死の音声
この世の中には死の音声と呼ばれる恐ろしい音声があった。死の音声を聴くと体が次第に動けなくなって、麻痺していく。
そして最後は心臓が麻痺して死に至るというのだ。
この音声が一時あるネットの掲示板に公開されてしまい面白半分でその音声を聞いてしまった人が何人かいたらしい。
その音声を聞いた全員が原因不明の心臓麻痺で死んでしまったらしいと噂になっていたり
死の音声は危険すぎるということで掲示板から削除されてしまった。今はその音声について知る人は少ない。
だから普通の人が辿り着けない裏のウェブサイトでその死の音声が取引されているとかいないとか。
「ちーっす、みなさん死の音声って知ってますか? 今回はこの死の音声を聞いてみたいと思いまーす」
死の音声を購入して、その音声を実際に聞いて、それを動画に投稿した人がいた。その時はライブ放送で死の音声を聴いている様子が映っていた。
ちなみにその動画を投稿していた投稿者は程なくして死んでしまったという。これはまだ生きている時だ。
「なるほどね、こんな感じか。聴いた感じだと余裕です!」
公開された動画ではその人がイヤホンをしながら、死の音声を聴くところから始まる。
「あれ? おかしいな。なんか体が痺れてきた。これ本当にやばいやつかも」
次第にその人は体に異変を感じて、すぐに死の音声を聴くのをやめた。そしてその放送の後に死んでしまったというのだ。
その人は放送の直後にSNSで体に次々に起こる異変についてツイートをしていた。最後は体が麻痺して書くところじゃなかったんだろうなということは容易に想像がつく。
「いそゆまめなやてなやljm」
最後の方はちゃんと入力もできていなかったのか、文章がおかしかった。どうやら死の音声というのは一度でも聞いてしまったら死ぬのが確定しまうらしい。
死の音声をすべて再生していなくても、1度聴けば後から毒のようにジワジワと効果があって死んでしまうらしいのだ。
投稿した人は本当に少ししか死の音声を聴いていないのに死んでしまった。今のところ聴いた後の対策の治療はないようだ。
死の音声は一度でも聞いてしまったら最後なのだ。とにかく言いたいのは面白半分で危険なところには近づいてはいけないということだ。
「これから危険な地域に行ってきまーす! 余裕余裕w」
数日後。
「身代金を用意しろ! さもなくばこのバカを処刑する」
「助けてください! 俺を救うためにお金を払ってよ~!」
この世には遊び半分で飛びつくと死に至るというものがたくさんある。死の音声も、その飛び込まないほうが良いことの一角にすぎないということだ。
刺激を求めて危険な領域に入っていくということは、もしかしたら死ぬことになるかもしれないということも覚悟しなければならないのだ。
例え生き残っていたとしても、精神が壊れて精神病棟に入院することになるかもしれない。
危ないところには近づかないことが吉なのだ。良い人生を送りたければ、変なことには首を突っ込まない方が良い。
何もない平穏な毎日が続く生き方が一番良い生き方なのだ。もし危険なことに関わって、例え生きていたとしても何かしらの後遺症が残ってその後の人生をダメにしてしまうこともある。
皆さんもこの世の中で取引されている死の音声には十分に注意をしましょう。面白半分で聞いてしまえば、痛い目にあうどころの話ではなくなってしまうのだから。
この世界には絶対に近づかない方がいい闇の部分もあるのだ。
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