「夏休みになったらさー、何しようかー？」

「夏休み……だいぶ先じゃないか？　その前にテストあるし。勉強しねーとなー」

「あーあー……聞きたく無ーい、聞きたく無ーい。本日の営業は終了しましたー」

「ちゃんと聞け。ほら、テスト前にはまた勉強教えてやるから。お前はやればできる子なんだから」

「ヤレばできるって、そんなオウカ……ここ教室だよ……大胆……ポッ」

「セクハラ止めろ」

「塩対応すぎない？」

「そういえば、塩対応の対の言葉ってあるのか？　砂糖対応？」

「あー、なんか砂糖対応って言うらしいよ」

「マジかよ。そのうち醤油対応とか出てきそうだな。日本語の可能性は無限大だ」

「それを踏まえて、さぁオウカー。砂糖対応を私にちょーだい」

「……当店では砂糖対応は現在売り切れております」

「次回入荷時の予約を希望します」

「申し訳ありませんが、予約はＷＥＢ予約のみ承っております」

「よし!!　スマホから予約完了!!」

「マジかよ……。分かった分かった、テスト勉強を頑張ったら砂糖対応を入荷いたしましょう」

「わーい。あ、それも良いけどさー……頑張ったらご褒美ちょうだいよー」

「ご褒美？　砂糖対応じゃご褒美にならないのか？」

「砂糖対応も素敵だけど、そーゆーのじゃなくてー」

「じゃあ、どーゆーのなんだよ」

「良い点取ったら……どっか連れてってよ!!」

「随分と曖昧な言い方だな……。つーかさ、別にご褒美無くてもお前、割とテスト前は頑張ってるじゃん。今更だけど」

「確かに頑張るけど、気合いの入り方が違うのー。どっか連れてってー」

「うーん……別に海やプールは毎年行ってるし、夏祭りだって一緒に行ってるだろ？」

「……それもそうだねぇ」

「まぁなんか考えとくよ。だから勉強ガンバレ」

「わーい」

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