【ホラー小説】鬼ごっこおじさん
「おーいみんなで鬼ごっこしようぜ!」
「いいよー!」
僕は学校が終わって放課後に友達7人ぐらいと一緒に公園で鬼ごっこすることにした。
すると突然…
「ねえ、おじさんも鬼ごっこに混ぜてくれるかな?」
変なおじさんが話しかけてきた。見た目は60~70代ぐらいだろうか?
「ねえどうする?あのおじさんを鬼ごっこに入れる?」
「でもなんかちょっと怪しくない?」
そんなことを話していた。おじさんはニコニコしながら見守っていた。
「しょうがないから入れてやるか。」
話し合った結果おじさんを鬼ごっこに混ぜてあげることにした。だがしかし、ただ入れるだけだけじゃ面白くないので鬼ごっこの範囲を街全体に広げておじさんを鬼にすることにした。
「あ、おじさんと鬼ごっこをする上でこれは守ってくれるかな。この鬼ごっこは5時までってこと。」
この街では5時にチャイムがなるのでその合図で終わりってことらしい。
「うんいいよ。」
そんな早く終わるなら余裕で誰も捕まらないで終わりそうだから楽勝じゃんと僕たちは思っていた。
「あっ、あともうひとつね。おじさんと鬼ごっこをして、もし5時のチャイムまで逃げられたお家帰っていいよ。もしダメだったらもう2度ととお家には帰れないからね。」
おじさんは急に変なことを言い出した。2度と家に帰れないというのはどういうことなのだろうか?
「そんなこと良いからジジィ始めるぞ!ジジィは5分間ここで待ってるんだぞ。その間に俺達逃げるから。」
たけしくんという友だちが、おじさんにそう言った。
「ちょ、ちょっとその言い方はまずいよ。」
僕はたけしくんにそう言った。
「ああ、いいよ。5分ぐらい待ってあげるよ。でも君はもう絶対捕まえることにしたからね。」
おじさんはニコニコ笑う。
「捕まる訳ねぇだろ。なめんなクソジジィ!」
たけしくんは逃げ切れると確信していた。
「あ、あの僕達やっぱり鬼ごっこやめます。」
5人の友達が言った。
「ダメだ、帰さないよ。でも5時まで逃げ切れば帰してあげるよ。あと君達は先に狙わないでおくとしよう。それじゃ始めるからね。」
5人組の友達は嫌々ながら続けることにした。そして鬼ごっこが始まった。スタートは夕方の4時10分だった。みんな一斉に街中へと別々に逃げた。
「へへ、家の帰って隠れてやるぜ!」
たけしくんは家へ帰ることにした。
「はぁはぁ…遠くに逃げなきゃ!」
僕はひたすら走って遠くの山まで逃げることにした。するとその時…
「ちょっと待って!一緒に逃げよう!」
5人組の友達に呼び止められた。
「どうしたの?急いで逃げないと捕まっちゃうよ。」
「いいか、よく聞いてくれ。あのおじさんは人じゃないかもしれないんだ。」
5人組のうちの1人が、あれは人じゃないかもしれないと言い出した。
「そうなの!?じゃあこの鬼ごっこって…」
「多分だけど、捕まったら本当に家には帰れないよ。それに人じゃないからいくら遠くに逃げてもダメかもしれない。」
みんなで冷や汗をかいた。
「じゃ、じゃあどこに逃げればいいって言うの?」
「神社だ。神社の建物の中に隠れよう。」
「で、でもここから神社へは10分ぐらいかかるよ!?」
「多分それも大丈夫だ。ここにいるみんなは全員助かる可能性が高いと思う。」
「なんで?」
「悪いけど、それは言えない…」
その友達は体が震えていた。
「わ、分かった。この6人だけでも神社へ行こう!」
みんなで走って神社へ行った。その友達の言う通り、おじさんに追われることなく本当に神社までたどり着くことが出来た。
「へへ、家に帰ってやったぜ!2階の窓から双眼鏡でジジィがどこにいる見つけて楽しんでやる。」
たけしくんは家に帰っていた。
たけしくんは、太郎くんがおじさんから逃げているところを双眼鏡で見つけた。
「おっ、太郎のやつ必死に走ってやがる!うけるわ!こうしてれば安全だったのによ。え…」
太郎くんがおじさんにタッチされた瞬間に太郎くんが消えてしまったのだ。そして双眼鏡でおじさんと目が合った。そしてニヤリと笑った。
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!」
たけしくんはトイレの中にカギをして隠れた。
トコ…トコ…トコ…トコ…
階段を誰かが上ってくる音がした。
「…!?」
心臓がバクバクしていた。
「おっと、ここから小便くせぇーガキの臭いがするな。」
おじさんはドアをすり抜けて入ってきた。
「え…。」
「はい、ゲームオーバー。」
たけしくんの存在は消えた。
「いいか!絶対に外を覗いちゃダメだぞ!分かったな!」
夕方の5時まで僕含めた6人は神社の建物で怯えながら隠れて助かった。
翌日、たけしくんと太郎くんは学校には来ていなかった。
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