第3話 彼の存在
「友羽ーーっ!」
砂弥香が駆け寄る。
「うわっ!何?」
「友羽の同居人、板倉 十夜君って言うんでしょう!?」
「えっ?あ、うん」
「超イケメンじゃん!背高いし、モテモテ君だし、申し分ないよ!転入する前にバスケ部で一騒動したって話だし、一気に人気者になって一躍有名人じゃん!」
「あー」
「あれは手放したら駄目よ!友羽」
「えっ?手、手放す?」
「絶対ゲットすべき!」
「ええっ!いやいや別に私はそんなつもりないし」
私達は色々話をしていた。
その日の夜。
「十夜」
「ん?」
「十夜ってモテモテなんだって?友達がすっごい興奮して言ってきたから」
「えっ?あー、そうなのかな?」
「友達が同居なんて羨まし過ぎるって」
「へぇー」
「ゲットして手放したら駄目だって言われた」
「ゲット?」
「うん。つまり彼氏の事なんじゃないかな?」
「彼氏?友羽、立候補する?」
ドキッ
「い、いやいや…確かに自慢にはなるけど…十夜ならもっと可愛い子とか美人な子の方が良いよ」
「そう?友羽、十分に可愛いよ」
ドキッ
「えっ!?いやいや…私はそんな……」
「他人にどう思われようと見られようと気にしないで良いと思うよ。相手が自分の事を好きになってくれたんだから」
頭をポンポンとする十夜。
「友羽は十分に可愛いよ」
「あ、ありがとう…。十夜は、向こうでもモテモテだったでしょう?」
「どうかな?」
「じゃあ、彼女はいたんでしょう?」
「彼女?うん、いたよ」
「そうだよね」
「だけど、こっちに来る前に別れたよ」
「遠距離になるから?」
「違うよ。彼女の浮気」
「ええっ!?浮気ぃっ!?これだけカッコイイ十夜がいながら浮気って有り得ないっ!」
「だけど本当なんだよ。彼女が偶々、他の男といるのを見掛けて友達に二人が付き合っているって聞いて本人に確認したら、正に付き合っているって。本当、参っちゃうよね」
「私だったら絶対しないな。だって、これだけカッコイイ十夜が彼氏なら文句ないと思うけど……」
「だけど浮気されたから何処か不満があったんだと思うよ」
「不満?どうして?だって申し分ないじゃん!」
「ありがとう、友羽。そんな友羽は彼氏は?」
「いないよ。淋しい人生送ってるから。16年間いないから」
「そうか。じゃあ、その彼氏が出来る可能性はあるのかな?」
「えっ?」
「好きな人いないの?」
「好きな人?いないよ」
「そうなんだ。友羽は一目惚れってあると思う?」
「一目惚れ?あるんじゃないかな?」
「じゃあ、最近、友羽は一目惚れした経験は?」
「えっ?ないよ」
「ふ~ん……」
「えっ?何か疑ってる感じ?」
「ううん違うよ」
私達は色々話をしていた。
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