閑話休題
敵はあらかた片付け終えたみたいだな。後はとにかくマティエの方を急がせなければ命に関わる。エッザールは……こっちは放って置けば治るか。
「な、ラッシュ。結構俺らと組んでみると楽しいだろ?」饒舌なイーグがまた俺に語りかけてきた。
だけど今はそれが分かる気がしてきた。俺は今の今までずっと一人で駆け抜け続けてきたしな……正直、仲間というものがどんな意味を持つのかすら考えたことがなかったから。
それにルースもジールも割と個人でやりたがる方だったから、一つの仕事を分担するとか、手分けして仕事するとか、それに……
助けあうということも。
俺がゲイルに捕まった時にアスティが助けてくれたり、ドールとの戦いでお互いカバーしあったり。初めてづくしで、それでもって新鮮で……
「……ああ、悪くねえかもな」
「よーっし! そンじゃきまりだな。俺たち3人で軍団結成っと!」
「ま、まだ……うえっ、ここから……生きて帰らなければ」確かにエッザールの言う通りだな。生きて帰るまでが戦いなんだから。
「大丈夫大丈夫、俺たちには聖女ディナレ様の加護があるんだし!」そう言ってぺたぺた俺の鼻面をイーグは触ってきた。殴るぞ本気で。
マティエは……こいつ正規のリオネングの騎士だし、ルースというイイナズケがいることだし。またの機会でいいか。
仲間か。いい響きだな。
「で、ではい、生きて帰れたら……結団式を……しま、うげええええ」
「うわ汚ねえ! てめえこんなトコで吐くな!」
……なんか、マティエよりエッザールの方が逆に心配になってきた。大丈夫かこいつ。
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