トロイメア・オンライン! 〜ブラコンでロリ巨乳の私は、クソザコステータス『HP極振り』と残念魔法『自爆魔法』で、最強で快眠な女子に成り上がります!〜
初めての契約! 〜ロリ巨乳だって方言女子にはトキメキます!〜
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――いや誰この子!?
女の子はうつ伏せで倒れているものの、長い黒髪が体の大部分を隠してくれているので、それ自体はそこまで背徳感をおぼえない……のだけど!
「ど、どうしようこれ……傍から見たら完全に
本当は
私は、自爆直後でまだ思い通りに動かない身体に鞭を打ち、女の子の肩に手をかけてその身体を揺する。
「もしもし、もしもーし可愛いお嬢さん? そんな格好してると風邪引きますよー?」
「ん、んん……もう、お腹いっぱい……」
「はい?」
もう、なに寝ぼけてるのこの子は!
私は女の子のほっぺたを指でつっつく。むにむに、柔らかい。気持ちいい、癖になりそう。むにむに……
「あーもう! なにしよーと!?」
女の子は眠たそうに目を開けると、その金色に輝く瞳で私を睨んできた。可愛い。もっといたずらしたくなってくる。
「とりあえず服を着よう! 話はそれからだよ」
「それ、あんたが言う?」
私もそう言えばまだすっぽんぽんだった。
「君が着るまで私は着れないよ申し訳ないし……」
「なに、そんルールは……あんたは知らんばってん、うちゃこれが普通やけん!」
「えぇ、なに? ばってん?」
訛りが強くてよく分からんばってん……(絶対使い方間違ってる気がする)。まあ、これが普通だってことが言いたいのはわかったし、私もすっぽんぽんのままだとさすがに恥ずかしいので、ストレージに格納されていた『精霊使い』の装備を身につけた。
女の子も、なにも着ていないのも事案なので、私のお古の『ぬののふく』をストレージから取り出して差し出す。すると女の子はゆっくりと起きあがり、『ぬののふく』をじっと見つめると、やがて謎の光に大事な部分を隠されたすっぽんぽんの身体の前で腕を組む。そして、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
「嫌や、着らん。変な匂いがする」
「怒るよ!?」
JKの脱ぎたてだよ? フローラルな香りがするでしょ!?
助けを求めて辺りを見渡してみたものの、ホムラちゃんも、あのなんちゃらドラゴンとかいうモンスターの姿もなかった。けど、『モンスターを撃破しました!』みたいなメッセージは出ていないから、モンスターの撃破には至っていないらしいというよく分からない状況みたい。今またモンスターが出てきたら私すぐに死んじゃうよ。
ホムラちゃんは――可哀想に自爆に巻き込まれてしまったのかもしれない。
――ピコンッ
噂をすれば、メッセージが出てきた。
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差出人︰ホムラ
タイトル︰氏ね
本文︰頃す
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――や
やっっっちゃっっったぁぁぁぁぁっっっ!!!!
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!! 脅迫メール! 運営さん! 脅迫メールですよ! 垢BAN! 垢BANお願いします!!!!
真っ青になりながら冷や汗を流し始めた私に、全裸の女の子が声をかけてくる。
「どげんしたと?」
「……殺される……!! ……と、とりあえずそうだ! これ着てて! えっと……あった!」
私はそこら辺に落ちていたホムラちゃんの近未来風装備一式を拾ってきて女の子に手渡した。すると、女の子はなんの文句も言わずにそれらを身につけた(解せぬ)。ボディスーツ痴女スタイルの黒髪っ子も可愛いなぁ……おっぱいはもうちょっとあってほしいかもしれない。
でも今はホムラちゃんに殺される前にさっさとここから離れないとね!
「私そろそろ行くけど、君はどうする?」
考えてみたらこの子に関して現状だと全く情報がない。敵なのか味方なのか、なんで自爆したあと私の隣に倒れていたのか……ということは私の自爆に耐えたということ……? うーん、よく分からない!
「うちゃここから離れられん、地縛霊やけん」
「自爆って……あ、そう。なら置いていくよ?」
「嫌!」
ガシッと、女の子が私の腕を掴んで引き止める。力強っ!
「置いていかんで……
――ピコンッ
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精霊【混沌精霊龍・カオスフェアリードラゴン】『アジ・ダカーハ』との契約に成功しました!
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へ、なにこのシステムメッセージ? 意味わかんない。ていうか……
……ご
「ご主人様ぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
いつ私はこんな可愛い家来を持ったのだろうか!? さては……さてはファンクラブだな!? ついにココアちゃんファンクラブが始動したんだな!?
「そうばい。ご主人様はうちにたくしゃんご飯ば食べさせてくれたけん。ばり嬉しかったばい」
ん? ご飯? ……あ
「自爆魔法のこと?」
私が尋ねると、女の子はこくりと頷いた。あ、だいぶ分かってきたかも……この子は多分……
「君、あのモンスターでしょ!」
あのさっきのウナギモンスター。やたらと魔法を吸収していたし。私のMPも吸っていた。多分魔力を食べて生きている系のモンスターだ。そしてさっきはかなりお腹を空かせていたらしい。
「モンスターとは失礼やなあ! うちは『邪龍 アジ・ダカーハ』っていって、ばり強かドラゴンやったんだけど、ここで人間どもに殺されて地縛霊になって、精霊たちば統べることになったんばい」
「そうなの? すごっ!」
確かにさっきのウナギさんはとんでもなく強かったけど……なんでそんなヤバいやつと契約できてるの私……。
「やろ? そげんうちばテイムするとは、やるね!」
「あ、私『テイマー』じゃなくて、『闇霊使い』なの!」
「――へ? なんやって!?」
アジ・ダカーハと名乗った女の子はその場に崩れ落ちた。よほどショックだったようだ。ごめんね。テイマーじゃなくて。
「ていうことは、うちん邪龍ん部分じゃなくて、精霊ん部分と契約したってことなんか……」
「うーん、よく分からないけど多分そうかな?」
「地縛霊と契約するちゅうことはつまり、呪いは解かるーちゅうことで……うちゃ自由ん身や! やったぁ!」
「ぶぇっ!?」
アジ・ダカーハちゃんは歓声を上げながら私に抱きついてきた。めちゃくちゃ力が強い。死んでしまう。
「ご主人様好き! 一生ついていく!」
「そ、その前にご主人様を殺さないでください……」
私がアジ・ダカーハちゃんの背中をポンポン叩くと、彼女はやっと私を解放してくれた。……うぅ、身体が痛い! 邪龍恐るべし!
「ご主人様、あんね。うち、名前が欲しか」
――ピコンッ
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契約した精霊に名前をつけてください。
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システムメッセージが忙しいな! 名前? 『アジ・ダカーハ』が名前じゃないの? ん? あれは種族名みたいなものなのかな?
いや待って、いざ考え始めるとなかなか適当な名前が思い浮かばないよ! 誰か助けて!
えっとぉ……私がココアだから、ミルク! ミルク×ココアでいこう! 美味しそう。
「君の名前は、今から『ミルク』ね」
アジ・ダカーハちゃん改め、ミルクちゃんに向かってそう告げる。すると
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精霊の名前は『ミルク』でよろしいですか?
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「よろしいです!」
私が答えると、メッセージウィンドウはそのまま消えたので、ミルクちゃんの名前はミルクってことで決定されたらしい。
「……みるく、みるく……ご主人様がつけた名前ならべつに……」
一方のミルクちゃんは浮かない顔だ。名前が気に入らないらしい。ごめんね! ネーミングセンスなくて!
「あ、ミルクちゃんさ、そういえばなんで今は人間の姿してるの?」
ずっと気になっていたけどそれ以上に気になる事案が多かったせいで聞けなかった疑問をここで投げかけた。ミルクちゃんは、えー今更? みたいな感じに顔を顰めると、こう答えた。
「だって、あっちの姿やと、ご主人様とお話できんやなか」
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