第71話
冬休みに入り受験まで残り一ヶ月を切ろうとしていた。
「雪、結構積もったな」
「だね。これが続けば、受験終わった後に遊べそうだね」
シャリ、シャリ、と音を鳴らしながら、俺は陽彩を駅に送っている途中だった。
「勉強は順調か?」
「うん。バッチリ! 翼は?」
「俺の方も大丈夫かな」
二人とも冬休み前に受けた最後の模試でA判定をもらっていた。
本番でミスしなければ難なく合格することができるだろうと思ってた。
「そうだ。翼に確認しといてって言われてたんだった!」
「ん? 何を?」
「年末ってさ、お店休みじゃん」
「そうだな」
「どこか行ったりするの?」
「特には、家でのんびりと過ごすかな」
「実はさ、お母さんが翼の両親に会いたいって言うんだよね~」
「別に会うのはいいと思うけど、それが年末と何か関係あるのか?」
「うちのお母さん、仕事人間だからさ、年末くらいしかまとまった休みが取れないんだよね。まあ、休みの日おに店に行けばいいだけなんだけど、それだとゆっくり話せないじゃん。だから、『蓮』も休みの年末に会いたいって言ってるんだよね。もちろん、無理なら断わってくれていいよ」
「まあ。大丈夫だと思うけど、一応聞いてみるよ」
「ありがと」
俺は陽彩を駅まで送り届けると家に戻った。
二人はまだお店の片づけをしていた。
「お母さんちょっと話があるんだけど」
「なぁに?」
「もう、そうやってすぐに抱き着いてくるな!」
朝美は俺に抱き着いてきた。
俺はそれを引き離すと少し後ずさった。
「で、話ってなぁに?」
「実は陽彩のお母さんが年末に二人に会いたいんだってさ。大丈夫そうか?」
「もちろん大丈夫に決まってるじゃない!」
朝美の目はなぜかキラキラと輝いていた。
俺は蓮夜を見た。蓮夜もいいぞ、と頷いていた。なので、俺は陽彩に『大丈夫だって』とメッセージを入れておいた。
ということで、急遽、年末に両親の顔合わせが決まってしまった。
これって結構大イベントだよな。しれっと決まったけど。
「蓮夜さん、とびっきりのスイーツを当日はお出ししてね」
「もちろん、そのつもりだよ」
蓮夜は一体どんなスイーツを作るつもりなのだろうか。
それも気になるけど、まずは年末の前にあるクリスマスだよな。陽彩と一緒に過ごす約束はしてあるけど、何をプレゼントしようかまだ決めかねていた。 そろそろ決めないとな。それに、スイーツも渡すつもりだ。そっちの方はもう決めてある。
明日、ショッピングモールにで行ってみるか。
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