私の中の社畜な悪魔
恵ノ神様 様作
【あらすじ引用】
この小説は、悪魔に憑りつかれた主人公が精神病棟内で起こる事件を解決するべく、挑み続けた物語。
主人公が最後に行き着くその境地とは、一体何だったのか……。
【物語は】
ある男が病院内で奇妙な体験をするところから始まる。
これが一体、本編にどう関わってくるのだろうか?
本編に入ると、外と中の温度差を比較という手法を使い表現している。このことにより外が、どれほど暑いのかを分かりやすく読者に伝えている。
主人公は病院に診察に訪れる前に、自分の症状を調べている。その為、医者から病状を告げられてもさほど驚かなかった。確かに、自分がいつもと違うと感じた時は、インターネットなどで調べたりすると思った。しかしそれは、安心したいという気持ちが大きい。知っていることにより、落ち着くというのはある。患者の心理にリアリティを感じた。
彼は、どうやら精神に問題を抱えてしまっているようだ。
【物語の魅力】
昨今では法律が厳しくなっており、残業にストップがかかったり、パワハラに対する注意喚起が強化されてもいるが、それでも弱者は強く出られないものである。どんなに法律が変わろうとも、ブラック企業がゼロになるのは難しいのではないだろうか。
時間が短くなった分、時間内の仕事量が多くなったり。中には、家に帰りたくないという人もいるように思う。人はいつもストレスにさらされており、それと上手く付き合えるかが、分かれ道なのかもしれない。
主人公は”社畜”と呼ばれる分類に入り、統合失調症となってしまった。この言葉自体は聞いたことがあっても、どんな病状なのか詳しく説明できない人もいるのではないだろうか。
この物語では、病状が詳しく説明がなされており、ぼんやりとしか知らなかった人も知識を得ることが出来る。拘りだけでなく、読者へ理解と注意喚起、どちらの役割も果たしている作品だと思う。
精神病棟というのは病院の中でも別の分類なので、お世話になることが無ければどんなところなのか知ることは出来ない。記事などで患者への扱いの酷さを目にすることはあっても。
この物語では、そういう知らない部分を知ることも出来る。
【主人公の魅力と運命】
主人公は病院へ診察へ赴く前に何らかの異変を感じていたはずだ。
段々と明かされていくタイトルにある、”悪魔”の存在。
この”悪魔”が統合失調症の症状の一つである、幻聴、幻覚なのかはまだ分からない。
モチーフが上手く使われていると感じた。自分が見せる何かなのか、それとも別のものなのか。コミカルに描かれてはいるが、入院の原因でもあるのだろう。しかし、これは物語の中ではターニングポイントと言って過言でないのではないだろうか?
主人公は、真面目である。悪魔の話に耳を貸そうとはしないところから”現実主義”でもあるように感じた。そんな彼が悪魔にとりつかれた為、入院をせざるを得ない状況に陥る。しかし、そこに事件が起きるのだ。
あらすじには、”主人公が精神病棟内で起こる事件を解決するべく、挑み続けた”と書かれている為、悪魔との出会いが必然であることが分かる。
主人公の性格は真面目、誠実、小心者。自己主張の苦手なタイプの方は、ストレスを溜めていないか、無理していないか自分自身に問いかけることも大切なのではないかと感じた。
【物語のみどころ】
統合失調症は、他人事では済まされないかも知れない、現代病の一つではないだろうか。それをモチーフに、コメディ要素も取り入れつつ、ミステリーをプラスした作品である。
あなたは大丈夫だろうか?
暗にそんな問いかけも感じる。
こういったモチーフを扱った場合、全体に重く暗くなりがちだが、この物語にはコメディを取り入れている。その為、興味を持った方が更に追い詰められるを避けられるのでないかと感じた。(これはあくまでも個人の見解です)
彼は望んで入院することになったわけではない。しかし、それがきっかけで、事件に遭遇し解決を目指すこととなる。
それは彼に良い影響を与えることとなるのだろうか?
まだ、序盤の段階ではこの後の展開を想像することは出来ない。
あなたもお手に取られてみませんか?
この物語の結末を、是非その目で確かめてみてください。
おすすめです。
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