第203話 お疲れ様会(1)
あれから1ヶ月が立った。
僕たちはあの後、ネメ共和国から一旦ネモス小国に立ち寄り、歓待を受け、屋敷を貰った後、数日してからセレスティア王国に出発した。
それにしても・・・あの時は・・・ヤバかった。
何がヤバかったって女王様だ。
今でも鮮明に思い出せる。
歓待のあった日の夜、王宮のそれぞれに割り振られた個室に通され、就寝することになったんだけど・・・
コンコン
ノックの音か。
誰だろう?
「はい?」
ドアを開けるとそこには女王様が。
「どうされたんです?」
「し〜。中に入れて頂戴。急いで!」
どうしたんだろう?
僕は急いで女王様を部屋の中に入れる。
・・・それが罠とも知らずに・・・
部屋の中に入った女王様は外套の様なものを羽織っていた。
そしておもむろにキョロキョロしている。
そしてなにかの位置を確認した後、こちらを見た。
「リョウマくん。今回は本当にありがとうね。感謝しているわ。」
「いえいえ、それはもう良いですよ。僕がしたかっただけですから。」
「わたくしは本当に感謝していますよ。だからね?ちょっとこっちに来てくれる?良いものがあるの。」
なんだろう?
僕は女王様の後をついていく。
ベッド脇に来た時、女王様はこちらを振り向いた。
「あら?リョウマくん、ほこりがついてるわよ?」
そう言って手を僕の頭に伸ばす女王様。
・・・なんだか恥ずかしいなぁ・・・子供みたいで。
ん?後頭部を掴まれたんだけど・・・って、えっ!?
僕はそのままベッドに引き込まれた。
倒れ込む僕は咄嗟に両手を女王様の顔の横に着く。
はたからみたら僕が女王様に覆いかぶさっているようだ。
いい匂いがする・・・って!?
「うふふ・・・リョウマくん・・・」
そう言って外套を器用にはだけると・・・下着!?
女王様の下着は白色のレースをあしらった豪華なもので、布地の少ないものだった。
えっろ!!
女王様は僕の後頭部に手を当てたままくるりと回転する。
僕と女王様の体勢が入れ替えた。
何この技術!?
「な・・・何を・・・」
僕は既にパニックになっている。
「ふふ・・・リョウマくん・・・これはわたくしの個人的なお・れ・い♡」
そう言って顔を近づけてくる女王様。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!
「じょ・女王様・・・ダメですよ!僕には」
そこまで言った僕に女王様は人差し指を僕の唇に当て言葉を遮る。
「リョウマくん。さっき了承してくれたじゃない。」
へ!?何を!?
「中に入れてくれるって。」
???
っ!!
え〜!?そっち!!??
「わたくしもう我慢できませんわ。リョウマくんも準備出来てるようだし・・・さぁ・・・」
ひぃ〜!?おさまれ!おさまれ僕!!
だんだん近づいて来る妖艶な女王様の顔。
あああああああああああああ
僕は女王様の圧倒的な色気に、蛇に睨まれたカエルの如く固まってしまって動けない。
しかしその時、
「そこまでよ!!」
「っ!!ちっ!!気づかれちゃったわね!」
女兵を数人引き連れたガーベラとアイシャ達が現れた!!
助かった!!
そう思った僕だったが、助かってなかった。
女兵に引き剥がされた僕はすぐにアイシャ達に正座させられる。
横目に見ると、少し離れたところにも同じ様にガーベラに正座させられた女王様がいた。
僕は視線を恐る恐るアイシャ達に向ける。
・・・見なきゃ良かった。
そこには鬼が居た・・・何人も。
「こら!リョウマ!!なんで女王様を相手にヤろうとしてんだ!!先にあたしたちだろ!!」
「お母様!!何を考えているの!!はしたないにも程が有る!!」
飛び出す怒号。
矢継ぎ早に口々から出る叱責。
僕と女王様は嵐が止むのをひたすら待つのだった。
・・・危なかった・・・けど僕巻き込まれただけなのに・・・
でも当分忘れられないかもしれない・・・
僕はそこまで思い出した時に何故か一瞬寒気を感じて身震いした。
何だ?
キョロキョロしても誰も居ない。
よくわかんないけど気にしないでおこう・・・僕のためにも。
今僕は、お疲れ様会の為に、ホームでお客さんを待っている。
今日来るのは王様とウルトと宰相さん、女王様とガーベラ、セルヴァンさん、それと領主としてアルザードさんが来る。
もてなす側はシャノワールの面々と帰ってきているリディアとグレイス、シエイラとルーさんだ。
転移扉のお披露目と合わせてお疲れ様会をとり行うことになったんだよね。
・・・荒れ無いと良いなぁ・・・
**************************************今回ちょっと攻めてみました。
これくらいなら大丈夫だと思うけど・・・どうなんだろう?
ダメならここは削除かなぁ
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