第223話 ジョシバナ sideエスメラルダ

 わたくしは今、リディアさん達とお話しております。

 主なお話はやはりリョウマ様の事。


 皆様がどうやってリョウマ様と出会い、何があったのかを聞いております。


「と、いうわけで、あたしとメイはリョウマに助けられたってわけさ。」

「メイは、メイも助けられたけど、お姉ちゃんも助けて貰ったのが本当に嬉しかったのです。」


 リディアさんとグレイスさん、シエイラさんのお話を聞いて、今はアイシャさんとメイちゃんのお話を聞いています。


 どのお話を聞いても、リョウマ様の優しさと強さが溢れておりますね。

 皆様嬉しそうに、誇らしそうにお話しておられます。


 やっぱりリョウマ様の事がお好きなのですね。

 

 そしてエルマさんのお話。

 竜であるわたくしでも、エルフ族の方にお会いする機会は中々ありません。

 そしてそのお話の内容・・・


「・・・というわけで、エルフ族の戦士たちの暴走はリョウマくん達のおかげで止めることができたの。本当に感謝しているわ。」


 聞けば聞くほど、今竜の里を襲っている問題に酷似しているわね。

 

「やはり、今回の件も真神教徒とやらが裏にいるのでしょうか・・・」

「その可能性は極めて高いと思われますね。何せ、魔狂薬を使用していましたから。」


 わたくしの言葉にリディアさんがそうおっしゃいました。

 わたくしが目をふせていると、


「大丈夫さ!リョウマが動いてくれるんだからな!あたし達も頑張るし!奴らの思い通りにはさせねぇ。」

「そうね。私もエルフ族の里の件もあるし、他人事とは思えないもの。力を尽くすわ。」

「そうです!エスメラルダお姉ちゃんのために頑張るのです!!」

「みなさま・・・」


 アイシャさんとエルマさんとメイちゃんがそうおっしゃって下さいました。

 

「そうですね。それに私達の最終目標は偽神ヴァリスを倒すこと。こんなところで躓いていられません。」

「ああ、そうだな。リディアちゃんの言うとおりだ。気合を入れるとしよう。」

「はい。私も微力を尽くします。」


 リディアさんとグレイスさん、シエイラさんも続いてくれました。


「ありがとうございます。」


 わたくしが感極まってお礼を言いました。

 すると、


「何いってんだよ。これから一緒にリョウマを堕とそうって仲間だろ?一緒に頑張ろうぜ!」


 アイシャさんがそうおっしゃいました。


 なんてあたたかい人達だろう。

 今まで立場もあって同じくらいの年齢・・・勿論、竜と人では寿命は違いますが、友人関係だと言える方はいませんでした。

 生まれて始めてできた友達・・・


 わたくしはとても嬉しくなってしまいました。

 

 そうして皆様とお話を続けます。

 段々と話題はどうリョウマ様を堕とすかというものになりました。


 仕方がありません・・・皆様リョウマ様の事を好いておられるのですから当然ですね。


「だいたいさぁ。リョウマもさくっと手を出してくれれば良いんだよなぁ。」

「そうねぇ。ちょっと身持ちが硬すぎだわ。」

「まぁ、リョウマさんは一夫一妻の世界にいましたからね。仕方がないと言えます。」

「でも、リディアももうちょっと手を出してくれたらっていつも愚痴ってるでしょ。」

「リディアちゃんは意外とムッツリですからね。」

「ちょっと!?」

「確かにグレイスお姉ちゃんは大胆です。見習いたいです。」

「大胆と言えばアネモネさんだよなぁ。あの人、実際夜這いかけただろ?あたし達は部屋まで入れなかったからな。凄えぜ。」

「そう言えばそうだったわね。うちの母でもそこまでやらなかったのに。あなどれないわ・・・」

「セルマさん・・・そう言えばまだお会いしていませんでしたね。シエイラとグレイスと一緒に今度行かないと。そうそうエスメラルダさんも一緒に行きましょう?」


 興味津々に話を聞いていた私の事も気をかけてくれています。

 嬉しい・・・


「そうですね。是非連れて行って下さい。それと私の事はエスメラルダでいいですよ。」

「・・・そうね。それじゃこれからは名前で呼び合いましょう?」

「はい!」


 お母様。

 わたくしにもお友達が出来ました。

 好きな人もできました。


 私を生んだ時お亡くなりになって寂しく思っていました。

 竜の姫として表に出さないようにしておりました。


 でも、もう大丈夫です。

 これからは苦楽を共にする素敵なお友達ができたのですから!

 

 皆様と一緒に頑張って、リョウマ様の彼女に認められるように尽力します。

 お母様も見守っていてくださいね。

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