第211話 卒業パーティ(2)

 さて、今日はリディアとシエイラの卒業パーティです。

 急遽ディバイドじいちゃんが来ることになったから、時間を午後三時・・・三の鐘の後に集合としたんだ。


 色々料理をルーさんとメイちゃんと作るんだけど・・・米が欲しい。

 もうこの世界に来てから一年近い。

 いい加減米食べたぁい(泣)


 なんとかなんないかなぁ・・・

 

 そうこうしている間にぞくぞくと集まってきた。

 アルザードさんとレイチェルさん、アリオスさんとイリーナさんとケーラさん。

 そして、リディアの妹と弟くんも今日は参加となった。

 この二人には実は先日会っている。

 なんかリディアとグレイスが熱を上げている僕を見てみたいってダダをこねたらしく、先月から長期休暇に入っていることもあり、渋々連れてきていた。


「あなたがリョウマさんね。私はミリアン・リヒャルト・メイビスよ。よろしくね。」

「僕はアイン・リヒャルト・メイビスです。よろしくお願いします。」


 これが以前された二人の挨拶だった。

 ミリアンちゃんはお転婆な空気がプンプンしてたけど、アインくんは良い子っぽかった。

 まだ二人は僕の抱える事情までは知らないけど、ランクの事は知っているので、ある程度一目置いてくれているようだ。

 それと転移扉の事も話してある。

 転移の魔道具を持っているなんて流石はSランクと思っているようだ。


 ジラートさんとシエイラも来た。

 ルーさんだけ先行で手伝いに来てくれていただんだよね。

 ありがたい。

 

 リディアやシエイラ、グレイスは今日からこのホームに住むことになる。

 更に騒がしくなるね。


 そうこうしていたら、ガーベラも遊びに来た。

 みんなにガーベラを紹介する。


 レイチェルさんとアリオスさん、イリーナさん、ケーラさん、それとミリアンちゃんとアインくんもびっくりしてたよ。

 まさか隣国のお姫様が遊びに来るなんてってね。


 ガーベラがアネモネさんも誘ったけど、どうしても外せない用事があって今日は来れないんだって。

 

 そしてスペシャルゲストのエロじじいが到着。

 アリオスさん達知らなかった組は固まっていた。


「ディバイドじいちゃんじゃ。よろしゅうの!」

「・・・・・・よろしくお頼みします。本当に。」

「師匠!お疲れさまです!!」


 陽気なエロじじいと気苦労の耐えない宰相さん。

 ・・・強く生きて下さい。

 そして安定のウルトだった。


 そうこうしているうちに始まるお祝いパーティ。

 最初は緊張していたアリオスさん達もだんだんと慣れていく。

 

 食事もお酒も(僕は飲んでいません)進んだ時、ミリアンちゃんとアインくんが、


「ここのご飯本当に美味しいわね。どうやって作ってるの?」

「僕も知りたいです。」


と聞いてきたので説明した時、僕が「本当はお米がほしいんだけどねー」といったんだ。


 すると、ディバイドじいちゃんが、


「お米とはなんじゃ?」


と聞いてきたので特徴を伝える。

 すると、まさかの回答が!!


「それなら昔食ったことあったのう。あれは確か・・・」

「北の山岳を越えた先にある火の元の国の特産ではありませんでしたかな?」

「ええ!?お米あるの!?」


 僕はじいちゃんと宰相さんの話を聞いて大興奮!!

 急遽火の元の国への行き方を教えて貰ったんだ。


 火の元の国・・・それは過去の勇者が興した国で、そこでは竜と共存しているらいし。

 共存と言っても一緒に住んでいるわけではなく、協力関係にあるってことらしい。


 行きたい!!お米が食べたい!!

 僕が目をキラキラさせながらそう言っていると、リディアが、


「それでは、今は依頼も受けていないという事でしたし、みんなで行きますか?」


と言ってくれた。

 是非!是非そうさせて下さい!!


 早速その場で情報収集。

 でもあまり情報は無い。


 なぜなら、火の元国は30年くらい前から、急に諸外国と国交を途絶えさせたらしい。

 国自体はいまでも存続しているようだ。

 何故わかるのかと言うと、定期的に火の元の国の王様から、ディバイドじいちゃん宛に手紙が来るそうだ。


 鎖国の経緯はわからないそうだ。

 でも、王国が嫌いになったからとか、そう言うわけではないらしい。

 火の元の国の王様とじいちゃんは仲が良かったんだって。

 でも急に鎖国になり、経緯は教えてくれなかったんだって。

 でも、それでは忍びないと、手紙をくれるってわけ。

 何か事情がありそうだけど・・・


 火の元の国に行くには山を越えて徒歩で行くしかないそうだ。

 ふーむ・・・ここは・・・よし!

 あれの出番かな!!

 

 そうと決まれば今はお祝いだ!!

 テンションが上がってきた!!お米!お米!


 こうしてお祝いの夜は更けていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る