第75話 報告と今後(3)

 着替えが終わった、僕はみんなと伯爵の執務室に行く。


 そこでは、全員がテーブルに着席を求められた。


 さて、シリアスさんに戻ってきてもらわなきゃ。


「ふむ、それでは始めよう。まず、私からあの後について話そう。」


 顔を引き締めた伯爵からの言葉があった。


 ありがたい。


 シリアスさんがinされました。


「あの後、商会の人間は捕縛し牢に入れてある。勿論主犯のゾルドもだ。中には、奴隷のように扱われていた女性が何人かいた。どうも人攫いや、借金漬けにした家から娘を差し出させていたようだ。」


 つくづく虫唾が走る奴だったんだな。


「教会には、教会前を封鎖した理由を尋ねられたが、ゾルディア商会に反逆の疑いがあると説明しておいた。あそこの教会の司教は高齢の人格者であったが、どうも操作されている感じでは無かったし、何も知らないようであった。一応、ゾルディア商会と繋がりがあるか確認したが何も無いようだ。」


「それについては、私の『眼』で確認をしていますので間違いありません。どうやら無関係のようです。」


 リディアのスキルで確認したのなら多分そうなんだろう。


 実際、フェイルもあそこの存在は、真神を崇める人しか知らないような事言ってたし。


 僕が相槌を打つと、伯爵は話を続けた。


「ゾルドを尋問したところ、フェイルという司教が来て、話を持ちかけたそうだ。最初は袖にしていたゾルドだったが、魔狂薬とその効能を間近で見て、使えると思ったらしい。すると、フェイルは、ゾルトにセレス様ではない他の真神を崇める真神教という宗派に改宗するようせまったらしい。特に信心深く無ゾルトは、すぐに改宗したようだ。」


 まあ、伯爵は女神セレスの真実を知らないからな。


「改宗後は資金面で協力していたそうだ。そして、教会の隣に商会を建て、地下を繋いだらしい。商会の地下で密会する目的でな。密会する目的は魔狂薬の効率の良い実験にこの街を利用するため。そしていずれは・・・この国を乗っ取るためだそうだ。これがゾルドの知る全てだ。」


 なるほど・・・しかし、そうすると、かなり昔から真神教はあるのか・・・少なくともあの教会が建造されたのは、封印があるのを見越して建てられただろうし。


 僕が、教会関係者は地下を全く知らないのかと質問すると、伯爵は、


「おそらくな。何せ、教会の者が、地下室の存在に気づいていないようであったからな。しかし、そうなると地下には一体何があるのか・・・」


 伯爵は考えこんでいる。


 ふむ、ついでにもう一つ聞いておこう。


「ゾルドはどうしていますか?」


 すると、考え込んでいた伯爵は顔を上げて顰め、


「・・・獄中で死亡した。見張りの話では弾け飛んだらしい。奴のつけていたバッジが爆発したそうだ。」


 なるほど・・・死人に口無し・・・か


「これがこちらで起こった全てだ。そちらはどうだったのだ?」


 さて、どこまで話すか・・・というかどうするか、かな

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