第59話 ゾルディア商会での攻防〜決着(3) sideゾルド


 なんだこれは・・・どいう事だ?

 

 相手は公爵家の娘にその護衛の五剣姫・・たった二人を相手に、どんどん私兵が減らされていく・・・


 五剣姫はわかる、だが、いくら天才と言われた者とはいえ、メイビスの娘は学生のはずだ!


 先程までは苦戦していたではないか!


 それに、ここにいる者は、戦闘技術を持った薬常用者だ!


 むぅ!また二人倒された!


 これは予想外だ!まずい!


 俺は冷や汗を流し撤退について考える。


 今からでも建物内に逃げるか?


 そう考えた瞬間、


「ゾルド様!」


 そう言って護衛に突き倒された。


 ドカン!


 さっきまで立っていたところに、魔法が打ち込まれた。


 ジラートの領民軍の魔法兵だ!


 おのれ!


 これで、うかつに動けなくなった。


 ジラートの分際で生意気な!!


 そして見ている間に、兵は残り4人になっていた。


 ・・・何故だ!どこで間違えた!こんな・・こんなはずではなかったのに!


 俺は、こんなところで終わる男ではない!


 その時、護衛が俺に、


「ゾルド様。相手はすでに、肩で息をしているくらい消耗しています。今がチャンスです。あの二人さえ殺せれば、この場を逃走するくらいならばできるでしょう。私が出ますので、3人にご自分を守らせて下さい。」


と、耳打ちしてきた。


・・・仕方があるまい。


こいつは、俺の手勢の中では一番の手練。


薬の破壊衝動にも抗う精神力も持っている。


「・・・行け!」

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