[新章まであと6話]この子の名前を覚えておいて下さい
ラチ沿いを取り囲む観客達が身を乗り出すようにしてレースに夢中になる。白いテントの中で実況をしている俺もマイクを持って立ち上がりながら、4コーナーの出口。直線の入り口を食い入るようにして目を凝らす。
お馬やジョッキーの言い間違いないは許されない。最後まで簡潔に且つ熱くレースの模様を伝えるのだ。
「さあ、先頭の関君がマイペースのまま第4コーナーに差し掛かります! その後ろは小高君がわずかに体半分程のリードで2番手ですが、さらに後ろは団子状態で、大歓声に迎えられていよいよ直線に入ってきました!
先頭のポニーちゃんが一生懸命逃げる中、残りの5頭がものすごい勢いでそれを追いかける。
レースがいよいよとなると、会場のボルテージはマックスになり、思い思いのポニーちゃんやちびっこジョッキーに声援を送る。
実況席からも彼らの姿が正面から見えるようになり、俺のイケメンに沸いた次くらいの大歓声が上がった。
「いよいよ宇都宮記念の直線! 北関東ナンバーワンジョッキーを決めるゴールまで、後80メートルを切りました!!
先頭は関君! 群馬県の関君がまだ先頭だ!! まだリードは3馬身ある!!最年少ジョッキーがこのまま逃げ切ってしまうのか!?
その後ろのグループからは……小高君来た! 小高君が来た! ゼッケン6番! 地元の小高君が来ました! 小高君が一気に先頭に並ぶ!
その後ろからは、高崎君と水戸君! そして太田君辺りの競り合いですが、外を通って、最後方から、大子君がいい脚で上がってきている! これが3番手!茨城の大子君! さあ!ここから前にどれだけ迫れるか!
前は残り50メートルを通過して、群馬の関君と小高君の一騎討ちか!完全に前は2頭の争いになりました!
内は逃げる3年生の関君!外から馬体を合わせにいったのは地元宇都宮の小高君だ!
2頭の追い比べ!2頭の追い比べ!
どうだ!?外か!?外の小高君が前に出た、小高君がリードを奪う! 小高君が先頭に変わって、残り30メートルの標識を通過した!
関君が内ラチいっぱい懸命に粘るようにして2番手!まだ食い下がっている!ここから二の脚が使えるかどうか!
その後ろからは茨城の大子君が追い込んで関君に迫ってきている!!
しかし、先頭は完全に小高君だ! 半馬身、1馬身リードを広げる!!
地元の大声援を受けて、ゼッケン6番の小高昭大君が馬場の真ん中を通って堂々先頭!!
その後方からは、大子君がものすごい勢いで前の2人に迫って参ります!
しかし、内ラチいっぱい!
レースを引っ張った3年生の関君がどうやら2番手で粘りそうだ!!
先頭は突き抜けた!6番の小高昭大! 今1着でゴールイン!!
小高君が勝ちました!!
2着には、逃げ粘った関君! 最後追い込んだ大子君は惜しくも3着です!
その後ろは、高崎君、太田君、水戸君の順番で入りました!
ジョッキーベイビーズ公式レース宇都宮記念、勝ったのは小高君! デビューから2ヶ月、無傷の3連勝で一気にG1タイトルまで届きました!!
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