第47話 ジラート伯爵との対決(5)


「王国の為なのであれば、その程度の事に謝罪は必要ありませんよ。私もお会いしたかったですし。」


 そう言って笑うシエイラさんに、リディアはホッとしたようにしたが、すぐに顔を引き締めて話始めた。


「そう言っていただけると救われます。そして・・・ここからは気をしっかり持って聞いて下さい。何故、私が査察する必要があったか。それは、最近多発する、テロア領の人々が暴れる事件・・・ご存知と思いますが、この調査です。」


 リディアは続ける。


「・・・そして、色々調査を進めると、背後になんらかの組織があるのではと推測されました・・その組織と、橋渡しをしている大物の貴族も。それは、あなたのお父様です。」


 リディアがそう言うと、シエイラさんは声を荒げて、


「父はそのような人では!!」


 リディアは、シエイラさんに手のひらを向け、


「思うところはあるでしょうが、まずは最後まで聞いて下さい。」


と制すると、シエイラさんは渋々、

   

「・・・わかりました。」


 と了承してくれた。


 そりゃ、自分の親が悪事としてるって言われたら怒るよね・・・


「続けます。私がメイビス領を出て、ここに来るまでに襲撃されましたが、あれはおそらく計画されたものだと思慮されます。しかし、そのおかげでリョウマさんに出会うことができました。先日にも言いましたが、リョウマさんは、グレイスを超える強さな上、様々な魔法を使えます。そこで、この件について、リョウマさんの協力を得る約束をして頂けました。そして、そのリョウマさんが仰るには・・・シエイラさん、あなたのお父様は、精神支配されている可能性がある、とのことでした。」


 そうリディアが告げると、シエイラは手を口にあて、


「嘘・・・そんな・・・」


「いえ、まだ可能性の話で、確定ではありません。そこで、シエイラさんにも協力を・・・「あ〜ちょっといいかな?」」


 僕が途中で割り込むと、リディアがきょとんとして、


「リョウマさん?なんでしょうか?」


と聞いてきた。

 

 あ〜・・美少女のこのあどけない顔・・・いいね!

 いやいや、今はそれどころじゃないか。


「そのことなんだがけど・・・途中で割って入って申し訳ない、先に僕の話をさせてくれる?そこにも繋がってくるから。」


「・・・わかりました。リョウマさんがそう仰るのであれば。何か分かったのでしょうか?」


「うん8割方事件の概要はつかめたよ。」    

   

「「「えっ!?」」」


という事で、昨日の夜に仕入れた情報を話す僕だった。

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