女神の白刃  

玉椿 沢様作


【あらすじ引用】

どこかの世界の、いつかの時代。

その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。

女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。


1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)

あらすじの感じから、人というよりはこの世界自体が主役なのではないかと感じた。

何故人を鞘としたのか? とても奇抜な設定ではあるが、そうしなければ成り立たない何かがあるのだと思う。

女性を鞘とした必然性こそが、この物語の重要な部分でありオリジナリティを形成しているのではないかと感じた。

世界自体が主役と感じたのは、この理由によるものである。


2 物語は(どのように始まっていくのか?)

ある旅人が別の旅人と出逢う所から始まっていく。主人公は旅芸人の方だろうか?

彼らは旅芸人の誘ういを受け、近くの村まで同行することとなった。そこでこの世界について語られており、剣士は特別な意味を持つことが明かされていく。旅人たちが村につくとそこは活気がなかった。果たしてその理由とは?


3 世界観について

旅芸人:ファン、エル

旅人:フミ

女性の身体が鞘となり剣へ変化するには、儀式が必要。最初の村では、強い剣を得るためのプロセスが明かされていき、旅人それぞれの境遇なども明かされていく。いわば、世界観や舞台説明のプロローグのようなもの(物語や世界観を理解したり、掴むためのもの)だと言っても過言ではないと感じた。

この剣については、誰も彼もが持てるわけではなく剣士と呼ばれる者が所持しており、それは自分の妻ではなく他人の”妻”を奪って剣(鞘とする)に変える。何故妻なのか? これにはある理由があり、それは作中で明かされている。


4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。

・主人公に焦点が合っている

・伏線をきちんと回収している

・意外性がある

・悪がはびこっているようではあるが、ちゃんと爽快感がある

・設定がしっかりしている

・時代劇の好きな人が好きそうな構成である

・登場人物は多いが、名前のついている人物が少ないため、混乱しない


5 お奨めしたい部分

一章のみの話しの流れでの説明とはなるが、”絶望と希望を繰り返すことにより最大限の爽快感を読者に与えることができる作品”だと感じた。一章では話の流れや世界観、主人公の目的などが明かされているのだと思う。主人公は認めてはいないが、それ(ネタバレになるので詳しく書けないが)が旅の目的なのだと感じた。なので、方向性の分かりやすい作品でもある。

主人公の最終目的はなんだろうか? 行きつく先とは? 混沌としたこの世界に彼は光となるのだろうか?

見どころ満載の作品だと感じる。


6 物語のその先を想像して

主人公の目的が分かったので、この先は悪を成敗し世の中を変えていく物語なのではないかと想像する。

そして最終的には、この国 (世界)自体を変えていくのではないだろうか?


あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?

お奨めです。

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