第331話 スキルがバレました

 僕は今、居間で正座させられている。

 何故か?

 それはね・・・


「それで、創造神様にお願いされたのね。管理者になるのを。」

「はい、そうです。」

「それは、みんなと一緒に同じ時を生きたいから、と。」

「その通りです。」

「そして、その後スキルを貰って帰ってきたわけね。」

「・・・はい。」

「で、そのスキルの内容をなんで言わないのかしら?」

「・・・」


 そうです。

 例の3つのスキルについての、尋問が今行われているのです。

 

 発端は、戻った時でした。

 僕とセレスは、なんとも言えない表情のまま、ホームに帰ったんだけど・・・

 セレスが真っ赤な顔のままだったのです。

 それを勘ぐったみんなから尋問が行われ・・・セレスは、創造神様からスキルを貰った事が原因だと言ってしまったのです。


 その前段階までは良かったんだけど・・・みんなからも褒められたし。

 でも、スキルの内容は僕に聞いてってセレスが言ったから、矛先が僕に向いたのです。


「・・・龍馬。私は龍馬を信じているわ。どんなスキルだって何も言わない。龍馬は私を信じられないのかしら?」


 ・・・その言い方はズルい・・・

 桜花は目をうるうるさせて僕に詰め寄っている。

 これは罠だ!罠だけど・・・ううう、僕はこの目に弱い・・・


「リョウマさん・・・」

「リョウマ・・・」


 僕が怯んでいるのを見て、みんなも同じ様に加勢し始めた。

 ・・・はぁ〜・・・仕方がない、か。


「ステータスオープン」


 僕はみんなにスキル一覧を見せる。

 そしてみんなは、スキルを食い入るように見始めた。


「すげぇな・・・こんなにいっぱいスキル持ってるのか・・・ん?最後に追加されてるのは・・・!?」


 一覧を見ていたアイシャがポツリとそう言った後、驚愕で固まった。

 みんなも同じ様になっている。


「性豪・・・性技・・・性の極み・・・」


 桜花も同じで真っ赤になっていた。

 すでに内容も確認されている。

 ううう・・・恥ずかしい・・・


「なるほど・・・リョウマさんはこれを見せたく無かったんですね。」


 同じ様に赤くなっているリディアがそう言った。


「だって恥ずかしいじゃん。」

「いいじゃないですか・・・必要だと思いますよ?リョウマさんには。なにせ・・・これだけの人数がいるんですから。」


 シエイラがそう言って周りに目配せする。

 一斉に頷くみんな。


「いや・・・恥ずかしいものは恥ずかしいでしょ。」

「そうか?むしろよかったんじゃねーか?」

「なんでさ?」

「だって、あたしたちに損は一切ねぇ。考えようによっちゃ得だろ?」


 アイシャがさくっとそんな風に言った。

 アイシャは既に赤くなってはいない。

 むしろどんとこい!と言った表情だ。


「・・・まぁ、そうだな。アイシャの言うとおりだ。下世話な話だが、これで、アネモネ様達の言う『失敗』は多分無いだろうしな。」


 グレイスは少し赤いけど気にしていないようだ。


「そうですわね。みなさん、体力もとんでもないでしょうし、むしろ頂いたのは幸運かもしれませんわね・・・ちょっとはしたないですが。」


 エスメラルダは顔を赤くしつつも興味津々といったていだ。


「性豪・・・性技・・・性の極み・・・ごくり。」


 レーナは、顔を真っ赤にしながらなにやら想像しているようだ。

 あれ?この子意外に・・・貞淑なお姫さまはどこ行ったの?


「さて、リョウマくんが素晴らしいスキルを貰った事だし・・・そろそろ真剣に考えない?」


 エルマが真面目に話を進めた。


「そうです!もう心配事も無いです!!」


 メイちゃんも鼻息荒くそんな事を言う。

 君は最年少だよね?


「そうね・・・龍馬、どうするの?私達は覚悟出来てるわよ?」


 桜花がこちらをちらちら見ながら言った。

 ・・・どうしよう。

 でも、ここまで来てヘタれるのも・・・いやでも・・・


「ご主人様、よろしいですか?」


 悩んでいる僕を見かねて、ルーさんが手をあげた。

 なんだろう?


「一つだけ教えて下さい。ご主人様は私達を抱きたくないのですか?」

「そんなわけないじゃないか。」

「では、躊躇される原因はなんでしょうか?」

「それは・・・」

「私が当てましょうか。ご主人様は、抱くことの欲望の捌け口としている面を心配されているのではありませんか?」


 ・・・そう言われて見るとそうかもしれない。

 そんな事言ってた馬鹿も多かったし。


「しかし、考え方を変えてみたらどうでしょう?抱くことは確かにそういった面もございますが、しかし、それは負の一面であるだけです。私達の中には愛情がある。違いますか?」

「そうだね。」

「愛ある者同士でする時、それは愛を育む行為となる筈です。違いますか?」

「・・・その通りだと思う。」

「ご主人様は私達を愛していますか?」

「それは勿論。」

「勿論?」

「・・・愛しているよ。」


 僕の返答に、ルーさんはにんまり笑った。


「で、あれば、もっと愛し合いましょう。私達の絆を深くするために。」


 絆を・・・か。

 僕はみんなを見回す。

 みんなは真剣にこちらを見ていた。


 よし!覚悟を決めよう!


「ルーさんの言うとおりだ。うん、僕も覚悟を決めたよ。僕はもっとみんなと愛し合いたい!」


 言っちゃった・・・


「ボソッ(チョロい)はい!そうと決まればさっそく今夜から行きましょう!最初は・・・」

「待って、それは僕から言わないと。桜花、いいかな?」


 僕は桜花を見る。

 うう・・・顔が熱い!

 多分真っ赤になってるんだろうな・・・


 桜花も真っ赤だ。

 桜花は俯いていたけど、意を決したように顔を上げ、


「勿論よ。最初が私じゃなかったらぶっ飛ばしてたわ!」


 と、意気込んだ。

 そして僕たちは最初の夜を迎えることになった。



その後のみんなの会話

リディア「まぁ、仕方がありませんね。」

グレイス「正妻だからな。」

アイシャ「その後はどうすんだ?」

シエイラ「そうですね・・・やはり、出会った順でどうでしょうか?多分それが一番納得が行くのではないかと思います?」

エルマ「まぁ、そうね。それで行きましょうか。」

エスメラルダ「うう・・・楽しみですが緊張しますわ。」

メイ「メイもです・・・でも頑張るのです!」

セレス「メイちゃん一番年下なのに凄いですね。私は一番年上なのに緊張でどうにかなってしまいそうです・・・」

リディア「セレス。そこにどうにかなっている人がいますよ。」

レーナ「性豪・・・性技・・・性の極み・・・性豪・・・性技・・・性の極み・・・」

アナ「姫様、お気を確かに!」

ルー「アナと私は奥様達が終えてからに致しましょう・・・でも、食指が動かれたら、昼間こっそりと付き合いますけどね。」

シエイラ「ルー・・・あなたは最初から最後まで変わらないわね。」

ルー「それが私ですから。」

アイシャ「それにしてもルーはうまい事話を進めたな!」

ルー「ふふふ・・・私は頼れるお姉さんポジションですから!」

シエイラ「本音は?」

ルー「性豪と性技、性の極みが今から楽しみです。」

リディア「ルーも初めての筈なのに・・・凄いわね。」

アナ「・・・私も楽しみです。」

レーナ「アナ!?」


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