるだけでテラスネークの姿は消えていた。
妙だな。死体まで消えている……。
埃が消えると一人の人間が立っているのが見えた。
黒い髪は長く、真っ赤な着物を着ている。
女…………か?
その黒髪の先端は幾十ものヘビの顔になっていて、その個体は生きており、それぞれがチロチロと細い舌を出していた。
蛇達が集合して、あの女になった……。そう考えて間違いないだろう。
女は鋭い目をしていて真っ赤なアイシャドウ。細く、美しい容姿であるが、放つオーラは禍々しい。近づくだけで肌が焼けそうな、そんな威圧感があった。
彼女は自分の体を物珍しそうに観察した。
「ほう……。人間の姿か……。ククク悪くないわね」
その声は心の中で聞こえていたテラスネークのものだった。
「女になって拍子抜けしたぞ! まるで弱そうだ!! 手加減でもして欲しいのか化け蛇が!!」
アスラの言葉にテラスネークは目を細めた。
彼女が軽く人差し指をこちらに向けると、その爪先がキラリと光った。
ヤバイ!!
直感が走る。
「アスラァアッ!!」
それは俺の声と同時。
光の波動がアスラを襲った。
「んぐぅうううううううッ!!」
瞬時に手をクロスして防御するも遅かった。
アスラの右腕は肩からもげて宙を舞う。
「ぐはぁああッ!!」
速い!
速過ぎて神眼を使う暇がなかった。
「大丈夫かアスラ!?」
アスラは、右肩から大量の血液が流れ出ていた。
「へ……。油断したぜ……」
テラスネークは眉を上げる。
「
やれやれ。
とんでもない武器だな。
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