第213話 完成!飛空艇!!

 今日は飛空艇のお披露目となった。

 僕のホームは町外れにあるので、そこから出発して王都中心から逆方向に発信する。


 一応、危険性テストは昨日済ませた。

 やっぱり機械式では無く、魔法や魔道具なので、誤作動はほとんど無かった。

 ファンタジー万歳!!


 ざくっと説明すると、


 全長80メートル位、幅30メートル位、高さは一番高い所で50メートル位

 形状は舟型で、木製だ。


 但し、構成する木には錬金術と付与魔法で、下手な金属なんかよりよっぽど硬度がある。

 そして、全周囲に展開できる対物、対魔、対衝撃の結界が張り巡らされており、結界内は温度も一定に保たれている。


 基本、航行中は、強風も遮断されているけど、空気については結界底部に穴を設け、警戒体制モードを除き常時外の空気と循環されている。


 動力は魔力で、船体の竜骨・・・つまり、船首から船尾まで通る、人間で言う背骨部分にあたるところに浮遊魔法を付与し上昇を、外壁にあたる部分に重力魔法を付与し下降及び船体のバランサーとしてある。


 加減速及び舵取りについては、船体の側面と全後部の穴に、風魔法を付与した魔石を設置し、風魔法で気流を発生させ、加速と減速、舵取りを。

 船体の前後の角度コントロールについては、デッキ前後と底部前後に穴があり、そこから同様に風魔法を噴射させる事で前部を沈めたり、後部を浮かせたり出来るようにした。


 付与した風魔法は僕がオリジナルを作ったよ。

 反動のある風魔法ってのは無かったからね。


 一応船体後部には、刻印が刻んであり、オリジナルの火魔法を開発して、ロケットエンジンのような加速を得ることも可能なんだ。

 但し、かなり加速がきついので、使用する時は相当急ぐ時くらいだろうけど。

 身体を船に固定しないと危なくてね。


 万が一落ちても、結界が有る限り地面までってことはないだろうけど、一般人なら普通に死ぬ高さだし。


 デッキ中央は3階建ての建物があり、建物内部の中央には底部まで通じる螺旋階段と、各魔石をコントロールするための伝達機関が集中している。


 ぶっちゃけ金属製のロープなんだけど。

 魔力伝達の良いミスリルを土魔法でロープ状に成型して各魔石と繋ぎ、建物三階のブリッジ部分にある魔石付きスイッチに取り付けてあるので、コントロールは全てブリッジで可能となっている。


 但し、こっちの世界にはプログラムとかは無いので、全て手動になるから、船体の水平方向のコントロールについては舵として一人、角度、上昇下降、前進後退は船体の制御のレバーに一人が常に必要となる。


 ちなみに、建物1階に浴室、食堂、トイレなんかがあり、二階は居住スペースになっている。


 船体底部は基本は倉庫だ。

 ここに予備の魔石や、材料なんかも保管されている。


 一応結界があるし、攻撃も魔法でなんとかなるので、実はそんなに船体備え付けの武器は積んでいない。


 本当は某アニメの波動砲みたいなのつけたかったんだけど、流石にこの大きさでは難しかったよ。

 残念。


 代わりに、前部に刻印でオリジナル光魔法の『レーザーキャノン』をつけてある。

 波動砲に比べればかなりスケールダウンだろうけど、威力はそこそこ・・・大型の飛竜位なら倒せる・・・はず。


 これは、別系統でスイッチをつけてある。

 照準はブリッジ中央にスコープのようなものを取り付けてあるけど・・・正直気休めかもしれない。

 電子制御はないからね。


 一応はみんなに操縦方法を一通り教養したけど・・・グレイス、アイシャは断念した・・・チーム脳筋だもん。

 彼女らには観測員をお願いした。


 リディア、シエイラ、メイちゃん、エルマは問題なし。

 基本僕も含めて交代交代でやる予定だけど、リディアとエルマが舵をメインで、シエイラとメイちゃんは船体制御をメインでやってもらう予定。


 緊急時はリディアが指揮、シエイラが舵、メイちゃんが射撃手、エルマが制御の予定。

 僕?

 僕は遊撃。

 外で戦うのです。


 さて、飛空艇のお披露目には来賓(お忍び)として、じいちゃん、プラムさん、ウルト、アルザードさん、レイチェルさん、アリオスさん、ミリアンちゃん、アインくん、イリーナさん、ケーラさん、ジラートさん、アネモネさん、とネモス小国宰相さん、ガーベラ、セルヴァンさんを呼びました。


 開発に携わっていたレイチェルさんとアインくん以外みんな唖然としている。

 よしよし、掴みは良好だ!


 船体側面に一箇所開く所があり、開けるとデッキまで続く階段があるんだ。

 早速乗り込み大空の旅にご招待だ!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る