閑話 シエイラ・テロア(1) sideシエイラ

 

 私の名前は、シエイラ・テロアと申します。


 伯爵家の長女で、現在は王都の学院に通うものですが、長期休暇中で実家に帰省中です。


 本日、私の学院でのご友人・・・という関係性で良いかわかりませんが、友好的なな交友関係を結ばせていただいている、リディア・リヒャルト・メイビス様が、ご訪問されると伺っていたので、その準備に追われていたところです。


 リディア様は、メイビスの至宝とまで言われる位に大変お美しく、聡明であり、また、スタイルも良いため、女性として嫉妬することが馬鹿らしくなるほどの方で、男性も女性もその美しさの虜にしてしまいます。


 そんな方が仲良くしてくれているとはいえ、会いに来ていただけると聞いて、私の気分はとても高揚しております。


 それに、今回のご訪問では、私が密かに憧れている、五剣姫の一人であるグレイス様も護衛でいらっしゃると聞いています。


 グレイス様はとても凛々しく、その上、大変お強いため、私のようにグレイス様に憧れる女性はとても多いのです。


 早くお二人にお会いしたい!


 全ての準備を終え、リディア様をお待ちしていましたが、そわそわして落ち着かないので、お迎えにあがろうと、街の入口まで向かうことにしました。


 もう少しで街の外縁部の出入口に着くというところで、衛士が出入口方から、慌てて走ってくるのが見えました。


 呼び止め確認してみると、メイビスを騙る者が衛士と揉めていると言うではありませんか。


 私はすぐさま確認のため門がある外縁部の出入口に向かうと、衛士長を恫喝するグレイス様を見つけました。


 グレイス様・・・やはり素敵です・・・は!?いけません。


 今はきちんと応対しておさめていただかなければ!


 私はすぐにグレイス様が気にされている問題に気づきました。


 最近この街・・・というかテロア領で、突然領民が暴れたり、衛士の領民への応対が高圧的であったり、いくつか問題が浮き彫りとなっています。


 噂ですが、衛士が非道を行ったり賄賂を貰っている等も聞きます。


 お父様がその対策を練っているそうですが、解決する前にまさかグレイス様と揉めてしまうとは・・・


 私は衛士長からその場を預かり、問題を起こした衛士を牢に入れるように指示した後、リディア様の馬車で私の家に移動することになりました。


 そこで私は衝撃的な方にお会いすることになったのです。

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