[現代ドラマ]SNSから聞こえてくる憎悪や嫉妬の幻聴
俺はある日からSNSで幻聴がよく聞こえるようになった。馬鹿野郎!とか◯ね!とか SNSを開くたびに罵倒が飛び交う。
「SNSは憎悪や嫉妬にまみれたこの世の地獄そのものじゃないか…!」
そう思った。
俺はSNSで飛び交う罵倒が聞こえてくる度に精神が病んでいきSNSをやるのが怖くなってそのままSNSをやめてアカウントを完全に削除した。これ以上は耐えられなかった。
あの頃の楽しかったSNSは一体どこへ行ってしまったのだろうか?最初の頃は純粋にSNSを楽しんでいた。知らない人達とくだらないことで笑いあってそんなSNSが好きだったんだ。
そんなくだらないことで笑いあえるSNSが、俺は現実世界で生きているのを忘れさせてくれるオアシス的存在になっていた。心の支えだった。
けれど、今じゃすっかりSNSは社会の縮図みたいになっている。もはや現実世界から逃避出来るオアシス的存在とは程遠いものとなってしまった。
どこへ行ってもみんなマウントを取り合っていたり、喧嘩をしたりでもううんざりしている。
一方的に流れてくる悪口を聞くのはもう耐えられない。頭がおかしくなってしまいそうだ。このままSNSを続けていれば絶対に悪い影響が起きると確信した。
SNSから一方的に聞こえてくる罵倒は、ノーガードでプロのボクサーに一方的にパンチを食らい続けるそんな気分だ。
全く悲しい世の中だな。俺のような体験をした人はいないのだろうか。だがそんなことを聞く由はない。SNSをやめてしまったからだ。こういう時にSNSを使えないのが辛いところだ。
俺のようにSNSを辞めてしまった人は今どこで何をしているのだろうか?どこかで別の楽しいオアシス的存在でも見つけているだろうか?だと良いな。
全く聞きたくない声を聞こえてしまうというのは嫌なものだなあ。いくら趣味でSNSをやっていたとしてもトレンドの所から否定的な言葉や罵倒が漏れ聞こえてくるのだ。正直吐き気がしてくる。
いつもはみんな現実世界では普通にしているのにSNSではそんなに豹変するものなのか。罵倒合戦はもううんざりなんだ。
SNSには常に社会情勢の情報が絶え間なく供給され続けているので罵倒合戦という騒音は一向に鳴り止む気配もない。
こんな罵倒合戦を聞き続けていたら間違いなく自分が自分じゃなくなってしまう。頭がおかしくなってしまう。
みんなSNSでわざわざストレスを溜めるためにSNSをやっている訳じゃないだろう?楽しいはずのSNSを利用してSNSで疲れるなんて本末転倒じゃないか。
不毛な争いの連鎖が日に日にエスカレートしていっているような気がする。こんなところを地獄と言わずになんと言うのか?
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