棺桶少女

海月大和 様作


あらすじ引用

棺桶を引きずって、幼い少女はどこへ行くのか。

行く先々で出会う人々は少女に何を残すのか。

絵本風味の小説です。


備考・短編

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)

あらすじでは予想はつかないが、

誰の棺桶なのか? 何故、引きずっているのか? どこへ行くのか?

謎が多そうである。気になるのは”行く先々で出会う人々は少女に何を残すのか。”の部分。救われるのは棺桶を引きずっている少女ではなく、周りなのかもしれない。


2 物語は(どのように始まっていくのか?)

車輪のついた棺桶を引きずって歩いているところから始まっていく。当然のことながら、少女には不釣り合いな荷物(?)である。人目を惹くのだろう、好奇心丸出しのような露店の人物に話しかけられる。棺桶なのだから、当然人が入っているかこれから使用することになるか、どちらかだとは思うが人間とは好奇心からなかなか逃れられないもの。中身が気になるのは、登場人物だけでなく読者も同じだと思われる。果たして、中身は?


3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。

・少しづつ明かされていくのが主人公の過去なのか? それとも事実ではないのか判別し辛く、ミステリアスである。

・初めは淡々と進んでいくように感じるが、目的地に着くまでの間に色んな出来事があり、そこには優しい人もいれば親切な人、悪人などもいる。

・ラストがどうなるのか凄く気になる物語。

・山場からラストへの繋がり(流れ)が素敵である。


4 作品の感想

初めはどうなるのか全く予想がつかないが、ちょっとずつ秘密が明かされていく。ただその話が本当なのか作り話なのか分からない部分もあり、ラストに分かっていく。構成がとても巧いなと感じた。特に騎士からラストにかけては、ロマンチックですらある。こうだと明確にしているわけではないのに、謎がちゃんと明かされていくというのはとても面白いと感じた。


5 物語のその先を想像して

この物語はとても想像力を掻き立てる。その材料は物語のあちこちに散りばめられていて、読者の想像に任せるという部分も感じられるのだ。

二人はこの後仲睦まじく暮らしたのではないか? と想像する。

あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

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