第11話 猫の集まり
夜になった。
黒猫さ……いやカナ様を起こそう。
「カナ様ー、夜になりましたよー」
「……うーん、あと五百年寝かせてー……」
それは困ります。
僕はそれまで生きられる自信はありません。
「カナ様ー、起きてください。カナ様ー」
「あー、もうー、うるさいわねー。誰よ、あたしの安眠を妨げる愚か者は……って、なあんだ、あんたか」
なぜそこでガッカリするのですか!
地味に傷つきます!
「カナ様、あなた様が夜になったら起こすようにと僕に言ったのですよ」
「あー、はいはい、そうね。よし、じゃあ、散歩に行くわよ」
え? 散歩? こんな時間に?
もう夜の八時を過ぎている。
外は真っ暗だ。
「散歩って、こんな時間にですか?」
「こんな時間だからよ。さぁ、ついてきなさい。今日は猫の集まりがあるんだから」
そんなところに人間である僕を連れていってもいいのですか?
「え、えっと、僕は一応、人間なのですが」
「だから何? あんたはあたしの飼い主なんだから、集まりに出席しても誰も文句なんて言わないわよ。もし何か言われたら、あたしに報告しなさい。ボコボコにしてやるから」
な、なるほど。やる時はやるのですね。
「わ、分かりました。では、参りましょうか」
「うん!」
こうして僕とカナ様は猫の集まりに参加することになった。
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