メリーバッドエンドの加護

作者 新代 ゆう(にいしろ ゆう)

64

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★★★ Excellent!!!

自殺を考える人にとって、はたしてそれを止められることは救いなのだろうか。命が繋がったとして、その先に何があるというのか。
私も自殺を考える彼ら、彼女らに生きてて欲しいと思ってしまう側だけれども、それは単なる傲慢の類いではなかろうか。そんなことを考えさせられました。
生きるってなんだろう。死ぬってなんだろう。自殺はいけないことなのだろうか。自殺を止めるって、果たして善行なのだろうか。新代さんの綴る美しく繊細で、どこか儚い文章からそんな「命」に関する問いやメッセージが感じられる作品です。

★★★ Excellent!!!

私は今高校生ですが、自殺願望があり、不登校になっていました(今も半分そうですが...)。

必ず訪れる朝という時間が怖くて、できるだけ夜を長く過ごそうと夜ふかししたりしました。

太陽の日差しが、不登校な自分を責めているようで、カーテンを閉じて、明かりを消し、毎日惰眠を貪りました。

雨の日は少し許されたような気持ちになって、明日は雨にならないかな?って想ってました。



その時私を助けてくれたのが母でした。

私は自分の悩みを他人に吐くということに抵抗があって、全て自分で発散しようとして、何度も壊れかけました。

だけど、そこで私を見ていた母が、悩みを吐いてもいいんだよって言ってくれて、少し楽になりました。



でも、それ以降もやっぱり悩みを吐くことに抵抗があって、何度も独りで悩み続けました。



それから一年後、私は母子寮で暮らしているのですが、その母子寮にいる精神科の先生(すみません、詳しくはわかりません)に、限界になって吐き出しました。

すると、少し楽になりました。

その後も定期的に話すようになって、その会話の時間だけは、自分の全てを肯定してくれてるような気がして嬉しかったです。



だから、貴方の本音を、本心から肯定してくれる人。
貴方と毎日のように会話を交わし、貴方とその人が、本当の意味で自由でいられるような人と出会えることを願っております。



一人の人間として、貴方の生の幸福―自由―を願っております。



★★★ Excellent!!!

この作品(自分語り)を読み、「死」についてなかなか考えさせられました。
生きることは素晴らしいとか、生きなきゃダメなど、日本人は洗脳、宗教のように言われ続けている。 
「死」について、「自殺」について少し考え方が変わる作品です。
最期は美しく飾りたい(死にたい)と思ってしまうのは人間がどうしようもなく欠陥品だからなのかな?

★★★ Excellent!!!

美しいものに気付ける。
そのフィルターは人それぞれで、この作品ではそれがたまたま『死』だったのかもしれません。
文体はとても読みやすく、旅行記として読むのも良いかもです。
未完でも、ゴールがあったとしても、どちらの場合でもゆっくりと楽しめる作品と感じました。
お気に入りの喫茶店へゆっくりと歩いていく。そんな感じです。