第47話

 『蓮』のバイトが終わって陽彩を送るために駅に向かっていた。


「今日もありがと」

「どうしたしまして」

「ところで、陽彩。こういうのをマダムからもらったんだけど、行ってみるか?」


 俺はマダムからもらったチケットを陽彩に見せながら言った。


「何のチケット?」

「一泊二日の温泉旅館のチケット」

「行きたい!」

 

 陽彩が俺の両手を掴んでぶんぶんとした。


「じゃあ、行くか……」

「うん!」

「いつにする? 期限は・・・・・・九月中旬までみたいだな」

「じゃあ、来週の土曜日に行こうよ」

「了解」


 ということで、来週の土曜日に俺と陽彩は温泉旅館に行くことになった。

 陽彩が喜んでくれるなら、マダムにチケットをもらえてよかったかな。


「温泉かー。私、初めて入るかも!」

「そうなのか?」

「翼は行ったことあるの?」

「あるよ。お母さんが温泉好きだから、よく行ってる」

「そうなんだ。だから、朝美さん、あんなに肌が綺麗なのかな?」

「かもな」

「楽しみだなー。温泉」

「陽彩さんや。忘れてはない? その前にテストが返ってくることを」

「あ、忘れてた……」


 陽彩の顔はワクワクからガックリに変わった。うん。忘れてたんだな。


「わ、私に何をさせるつもり!?」

「何をしてもらおうかな~」

「へ、変なことはやめてよね……」

「それはどうかな?」

「えー。翼、怖い~」


 そんなくだらないやり取りをしていたら、駅に到着した。


「まあ、翼になら何されてもいいんだけど……その段階は踏みたいかな……」

「分かってるよ。てか、まだ俺が勝つって決まったわけじゃないだろ」

「絶対に私が負けてるから、覚悟決めとくね」

「何の覚悟だよ……」

 

 俺は陽彩の頭をそっとなでた。


「まあ、陽彩が頑張ってたのは知ってるから、どっちが勝っても恨みっこなしだ」

「うん……」

「じゃあ、また明日な」

「うん。また明日ね!」


 俺は陽彩の姿が見えなくなると帰路についた。

 夜空を見上げるとたくさんの星が輝いている。


「また一つ。楽しみが増えたな」


 俺は星を眺めながらゆっくりと歩いて家に帰った。少し肌寒くなってきたかな。

 

 

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修正

八月いっぱい→九月中旬


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