日給10円で俺の彼女にならないか〜「魔王」の異名を持つ学校一の美少女を彼女として雇ったら、幼なじみがドン引きしたので、解雇したいと言ってももう遅いって断られました

エリザベス 様作


あらすじ引用

 俺は魔王に最低のセリフで告白してしまった……

「一目惚れしました!俺と付き合ってください!」

「そんな非科学的な理由で私のことを好きになったのかしら? 私の何を知っているの? まさか自分の好みを私に押し付けるつもり? その俺様な態度が人生を破滅に導かないことを祈ってあげるわ」

 そうやって辛辣な言葉で告白してくる男子を一蹴する学校一の美少女、姫宮愛。見た目はいいが性格はとてつもなくキツいという意味で彼女は生徒の間で「魔王」と呼ばれている。そんな彼女に俺は罰ゲームに負けて最低のセリフで告白することになった。

「日給10円で俺の彼女にならない?」

 俺の最低の告白にまさか彼女はオーケイした。きっとこれはなにかの陰謀だ。彼女は俺に油断させて、俺が心を開いたときに俺をこっぴどく振って高笑いするつもりに違いない。幼なじみの有栖芽依にこの件を教えたら、彼女はドン引きした。なぜなら、俺は中学校のときも付き合っていた彼女に毎日金を渡していたからだ。芽依を安心させるため、そして、二度と女に弄ばれないように、俺は姫宮に別れを切り出した。


「解雇したい」


「いまさらもう遅いわ」


 なぜかそれは姫宮に断られてしまった。こうやって、雇い主である俺と雇われ彼女である姫宮の変な恋人関係が始まった。


【簡単なあらすじ】

ジャンル:恋愛(現実世界)

主人公はゲームに負け、罰ゲームで学校一の美女に最低な告白をする。彼女は辛らつな言葉で自分に言い寄る男子を振りまくる魔王。もちろん自分もフラれるものと思っていたのが、何故かOKされてしまい?! 無意識にモテまくる鈍感で自虐的な主人公と、美女たちで繰り広げられる、学園を舞台とした青春ラブコメディ。


【物語の始まりは】

学校一の美少女ではあるが性格が超悪い、”魔王”と言われる少女にゲームで負けたら”最低な言葉で告白するという”罰ゲームに主人公が負けてしまうところから始まっていく。どうやらそのゲームも汚い方法で相手が勝ったようではあるが。彼女は男子とほとんど会話をせず、”今まで何人もの勇者が告白してきたが、全て辛辣な言葉で追い返されたらしい”という噂もある。果たして主人公の運命は?!


【舞台や世界観、方向性】

舞台は現代。

学校や家などを舞台としたラブコメ。

シリアスな部分もる。


【主人公と登場人物について】

主人公は罰ゲームとして、学校一の美少女に「日給10円で俺の彼女にならない?」と告白する。もちろんフラれる予定で。こんな告白をしたのにはちゃんと理由もあるようだ。(それについては作中にて)

しかし予想外の展開が待ち受けていたのである。これは何かの策略か? それとも陰謀か? 恐怖さえ感じ、主人公は一緒に帰ろうと言われたのを振り切り、幼馴染みと帰宅。謝るようにと助言を受け、その通りにするのだが。

主人公は自虐的な人物だという印象。しかし友人は多いように感じるので、人から好かれるタイプでもあるのだと感じた。


【物語について】

物語の流れが非常に面白い作品である。主人公が罠に嵌められ(友人にズルをされ)、罰ゲームを実行しなければならない。ここまではよくありそうな展開である。そしてフラれる気満々で告白したら、OKを貰う。この流れで行くとハッピーな展開をイメージしそうであるが、地獄というのが面白い。相手が学校一の美少女で、OKを貰った前例がないにもかかわらず、OKを貰って嫌がるというのは、なかなかないのではないだろうか? しかも、お付き合いとは言っても雇用関係という。なのに、解雇できない。その上、彼女がノリノリに感じてしまう。彼女が何故この条件をのみ恋人関係になったのか、とても興味深い。果たして、二人の関係はどうなっていくのだろうか?


【良い点(箇条書き)】

・主人公が自虐的すぎて面白すぎる。

・主人公が鈍感すぎて、フラグが立っていても気づかないのがオカシすぎて笑ってしまう。

・主人公の勘違いが卓越している。魔王も幼馴染みも苦労しそうである。

・彼が人に好かれるのが何となく理解できる。無自覚でモテる人はこういう人だよね、と思った(笑)

・ところどころにある、母への心の一言が面白い。

・主人公が勝手に思い込んで、魔王と戦っている心理が面白い。

・時々出てくる、以前の彼女と魔王の違い。なのに彼は気づかない?!

・主人公の魔王に対する固定観念が揺るがない!

・途中までは笑える流れだが、ある女性が登場してからはトラウマや彼を巡る恋模様が白熱する。


【備考(補足)】17話まで拝読

【見どころ】

主人公の心理がとてつもなく面白い物語。読む手が止まらなくなる。初めのうちはゲームに負けて哀れな主人公という印象なのだが、ストーリーが進むにつれ段々と主人公の人柄や良さが伝わって来る。一般的なモテイメージのハイスペックな男子という感じではなく、一緒に居ると面白い、味のある人物。しかしほとんどが表に出さない感情なので、彼女たちがどのように彼の良さを感じ取っているのかは、謎である。読者には充分伝わってくるのだが。

主人公の面白さの決め手は三つある。まず、他人の好意に気づいておらず、自虐的な所。そして、その為か魔王や幼馴染みの本心や言動の理由を誤解しているところ。心理の中での母への一言である。巧いバランスで構成されており、笑いどころが満載。

だが、主人公に家族が増えるとシリアスな部分も出はじめる。果たして主人公の心を勝ち取るのは誰なのか?!

あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

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