ブラウン

灰田 青

第1話

茶色のマントを体に巻き付け、砂嵐の中を歩いた。

行けども行けども、周囲の景色は変わらない。

ザザッという音だけが耳に響いている。

頭に取り付けたチューナーが、私の前に様々な幻覚を見せる。しかし、それはどうしたって他人事だ。


一体いつ終わるのか。

果てのない砂嵐と軋む体に絶望し、しかし、きっともうすぐだと己を奮い立たせた。


そうしてどれほどの時が経っただろう。

ついにその時はやってきた。

ああ、ようやく安息が訪れる…



よくここまで保ったよなあ。

軍手をはめた男性が息を切らしながら言った。

この大きいの何?

小さな子供がたずねた。

軽トラに荷を乗せると、男性はガラスをコンコンと小突いた。

こいつは、ブラウン管テレビというんだよ。


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ブラウン 灰田 青 @kai-bgm

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