第13話 GW(3)
今日はネメ共和国観光だ。
ここは良い!ここには僕の肩身を狭くさせる人はいない!
すぐ行こう!やれ行こう!
今日は、転移扉でネメ共和国に向かいます。
ちょっと距離があるからね。
さて、観光しながら、いざ、大統領府へ!
「リョウマくんのご両親、オウカさんのご両親、はじめまして!私は、ネメ共和国の大統領を務めます、セルヴァン・アンタレスと申します。よろしくお願いしますね!」
セルヴァンさんは相変わらず、気さくだなぁ・・・
「随分とお若いのに、立場がお有りなのですね。凄いです。」
「ははは、私も、正直早すぎると思わなくもないのですが、残念ながら、過去に起きてリョウマくんが助けてくれた戦争のせいで、時の大統領が亡くなってしまったものですから、その時の副大統領であった私が務める事になったのです。幸い、国民の支持も得られたものですから、戦争終了後も継続しているのですよ。」
「なるほど・・・」
大人組は、セルヴァンさんの有能オーラに当てられて、感心している。
は〜・・・ここは気苦労が無くて良いなぁ・・・
「そう言えば、たまたまお客さんが来ていてね。リョウマくんにも縁があるから挨拶したいと言ってるんだよ。良いかな?」
はて?
ネメ共和国にはそんなに知り合いは居ないはずだけど・・・
「ええ、まあ、どうぞ?」
「それでは呼びましょう。どうぞ、入ってくれ。」
「失礼します。」
あれ?今の声・・・
「リョウマさんお久しぶりですね。お久しぶりの皆様も、はじめましての皆様も、よろしくお願いします。私は、セレスティア王国の五剣姫の筆頭である、カエラ・セリンと申します。」
「こんにちはー!私はオリヴァ・リンハイムっていいまーす!よろしくお願いしまーす!特に、リョウマさんのお義父さんお義母さん!」
「キリア・パプティ。リョウマさんの愛人希望です。」
・・・なんでここに先生・・・もとい、五剣姫が!?
「なんでカエラさん達がここにいるのかしら?」
あ、オウカが聞いてくれた。
「たまたま、王城からの依頼で、セルヴァン大統領宛の荷物を持って来ました。昨日この国に着いたのですが、そうしたら、リョウマさんが、ご両親を連れて本日来ると聞いたので、ご挨拶をと思いまして。」
カエラさんが代表して答える。
挨拶・・・それって・・・
「と、言うわけで、私もいずれリョウマさんに貰って頂くかもしれません。その時はよろしくお願いします。」
「はいはーい!僕もー!」
「私は、愛人でいい。」
「いや・・・待て待て待て待て待て!僕まだ認めてないよね!?」
僕が難色を示すと、カエラさんがこちらを見た。
「はい、打ち上げの際は気持ちが愛情に切り替わったらと言っていましたが・・・リョウマさんがこの世界を後にしたと聞き、その時のあまりにも悲しいという気持ち、それで自覚しました・・・あなたでないと、と。」
うっ・・・不味い・・・僕、こういう風に真っ直ぐに来られると・・・
なんとか、この場は切り抜けないと。
父さん達はもう限界だ!
「カ、カエラさん!」
「はい。」
「お気持ちは嬉しいのですが・・・今は旅行中ですので・・・」
「・・・わかりました。では、そのうちに、正式にご自宅に伺って、申し込もうと思います。ご返答もその時に。」
「・・・わかりました・・・」
「さて、あなた達、行きますよ。」
「は〜い!リョウマくん!あたしもカエラ様と一緒に行くからね〜?」
「私は、愛人でいい。」
嵐のように去っていく三人。
みんな固まっていた・・・いや、正確に言うと、僕と、父さん達だけだ。
「・・・やっぱりこうなったわね。」
「うん。オウカの言うとおりだったわ。」
「流石はオウカですね。」
桜花とレーナとリディアがそんな事を言って、みんなが頷いている。
僕は恐る恐る父さん達を見ると・・・駄目だ、壊れた。
みんな現実逃避してるのか、何も見なかった事にし始めて、セルヴァンさんと談笑してた。
どうしてこうなった?
その後は、気を取り直してネメ共和国の観光をした。
それにしても・・・どうしよう・・・これ以上増えるのは身体がきつい・・・
というか、お仕置き人員が増えるのは命にかかわるかもしれない。
でも、あそこまで直球でぶつかってくるには・・・ううう・・・嫌いになれない・・・
はぁ・・・よし!
明日の事は明日の僕が考える!
・・・今は・・・今だけは忘れていよう・・・
そうして、僕は問題を棚上げするのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます