第21話 ダイヤモンドのマジカルジュエル

 トウィンクルパープルが加わったプリンセスドールズと西野先生による、ダイヤモンドのマジカルジュエルをかけた戦いが始まった。

「私は西野先生を狙うから、じゅうをめがけて!」

「わかったよ!」

「うん」

プリンセスドールズは、それぞれの役割を分ける。

 「もうそこまでよ、覚悟かくごしなさい」

「な、なんだ…!」

「あなたのせいでみんなのかがやきを失っているわ」

と西野先生をめる。

「行くよ」

「うん」

 トウィンクルパープルは、アメジストのマジカルストーンをプリンセスコズミックスターにセット。その力をパルルが黒いプリンセスバトンロッドから生み出した星型のタンバリン・プリンセススタータンバリンにさずけると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

トウィンクルパープルと西野先生の決戦の幕が上がった。

「きっと誰かが願い事を」

「行ってくれるのなら」

「私がかなえてくれる」

「ジオラマに見える街」

「今でも好きだから」

「そう これまでも」

「これからも信じたい」

「本当のこと」

いのりたい 信じたい」

「夢がある 願いがある」

「夜空に思いを込めて」

「Heartful Wish」

「祈りたい 信じたい」

「夢がある 願いがある」

「夜空に思いを込めて」

「Heartful Wish」

「アメジストの輝きでパワーアップ!乙女おとめの輝き!アメジスト・トウィンクル・ナビゲーション!」

トウィンクルパープルがプリンセススタータンバリンを響かせる。

 すると、

「目、目が見えない…!」

とまばゆい光が西野先生を包み込んで、極度の視界不良におちいる。

「西野先生の差し押さえは成功したわ。あとは警察におまかせしましょう」

「ああ。その方が一番いい」

晴斗は、スマートフォンの電話を使ってすぐさま警察を呼び出す。

「もしもし」

「もしもし、こちらは横中中央警察署ですが…」

岩瀬いわせふ頭で、ダークネス団の発表会を主催しゅさいしていたポートフロンティア学園中等部教諭きょうゆ西野にしのたすくさんを発見しました」

「分かりました。では、そちらに急行します」


 その時だった。

「危ない!」

命をけずってまで自分を裏切うらぎってしまった西野先生に対するうらみ、ねたみ、そねみを魔獣が吸収していく。その力で、魔獣は巨大化きょだいかしてしまった。こうした中、

「乙女の底力!スターライト・リフレクション!」

トウィンクルパープルがプリンセススタータンバリンをたてのように持つ。すると、彼女かのじょの周りに頑丈がんじょうなバリアが張られ、魔獣によるダメージを防ぐ。

「ダイヤモンドのマジカルジュエルを取りもどすなら、今がチャンスよ」

「行くわよ」

「今度は、私たちの番です」

トウィンクルパープルの言葉にアクアブルーとシトラスイエローがこう返すと、

「心の輝きを信じて」

とラブリーピンクは心にそうちかう。

 「さあ、行くよ」

「うん」

ラブリーピンク・アクアブルー・シトラスイエローは、ルビー・サファイア・シトリンのマジカルジュエルをそれぞれのプリンセスミラーにセット。その力をプリンセスバトンロッドに授けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

プリンセスドールズによる魔獣の浄化が始まった。

「Shining! 輝きを」

「いっぱい集めて」

「そのボルテージを」

「高めていこう」

「ここからまた始まる」

「私たちの物語」

「夢を叶えてみせる」

「絶対」

「Star Light Stage」

「ときめいて」

「アイドルになっちゃおう」

ずかしがらずに」

「Star Light Stage」

「一緒に」

「盛り上げていこう」

「一体感を高めて」

「Stardom!」

「ここからまた始まる」

「私たちの物語」

「夢を叶えてみせる」

「絶対」

「Star Light Stage」

「ときめいて」

「アイドルになっちゃおう」

「恥ずかしがらずに」

「Star Light Stage」

「一緒に」

「盛り上げていこう」

「一体感を高めて」

「Stardom!」

「今こそ、みんなの心を一つに!乙女の結束けっそく!プリンセス・トリニティ・ストリーム!」

ラブリーピンク・アクアブルー・シトラスイエローがプリンセスバトンロッドでそれぞれのシンボルマークをえがき、魔獣に向かって放つ。すると、魔獣は跡形あとかたもなく消えていった。

「ダイヤモンドのマジカルジュエルに、輝きが戻ったわ」

そして、ダイヤモンドのマジカルジュエルは本来の輝きになり、横中に平和が戻った。

 「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

と、チララが魔獣のコアから出てきたダイヤモンドのマジカルジュエルのありかを察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とダイヤモンドのマジカルジュエルを回収することに成功した。それをラブリーピンクのプリンセスミラーに認識すると、

「ダイヤモンド。白銀のマジカルジュエルだ。炭素の同素体の一つで、天然で最もかたいい物質である。日本語で金剛石こんごうせきともいわれ、ダイヤともりゃくされる。結晶けっしょう構造こうぞうは多くが八面体で、十二面体や六面体もある。宝石ほうせき研磨材けんまざいとして利用されている。ダイヤモンドの結晶の原子に不対電子が存在せず、電気を通さない。地球内部の非常に高温高圧な環境で生成されるダイヤモンドは定まった形で産出されず、角張っていないが、カットされた宝飾品ほうしょくひんの形から、菱形ひしがた、トランプの絵柄、野球の内野、記号を指してダイヤモンドとも言われる。ダイヤモンドの名前は、ギリシア語の αδάμαςに由来する。イタリア語・スペイン語・ポルトガル語では diamánte、フランス語では diamantポーランド語では diáment、漢語表現では金剛石という。ロシア語では диама́нтというよりは алма́зが普通だが、特にみがかれていないダイヤモンド原石のことを指す。磨かれたものには、бриллиа́нтで総称されるのが普通で、四月の誕生石である。ダイヤモンドの屈折率くっせつりつ(くっせつりつ)は高く、内部での全反射ぜんはんしゃ(ぜんはんしゃ)が起こりやすい。ダイヤモンドのカットとして用いられるブリリアントカットは、光を当てて反射を見る時に美しく見える。ダイヤモンドのモース硬度こうどは、物質の中で最も硬い。結晶構造は、各炭素原子がとなり合う四つの原子を共有結合により結合しているため、極めて硬い構造を有する。窒化ちっかホウ素はダイヤモンドと同じせん亜鉛鉱あえんこう構造こうぞうをしており、ダイヤモンドの硬度と等しい。ナノサイズの粒径りゅうけいを有する一部のダイヤモンド粉末ふんまつは大きな結晶のダイヤモンドよりも硬く、じんせいもあり、研磨材としての利用価値が高い。ダイヤモンドテストに必要なこれらの超硬ちょうこう材料ざいりょうを利用するため、ダイヤモンドの硬さに関する正確な数値を調査しなければならない。ダイヤモンドの引張強さは不明である。引張強度は、結晶方向が最も大きい。立方晶は八面体の面に対して四方向に完全なへきかいをもち、切れ味の悪い刃先でも簡単に割れ、滑らかな劈開面が現れる。ダイヤモンドは結晶方位でも硬度がことなる。立方体の面の対角線方向が最も硬く、最もやわらかい十二面体の面より百倍の差がある。ダイヤモンドカット加工はこの性質を大いに利用している。特にカリナンダイヤモンドのような大きな原石から傷ついた所を除去する時や原石から複数の宝石を作り上げる場合、ダイヤモンドの劈開も役に立つ。ダイヤモンドの結晶構造は、ダイヤモンド立方晶系で、炭素原子で共有結合された四面体型で構成される。また六方晶のダイヤモンドが発見されたが、地球上に存在するのは非常にまれで、隕石中いんせきちゅうふくまれるか、研究実験により合成される。理論的にはロンズデーライトがダイヤモンドより硬いが、ロンズデーライトの粒径サイズと質が十分でなく、仮説を検証できないままだ。ダイヤモンドの晶癖しょうぐせは自形で、形状は丸みを帯びた八面体か滑らかな三角形の輪郭りんかくの八面体双晶を取りやすい。他にも十二面体や稀に立方体も発見される。これは不純物の窒素がダイヤモンドを自形結晶に形成しやすい役割を果たす事実が判明している。カリナンダイヤモンドという史上最大のダイヤモンドは発見当初は形が不恰好ぶかっこうだった。このようなダイヤモンドは純粋じゅんすいであり、例え窒素でもほとんど含まれない。八面体ダイヤモンドの表面には成長途中にできた三角形状の欠損や腐食ふしょくによるくぼみが存在するため強い光沢を示す。ダイヤモンドの断口は、階段状か貝殻状かいがらじょうで不規則な割れ目をしている。八面体の表面に多数の階段状を形成し、球状に近い形をしたダイヤモンドは一般的にゴムに似たにぶい光沢こうたくを放つ。この成長せいちょう欠陥けっかんには、うろこ状や波状などの形状が見られる。ブラジルやコンゴ民主共和国で採掘されたダイヤモンドは多結晶で、色は不透明ふとうめいで暗色、球形か放射状をしている。これらはバラスとして知られ、単結晶ダイヤモンドの劈開面が無いものとして工業的に重要である。カーボナードは不透明なナノサイズの微細結晶を持つ。バラスと同様、劈開面が存在せず、幅広い比重となる。ブラジルやベネズエラなどで発見されたボートといわれるダイヤモンドは、最も工業用ダイヤモンドとしての利用価値が高い。これも多結晶で半透明、不完全な形状をし、簡単に割れる。非常に大きな硬度と強い分子結合を有し、カット加工をほどこしたダイヤモンドのカット面は最も平坦で、その面の縁は非常にするどとがっている。ダイヤモンドの表面は疎水性そすいせいと親油性の性質を兼ねそろえている。この性質は、ダイヤモンドに水滴すいてきが置かれても、表面全体に拡散せずに水をはじくことを意味し、他の鉱物はそのような特徴とくちょうはない。後者の性質は、油やグリースはダイヤモンドに馴染なじみやすく、他の鉱物ではそれらは凝集する。この特性を利用してダイヤモンドか疑わしい鉱物にグリースを塗布とふするグリースペンが開発されている。ダイヤモンド表面の炭素原子の末端まったんが水素原子で結合するとき、ダイヤモンドは疎水性を、酸素原子とヒドロキシルラジカルでは親水性を示す。適切な反応ガスで処理すれば、表面の特性は完全に変化する。天然ダイヤモンドの表面の半分以下は酸素の単分子層で、残りは水素で構成され、疎水性を示す。この性質を利用したグリースベルトといわれるものを用いて、鉱山でダイヤモンドと他の鉱物を区別する。引っきに対する硬さとは異なり、ダイヤモンドの破壊靱性はあまり良くない。靱性とは落下や衝撃しょうげきによる破損はそんえる性質である。ダイヤモンドは完全な劈開を有し、損傷しやすい。実際ダイヤモンドをハンマーで打つと、粉々にくだかれる。天然の靱性は、その他鉱物の靱性より大きい値だが、多くの工業的な材料と比較すると幾分いくぶん小さい。ダイヤモンドと他の鉱物にもいえることだが、鉱物の巨視的な幾何学きかがく構造こうぞうが破損に対する耐性の強さを決定づける。ダイヤモンドは劈開面を有し、他の鉱物よりも複数の方向に割れやすい。多結晶ダイヤモンドのバラスやカーボナードは例外で、単結晶ダイヤモンドよりはるかに靱性が大きく、これらはドリルのなどの産業的に利用されている。カットされたダイヤモンドは損傷しやすい。しかし、ブリリアントカットは他と異なり、宝石が損壊や粉砕を減らす技術でもある。ダイヤモンドには無関係な固体物質がまぎれ込んでいることもある。カンラン石やガーネット、ルビーなど鉱物の内包物がダイヤモンドの構造的完全性をそこなう。透明性を向上させるため、超音波洗浄や宝石用ブローランプに耐えられないガラスで破損部分を埋めたダイヤモンドは非常にもろい。このダイヤモンドを不適切にあつかえば、粉砕ふんさいする可能性がある」

 「それではみなさん、また次回輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

プリンセスドールズが勝利宣言すると、ダークネス団の発表会は途中で中止を余儀なくされた。

「ここで、今入ってきた速報です。横中で行われていたダークネス団の発表会は先ほど中止されました」

その時、ニュースも速報で報じていた。


 「みんな、よく頑張がんばった」

「ご苦労様」

「君たちのおかげでダイヤモンドのマジカルジュエルを取り戻せて、とてもほっとしている」

「ワタシとらんを助けてくれたことにもわすれずに感謝してちょうだいね」

チララ・晴斗・プラチナ・コロンが、ダイヤモンドのマジカルジュエルをかけた激闘を終えたプリンセスドールズをねぎらっていると、

「本当にありがとう」

「みんなの輝きを守れて、一件落着ね」

「言葉通り、ハッピーフィナーレでよかったです」

「やったね!」

とつぼみたちは喜んでいた。

 すると、警察官を乗せたパトカーが岩瀬ふ頭に到着し、あたりをさまよっていた西野先生を取り押さえる。

「ポートフロンティア学園がくえん(中等部ちゅうとうぶ教諭きょうゆの西野佑先生を発見しました!」

「あなたを威力いりょく業務ぎょうむ妨害ぼうがいの疑いで現行犯げんこうはん逮捕たいほする!」

「了解!」

「うわ…!」

警察は西野先生に手錠てじょうをかける。

「おとなしくしてなさい!」

ポートフロンティア学園中等部で教師として勤務していたのにも関わらずダークネス団に関与されていたといういわゆる闇営業やみえいぎょうをやっていたとして、西野先生は警察に身柄みがらを確保された。

「あの先生、学校もやめるらしい」

晴斗によると、ポートフロンティア学園中等部での臨時の会議で校長と学園の理事長によって懲戒ちょうかい解雇かいこされるという。

「これはひどい先生だ」

西野先生を乗せたパトカーは、横中中央警察署に向かって去っていった。

 「では、今日はもうおそいから帰ろうか」

「うん」

「じゃあ、またね」

「またな」

「また明日ね」

つぼみたちは帰路につこうとするも、

「ところで、蘭はどうするの?」

「私が預かるよ。蘭、安心して。私の家で一晩明かすからね」

「つぼみ…。うん」

蘭はつぼみの家に行くことにした。

 つぼみは、蘭を自宅に連れて帰ると、

「ただいま」

「おかえりなさい。どうかしましたか?」

「星空蘭ちゃんを連れてきたよ」

「それは…。どうやらつかれているようですね。ここに泊めた方がいいでしょう」

「分かったよ」

「さあ、中にへ行って」

「うん」

こうして、蘭はつぼみの家に泊めてもらうことになった。

 その戦いの一部始終を、おとぎの世界にいる光の女神は、人間界の様子を見ることができる水晶玉を通して見守っていた。

「プリンセスドールズによって、ダイヤモンドのマジカルジュエルを取り戻すができました。そして、星と月の力を持つ新たなドールプリンセスであるトウィンクルパープルが仲間に加わり、大変うれしく思います」

とプリンセスドールズをたたえたうえで、

「これからも、世界の輝きを守ってくださいね。私はおとぎの世界からいつでも見守っていますよ」

とプリンセスドールズに激励げきれいの言葉を述べた。


 翌日、蘭の体力はすっかり回復していた。

「私がやったヘアアレンジ、気に入ってくれた?」

「うん。似合っているわ」

両サイドに三つ編みを結ったロングヘアの蘭。

 そんな彼女に、つぼみがプレゼントを送る。

「これ、受け取って」

「ありがとう」

蘭は黄色いリボンをカチューシャ状に結んだ。

 一方その頃、パラレルワールドにあるダークネス団アジトにいるドクターは、横中で西野先生の仕業しわざでダークミラージュとダイヤモンドのマジカルジュエルをうばわれて発表会が台無しになってしまったことをやんでいた。

「ダイヤモンドのマジカルジュエルとダークミラージュを守り切れなかったか…。絶対にゆるせない、次こそ絶対につぶして見せる、プリンセスドールズを…」

としたうえで、

「必ず陽はまたのぼるはずだ」

と前を向いていたのであった。

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