田舎道に潜む恐怖

 とある4人家族が、東京から東北の実家の田舎へみんなで帰省していた。その家族は、親の仕事の休暇を長く取れたので田舎の実家からちょっと離れた、東北の観光地で観光をしようかということになり、隣の県へ観光に行こうということになった。

 目的地へとナビを設定して、その通りに車を走らせていた。田舎の綺麗な景色を見ながら田舎の一般道走っていた。

 すると驚くべき光景が目に入ってきた。道路の真ん中に思いっきり野菜が植えられていたのだ。しかもかなり大きな野菜だった。

 なんの種類の野菜かまでは分からなかったが緑色で大きい野菜だった。このまま車が通ったら間違いなくその野菜たちはダメになるだろう。

 でもここを通らなきゃ観光地には行けない。何よりも子どもたちが観光地に行くのをとても楽しみにしていた。なのでここは引き返す訳にはいかなかった。

 それにここは一般道なんだから通っても何も問題もないと思った。家族の運転者は誰も見てないことを確認して野菜を引いて走った。

 野菜は大きかったので車が通る時にゴツゴツ!っとした衝撃が伝わった。早いところこんな変なところから離れようと思った。

 自然と車のスピードも上がっていた。それに道路の真ん中に野菜を植えるやつなんて絶対にろくな奴じゃないと思った。

 その時だった。後ろの脇道から2台の車がやってきた。その車は明らかに家族の乗る車を追っかけてくる。

 おそらく野菜を道路に植えた人達なのだろう。わざわざ脇道で待ち伏せをしていたのだ。


「お父さん怖いよ!」

 子どもは怯えている。追跡をしてくる車の運転手が血気迫った表情でものすごいスピードで追いかけてくる。


 これはこっちもかなりスピード出さないとやばいなと思って、その家族の運転手はかなりのスピードを飛ばして逃げた。

 田舎の一般道の道を抜けるまでは、後ろから車で何回も何回も煽られていた。そしてやっと市街地に出た。

 信号や曲がり角などを上手く駆使しながら追っかけてきた車をまいて、コンビニの駐車場に止まった。

 その家族はその後見つかることなくなんとか逃げ切ることができたのだった。それにしても追っかけてきた人たちは一体何だったのだろうか?

 第1次産業が虐げられたことに対する怒りで、野菜を道路の真ん中に植えたのだろうか? はたまた閉鎖的で陰湿な田舎だから、意図的に外部の者を通らせないように道路で野菜を植えたのかだろう?

 真意は定かではないけれど、これだけは言える。もうあの道を通ることは絶対にないだろうということだ。  

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