閑話 シエイラ・テロア sideシエイラ(3)


 リョウマ様達は、数日滞在されるらしい。


 リディア様とグレイス様と一緒に、お茶会をすることになりました。


 残念ながら、リョウマ様はご参加されないようです。


 どうも、昨日野営で、夜間の見張りをしていたとの事です。


 色々、お話聞きたかったのですが・・・無理はさせられません。


 私は、お茶会の準備を進め、準備ができてから、お二方をお招きした。


 雑談は多岐に渡ったのですが、とても楽しかったです。


 かなり時間が経ってから、私は気になっていた事を話しました。


「そういえば、お会いした時のお話の中で、リョウマ様はグレイス様よりお強いとお聞きしましたが、どのようにしてご存知になられたのですか?」


 すると、お二方は、事の顛末をお話しくださいました。


 それは、とてもヒヤヒヤとするもので、詳細を聞いてとても驚いてしましました。


 本当に無事で良かったと思うと共に、一つの疑問が浮かびました。


「リョウマ様はどちらから来られたのでしょう?お聞きした感じの現れ方と強さ・・・まるで物語の勇者様のようですが・・・」


 それを聞いたお二方は、お互い顔を見合わせたあと、少し無言でいたのですが、リディア様が、


「本人曰く、迷子との事ですが・・・それは私達からお話することはできません。もしかしたら、話すとしたらリョウマさん本人からだけですね。」


 と仰られた。


 ・・・何かあるのでしょうか?でも、たしかにそのような強さと、貴族に物怖じせず話せる教養と心胆を持つのであれば、事情があってもおかしくありません。


「・・・わかりました。機会があればリョウマ様にお聞きします。教えて頂けなかったらそれは、私がそこまでの信頼を築けていなかっただけの事なのでしょうね。」


「それが良いと思います。シエイラさんであれば、もしかしたら教えて頂けるかもしれませんね。しかし、それは今はまだ無理でしょう。」


 リディア様はそう仰って目を伏せさせました。


 すると、グレイス様が、


「案外、色仕掛けをしたら、簡単に教えてくれるかもしれませんよ。リョウマはどうも女性に弱いようだし。」


と、いたずらっ子のような顔をして仰られました。


 リディア様も、


「ふふふ・・・そうですね。でもシエイラさん。あなたは貴族の子女ですから慎みを持った程度にして下さいね。」


と、笑顔で仰られた。


 なんでしょう・・・口元は笑っておられるのですが、目が笑ってないような・・・


 グレイス様は、ぽつりと、


「・・・どの口で仰られるのか・・・・」


と、小声で顔を顰めておられる。


 ・・・なんでしょう?なんだか妙に胸騒ぎがするのですが・・・


 そうして、お茶会を終え、夜は会食です。


 こちらには、リョウマ様も参加されました。


 む〜・・・何か私との会話に距離を感じる気がします。


 お二方とは親密な空気を感じるのですが・・・


 よし、まずはもっと仲良く慣れるよう頑張ってみましょう。





 

 

 

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