[恋愛小説]夢の中の不思議な少女
自分はある日から夢の中で不思議な少女に出会うようになった。
「お前なんかとは口も聞いてやらない」
「え?」
最初こそは、話してすらやるものかと思っていた。
けれど、夢の中で毎日会う度に自分と少女は少しずつ打ち解けていくようになり、今ではその少女とすっかり意気投合して、夢の中で一緒に遊ぶようにまでだった。
その少女とは、色んなことをして遊んだ。大食い対決をしたり、どっちが早く空を飛べるか競争したり、どちらが迷路を早くクリア出来るかなんて対決もした。
本当に色々なことをした。まあ、自分が全敗だったけど…。最近は、その子に夢で会うことが楽しくなってきた。
そしてだんだんとその子のことを異性として気になるようになっていった。単刀直入に言うと好きになったのだ。
最近は早く夢の中で会えないかな何て思うようになってきた。だが、幸せな日々は長くは続かなかった。
その子と夢の中で会う頻度が少しずつ減っていったのだ。
もうなんとなく自分もわかってきた。多分だけど、今後夢の中で会えなくなる日は絶対にやってくる。
彼女もそれを察したようだった。そこで彼女は夢の中でこんなプレゼントをしてくれた。
「はい!」
「こ、これは…」
住所が書いてあるメモだ。書いてある住所を見るとどこか分からない学校の住所だった。
自分はそのメモ大切に受け取った。それ以来、彼女と夢の中で会うことは2度と無かった。
そして夢から目を覚ますと自分の手の中には、もらったメモがあった。
そこには日付や時間まで丁寧に書いてあった。とりあえず、この指定された時間にその場所に行ってみようと思う。
自分は電車を乗り継いで、かなりの田舎まで来てしまった。自分はだんだんと疑心暗鬼になってきた。
こんなところに本当に学校があるのか? そもそも彼女は存在するのか?
彼女は自分が夢の中でだけ作り出した幻なんじゃないか?
疑い出したらキリが無かった。でも好きな彼女に会いたい気持ちは変わらず、メモを頼りにその学校を目指す。
そして自分は学校に着いた。
「やっぱりいる訳がないよな。分かってたよ。ハハ…」
疲れてベンチに座る。その日は土曜日だった。
学校覗いてみると、土曜日のためか地域の少年野球チームが試合を行っていた。
ボールをバットで打つ金属音が鳴り響いていた。
「そもそもあの子が本当に存在するかも分からないのに、こんな知らない学校に来て俺気持ち悪すぎるだろ。」
なんだが自分が情けなくなってきた。
「もう帰ろう…」
その時だった。
「来てくれるって信じてたよ」
懐かしくて聞き覚えのある声だった。
「え…!?」
その声を聞いて胸が高鳴った。
「私だよ私、覚えてないの?」
まさに夢の中で見た少女の姿形そのものだった。
「うぅ…」
俺は泣き出してしまった。
「何で泣いてるの!?」
彼女は少し驚いていた。
「会えないと思っていたから、もうあのまま会えないと思うと寂しくて仕方がなかったんだ!」
「そっかそっか。私も会えなくて寂しかったよ。私を見つけてくれてありがとう」
彼女も連れてて少し泣いていた。こうして再会を果たすことが出来た。
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