閑話 その頃の桜花(3) 

 ここはどこだろう・・・

 目が覚めて最初に思ったのはそれだった。

 なんか部屋にいたら部屋が光って・・・

 う〜ん思い出せない。


 ん?というか・・・

 私は・・・廻里桜花。

 それは間違いない。

 間違いなんいんだけど・・・それ以外が思い出せない!?

 どういう事?記憶喪失?あの光のせいだろうか・・・

 知識はあるようだけど・・・記憶が無い。

 不思議な感じ・・・


「どうやら成功したようだな。これで我が帝国は安泰だ。」

 突然声が聞こえたのでそちらを見ると、王様みたいな格好をした人と、その人の周りを囲むようにいる騎士?のような格好をした人。

 ここどこだろう・・・周りを見渡すと私の周りを囲むように騎士のような人達がいる・・・何この人達。


 王様?の近くにはお姫様のような人もいる。

 う〜ん思い出せない。


「眼が覚めたか勇者よ。お前の名前を教えて欲しい。」


 勇者?誰のこと?

 キョロキョロしていると、王様の近くにいたおじさんが、


「早く答えないか!王が聞いているだろう!!」


と偉そうに言ってきた。


 何こいつ?ムカつくわね・・・

 私がムスッとしながら睨み付けると、そのおじさんは一瞬怯んだけど、すぐにまた見下して、


「言葉が通じないのか!名前を聞いているのだ!早く答えよ!!」


と怒鳴ってきた。


 ・・・こいつ・・・


「人に名前を尋ねる時は、まず自分から名乗るものって習わなかったのかしら?おじさん。」

「な・・・無礼者!!この私を誰だと思っているのだ!!」


 当たり前の事を言ったら青筋立てて怒鳴ってきた。


「そんなの知るわけ無いでしょう?わからないから聞いているのよ。そんなこともわからないわけ?言わないならべつにいいわ。答えないから。」

「貴様!!おい!騎士ども!こいつに少し思い知らせてや・・・」

「うるさい!!」


 あんまりにもうるさいから怒鳴ったら、その瞬間身体からアニメや漫画なんかでよく見る衝撃波?っていうの?そんな感じのが出た。


 あれ?私こんなの出せたっけ?

 衝撃波は私に足を踏み出そうとしていた騎士?達の足を止めるには充分だったようだ。

 うるさいおじさんはひっくり返って唖然としている。

 あたりはしーんと静まり返っている。

 ちょうどいいや。

 私何かを探さなきゃいけない気がしているのよね。


「何もないならもう帰るわね。」


 そう言って踵を返すと、後ろから


「お待ち下さい!」


と女の人の声で呼び止められた。

 何よもう!

 

 私が不機嫌そうに振り返ると、お姫様?と思われる人が、一歩前に出ていた。

 きれいな子ね・・・長い金髪もきれいだし、出るとこも出ている。

 足も長そう・・・あいつには会わせたくないわね。

 ん?あいつって誰だっけ?

 

 ズキッ!

「う・・・」

 思い出そうとすると頭痛がする。

 なんか大事なことな気がする・・・


 

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