幸運なパソコン講師

作者 早川 孝史

団塊世代のパソコン嫌いがパソコン講師になるお話

  • ★★★ Excellent!!!

不景気極まり、日本がリストラの大嵐に飲まれた1999年。開発事業部課長であった早川孝史は、会社から新事業責任者の座を打診されながらもそれを断り、希望退職する。50歳である今ならまだ新しい人生に挑戦できるかもしれない! 果たして彼は特技を身につけるべく、これまで苦手にしてきたパソコンを学ぶことを決めるのだった。

――と、思い切って踏み出した孝史さんですが、まるで順風満帆ではありません。苦手だからこそ触らずに来たパソコンを相手取って、悪戦苦闘の毎日です。詳細は伏せますが、最初のほうは本当にすごいというか、酷いんですよねぇ。

でも、繰り返した失敗全部を糧にして、ご自身の再起の道を拓いていくのです。孝史さんという完全無欠ならぬ主人公のじりじりとした歩みが丹念に記されていればこそ、“敵”との関係性が変わりゆく過程は感慨深く、その先に晴れやかなカタルシスを感じずにいられないのです。

これからなにかに挑戦しようと思われている方にぜひ出逢っていただきたい自伝小説です。


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)

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