第6話 冒険者デビュー
俺とミオネは、母さんとジンさん、ハイネさんに連れられ村から5日かけて近くの街へ来た。
冒険者都市『オラフ』
近くに魔の森、Sランクダンジョン、Aランクダンジョンのある辺境都市である。
出発前にその話を聞いたとき、自分がいかにヤバい場所で生活していてヤバい物と戦闘訓練していたかのかを知った。
だってダークウルフってBランクの魔物で集団だとSランクにもなるって言われたんだもん。
こういう集団戦ってランクが2ランク上がるらしい。
しかも雑魚だと言われて狩ってたオークなんかジェネラルとか言われて一瞬、フリーズしたし。
戦闘力だけで言ったら俺もミオネもAランク相当が妥当だと言われた。
騙されたことを知って、そりゃ、そうだと思った。
魔法属性が基本が火、水、風、土の4属性に光、闇。
そこから極めた上位属性が爆炎、氷、雷、重力と聖となる。
俺は全属性使えて、ミオネも全属性だけど闇はあまり相性が良くない。
魔法が使えるだけでもすごいのに俺たちはそこから接近戦もこなす。
ある意味、無双状態だ。
思考にふけてたら声をかけられた。
「ユーダイくん!やっと冒険者デビューだね!」
「そうだなぁ!たまにしかクエストこなせないけど成人の儀が終わったら色んな国に旅をしような」
「うん!!」
ミオネの満面の笑みで頷く。
「ミオネはやっぱり天使だなぁ〜」
「も、もう何いきなり変なこと言うの!恥ずかしいからやめてよ。それより早く冒険者登録しにいこ?」
思ったことが口に出てしまったらしい。
顔を真っ赤にしてミオネが催促をする。
「中々微笑ましいが、登録は2人だけで行ってきな。私たちは先に買い物を済ますから」
「そうね、終わったら迎えに行くから待っててね」
「ちょっ、それじゃぁぁぁ〜」
そう言って母さんたちと別れた。
ジンさんは何か言いたそうだったけど、ハイネさんに引っ張られていく。
ミオネも俺も苦笑いで見送る。
「それじゃ〜行こうか」
「そうだね」
俺たちは真っ直ぐ、冒険者ギルドに向かう。
ここでテンプレ展開をちょっと期待する。
誰かしら絡んで来て一泡ふかせるのも悪くない。ミオネは、可愛いから下手なちょっかいとかも減るだろうし。
ちょっとおら、ワクワクすっぞ!!
ギルドに着き、中に入る。
それなりに人がいて全員からの視線を感じる。
これはあるぞ。
確信しながらゆっくり受付に行く。
「こんにちは。どのようなご用件ですか?」
「こんにちは。冒険者登録をしに来ました」
「登録ですね。かしこまりました。こちらの用紙に記入をお願いします。文字が書けないようなら代筆もしますがいかがですか?」
「あ、私たち、字が書けるので大丈夫です」
「ふふふ、それは大変素晴らしいです。ではあちらで記入をお願いします」
受付のお姉さんは、やっぱりいい人だ。
俺たちは、言われた場所で記入をしようと移動したとき
「おい」
キタァァーーー!!!
俺は目を輝かせてそちらを向いた。
いかにもって顔で筋肉ゴリゴリのスキンヘッドのおっさんが話しかけて来た。
「坊主に嬢ちゃん。困ったことがあったらいつでも俺たちを頼りな。こんななりでも、俺たちは学もある。思い悩んで潰れる前に頼れるおっさんたちに相談しに来いよ。これは、俺たちからの登録祝いだ」
そういうと俺たちの前にオレンジジュースを置いた。
「わぁ〜、お兄さんありがとうございます」
ミオネは、目を輝かせてお礼を言った。マジで天使!!
おっさんは、豪快に笑って応えた。
「ガハハハ。礼儀正しい嬢ちゃんだ。さすが、あの人たちの娘なだけあるな」
「えっ?おじさん、俺たちが誰の子か知ってるんですか?」
「そりゃ〜、知ってるぞ。なんせさっきジンさんと会ったからな。ちなみにジュースに関しては大体、登録に来たみんな配ってるからな」
なんだ、知り合いか。テンプレもクソもねぇ〜じゃんか。
しかし、これを逃す気はない。
「じゃ〜母さんたちの顔に免じて後で胸を貸していただけませんか?」
「はぁ!?嫌だよ。坊主は、確実にリリィの姉御の息子だろ?『鬼姫』と『鬼斬』の息子に勝てるわけがない。あの人たちの鍛え方、異常だからBランクの俺じゃ〜役不足だ」
なんだ!?親父の『鬼斬』はまだわかる。母さんの『鬼姫』ってなんぞ?
「お兄さん、『鬼姫』ってリリィお母さんのことですか?もしかしてジンお父さんやハイネお母さんにもそう言う名前ってあるんですか?」
「お!嬢ちゃんは、ジンさんとハイネさんの子か!あるぞ!ジンさんが『爆雷』でハイネさんが『癒しの魔女』だ。カッコいいだろ?あ、俺は『浪速』のマルスだ。よろしくな!」
「よろしくね、マルスお兄さん!」
このおっちゃん、厳つい割に中々いい人だ。俺たちもそのうち二つ名がつくんだろうかな?
「ミオネ、俺たちも二つ名が貰えるように活躍しような!」
「うん!ミオネも頑張るね!」
満面の笑みで笑うミオネ。俺の未来の嫁が尊い。
「坊主。お前の彼女は妖精、いや天使だな」
「でしょ!自慢の未来のお嫁さんだよ」
「絶対泣かすんじゃねぇ〜ぞ?大切にしてやんな。じゃぁ〜な」
「またね、マルスのあんちゃん」
「バイバイ!マルスお兄さん」
マルスは、片手を上げ去っていった。
こうして、無事に冒険者となったのであっ・・・・・・
「ちょっと!そこの2人組!私のパーティーに入れてあげるわ。感謝しなさい」
らなかった。
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