第36話 廻里 桜花 (12)
次の日登校すると、桜花ちゃんは学校に来ていたんだ。
周りには人だかりが出来ていた。
桜花ちゃんと仲の良かった人達は、みんな口々に「心配してたんだよ」とか言ってる。
ウケる。
じゃあ見舞くらいしなよまったく。
最初に僕に絡んできた男三人組が、ちらちらこっちを見ながらニヤニヤしてる。
桜花ちゃんがいれば、もう僕が怖くないとでも思っているみたい。
ん?
席に着いたところで、桜花ちゃんと目があった。
まあ出てきてるなら良しとしよう。
すぐに目線を切って、一限目の授業が何だったか思い返していると、
「龍馬くん!」
と僕を呼ぶ声。
誰だ?って考えるまでもないか。
目の前に桜花ちゃんがいた。
「ちょっと!何無視してるのよ。」
「無視なんかしてないよ。忙しそうだったから声かけなかっただけ。おはよう桜花ちゃん。」
僕がそう言うと、桜花ちゃんは満足そうにニンマリ笑って、
「はいおはよう。よく出来ました。」
と言って頭を撫でてきた。
僕は子供か!!
ムスッとしてると、
「何いじけてるのよ。こんなにほっぺたふくらませて。」
と言ってほっぺたを引っ張ってきた。
にゃろうめ・・・
ん?
でも周りがびっくりして固まっている。
例の男たちなんか、顎外れるんじゃないかってくらい口あいてる。
オモロー。
「そういえば龍馬くんお昼いつもどうしてるの?」
昼ですと?母親の弁当ですぜ。
「それじゃ一緒に食べましょう。いつも一人でしょう?」
余計なお世話だこんちきしょー。
桜花ちゃんは友達たちの方を向き、
「ということで、今日の昼から龍馬くんとご飯を食べるから、みんなとは食べれません。ごめんね。」
と言って、片手を手刀のように突き立ててた。
すると、桜花ちゃんと仲の良いグループ女の子の内の一人が、
「ちょ・・ちょっとまってよ桜花。なんで急に・・・三上なんかと一緒に・・・」
と言い出した。
なんかで悪かったな。
しかし、僕がムスッとする前に桜花ちゃんが、
「昨日龍馬くんが家にお見舞いに来てね。お父さんとお母さん交えて話をして、仲直りしたんだよ。その時に友達になったんだ。だから・・」
「龍馬くんのこと悪く言わないで」
と友達たちに強めに言い放った。
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