第173話 迎え撃つ為に

 宴が終わった後は、僕とアリオスさんはエヴァンテスさんの家で、アイシャとメイちゃんとイリーナさんはセルマさんの家で、休ませて貰うことになった。


 翌日、朝食後に迎えに来たエルマさんやアイシャ達と一緒に広場に行くと、エルフの戦士たちとエルマさん以外の二人の戦巫女が集まっている。

 今日、僕は3日後に向けて戦力の底上げをすることになっていたんだ。

 バム達がいつもの少人数で来ればいいけど、どんな手を使ってくるかわからないからね。

 少しでも強くなっていてもらわないと。


 僕はまず、魔力制御を見せて貰った。

 流石はエルフ族、魔法が優れているというのは間違いないね。

 みんな凄く洗練されている。


 方針は決まったかな。


 僕はまず、戦士たちを単純に強化するために、身体能力強化の魔法から手を入れることにした。

 普通に身体強化の魔法を使うだけで無く、体中に魔力を循環させ、その魔力を少しずつ増やしていくイメージ。

 これによって通常の身体能力強化の魔法を向上させる。

 これを午前中いっぱいやってもらう。


 そして戦闘技能向上の訓練。

 鍛えた身体強化を実戦でうまく使えないといけないからね。

 こちらはアイシャに手伝って貰った。

 アイシャを相手に模擬戦をひたすらやってもらう。

 アイシャにもちょうど良い訓練かも。


 そして、戦闘が魔法メインの人を集める。

 話を聞くと、主に使う魔法は風、土、水の魔法が多いとの事だった。

 まあ、森の中の戦闘がメインだもんね。


 無詠唱について聞いてみると、10人位は使える事がわかった。

 なら・・・

 僕は魔法を使用する時のイメージの向上を図った。

 例えばエアスラッシュを使う時、風の刃・・・剣が飛ぶイメージだけではなく、刃がチャクラムみたいな円状をし回転して飛んで行くイメージに変える。

 そうすると、切断力や命中力が上がるんだ。

 どっちも同じ刃を飛ばす、だけど違いが出る。


 想像しづらいのは実演して見せてみると理解が深まりやすい。

 こちらには主にメイちゃんについて貰った。


 エルマさん達、戦巫女と巫女頭のセルマさんには僕が直接教えることになった。

 これはアイシャとメイちゃんに言われたからだ。

 なんか昨日の夜そういう話になったらしい。

 別にいいけど・・・なんでだろう?


 戦巫女は主に槍を使用するらしい。

 僕はこれを薙刀に変更して貰った。

 何故かと言うと、戦巫女の戦い方は攻撃と魔法両方を使用するらしいんだけど、槍だと主に突きと払いがメインになる。


 だからこれに切るという動作をいれて貰う。

 当然すぐには上手くは出来ないだろうけど、この4人はとても筋がいい。

 薙刀との相性もね。


 一応、僕もジードに基礎は教えて貰ってるんだけど、熟練してきたら多分僕より上手く使えるようになる。


 そして、切る動作をいれる一番の理由は、刃に魔力を纏わせる・・・魔力剣を習得してもらいたいからなんだ。

 防御に優れた薙刀に攻撃力を上乗せできる魔力剣・・・絶対強くなれる筈。


 一通り型をやってもらってから、魔力剣を教える。

 凄い・・・やっぱり魔力制御が洗練されているからか、もう纏わせるのは出来始めているな。

 特にエルマさんは凄い!

 鬼気迫るように修練しているね・・・

 なんか覚悟が他の人より強い気がする。


 イリーナさんとアリオスさん、ケーラさんも参加していた。

 イリーナさん達はみんなアイシャの所で身体能力強化の魔法向上を学んでいる。 メイン剣だしね。

 

 嬉しそうに訓練している二人をケーラさんがため息ついて見ている。

 ・・・戦うの好きなんだねあの二人。


 さあ、あと3日。

 どこまで向上させられるか。


 僕も楽しみだ!

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