2021年2月7日 四季華族、最後の秘密
――朱鷺森市 朱鷺森狐火宮神社――
▶現在、稲生は長野の朱鷺森狐火宮神社本家で新しい巫女として修行を積んでいます。今日は師匠で宮司をしてる萩野秋伍(68)に呼び出されてしまいます
秋伍「天か。入るがよい」
稲生「は、はい……。し、失礼します……」
秋伍「襖は閉めたな? 楽にしてくれ。一応形式として偉ぶる必要があってな」
稲生「わ、私が、何か……やらかしちゃったわけではない、ですか……?よ、よかった……」
秋伍「――最近、朱鷺森神社の分家筋の動きが怪しい。朱鷺森神社は先祖代々紅葉に力を貸し、紅葉の英雄人材の輩出を積極的に行ってきた。その点としては天もよくやった。お前は才能がないと思っとったから修行はさせなんだが、私の目が駄目になっている証明としてくれた」
稲生「え、えっと……ありがとう、ございます……?」
秋伍「そこで、だ。私ももう長くはない。実力も審美眼も落ちている以上この座に留まる理由もない。家督を四季に譲ろうと思ったが、断られてしまってな。どうだ?萩野の座が欲しくはないか?」
稲生「えっ……ええっ……!?」
秋伍「本家筋の血を持っているならば、正直家督なんぞどうでもよいのだ。孫はどこにおるぞで連絡もつかぬ。――天、お前が継いでくれると後が楽なんだが」
稲生「そ、そんな……急にそんなことを仰せられても……。そ、それに、私なんかじゃ、力不足ですよ……?巫女としても、まだまだですし……」
秋伍「だがな……。残りの選択肢が婿養子まっしぐらの秋夜に、まだ中学生の凛空……。極めつけに玲海を喪い、秋夜も失ってほとんど生気も失った花恋だ。一番円い選択肢ではあるのだよ」
稲生 「ぁぅ……。ほ、本当に……ぽっと出の私なんかで……そんな大役、務まるのでしょうか……?」
秋伍「構わん構わん。私も40まで夜な夜な女を抱き、刺されたこともある。威厳などとうの昔にありゃあせん」
稲生「ひぇぇ……」
秋伍「建前として萩野の性は名乗ってもらうが、戸籍まで変える必要はない。字名のようなものだと思ってもらいたい。私も戸籍は萩野ではないからな」
稲生 「な、なるほど……、そうだったのですか……」
秋伍「天に家督を譲ったから色街巡りをしたいものだが、時代が許してくれぬからな。リングフィットでもして余生を過ごすことにするよ。紅葉に家督変更のお達しだけ出しに行くといい。後は日頃と変わらぬ」
稲生「げ、元気ですね……。いいこと、ですけども……、いいこと……?え、と、届け出だけで、いいのですか……?」
秋伍「うむ。書類も怜に任せておいてよい。ああいう手合は仕事を増やしたほうが働く」
稲生「は、はい……。でも、本当に、私なんかで良かったのかな……?」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉――
▶稲生が店に入ると、ロウハが笑顔で接客してくれます。ロウハの頑なな主張で従来のスーツから和ゴスロリの衣装に変更になったことで、夏水は厨房から姿を滅多に出さなくなってしまいました
ロウハ「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」
稲生「あ、えっと、その、こ、こんにちは……。は、はい、お一人様、です……」
ロウハ「ご主人様ー!天様がお見えになりましたよー!」
エイリオ「見えてるよーん!今日はお客様の気分かなー?稲生ちゃん!おら!現役JKの持ってきたお冷でもくらえ!」
▶お冷をドン!とエイリオは置きます
稲生「あ、ありがとう……。ふぅ……ちょっとだけ、一息つけた気分……」
エイリオ「およよー?どしたん?なんか一仕事してきたみたいなー?」
ロウハ「なになに?久々に恋人に会ったみたいなですか?」
▶エイリオ達は自分達の分のオレンジジュースを取ってきて対面に座ります。目の前で指をぐるぐるしていますね
稲生「え、えっと、そんな感じです……。れ、怜さんは居ますか……?」
エイリオ「あらー!血気盛んな乙女たちのお店に燃料投下すんのかー!?相手は誰だー!ハケー!」
稲生「そういうのでは、ないです……」
エイリオ「なんだー。ちえー。てんちょー!稲生ちゃんが恋愛相談してくれないー!」
ロウハ「恋人じゃないんですかーざんねん。怜様ー!!お呼びですよー」
夏水「お前らは声がでかいから聞こえてるんだよ!――客は、他にいないな、うん」
稲生「あ、怜さん……こ、こんにちは」
夏水「どうしたんだ?流石にもう匿うのは無理だよ」
稲生「えっと……。今日は、その、違くて……。仕事、というか……書類をちょっと、お願いしたいのです……」
エイリオ「なに!?婚約届け!?進んでるー!」
ロウハ「もう嫁入りですか……。ブーケは私に!」
稲生 「わ、私なんかとお付き合いしたい方、なんて……居ないと思いますよ……」
エイリオ 「そーかなー???そう思ってるのは本人だけだったりしてー!だぞー!で?何をお願いしにきたのさー」
夏水「うっへ、まあいいけどさ」
稲生 「え、えっと……これです……。家督変更のための諸々の書類を……」
夏水「…………ファッ!?!?」
夏水「ああいやごめん……つい。そっかぁ……じゃ、秋夜と結婚すんの?」
エイリオ「え!?ほんとに籍入れちゃうの!!?ごめん知らなくて!」
ロウハ「ひゅーひゅーです」
稲生「えっ、い、いえ、そんな話ではないです……はずです……。今日、急に秋伍様に呼び出されて……跡継ぎが不安定だから私が家督を継がないか、と……」
夏水「なるほどなぁ……。まあ、書類は作っとくわ。じゃあ萩野名字になんのかー、うーん……」
エイリオ「どういう立場になるんだろう?お嫁さんじゃないなら……養子?すごいな」
ロウハ「実質お嫁さんなのでは??」
稲生「字名みたいなものだから、戸籍は変える必要はない、とは仰っていましたけれど……」
エイリオ 「なぁにそれ……。紅葉内の書類だけやっとけばいいってことなのかな」
夏水「でも、あれより先にかぁ……そっかぁ……。頼む!!!!ことりとか花恋とか来ないで……!」
▶扉がバンッ!と開いてことりと秋夜達が戻ってきますね
ことり「夏水さんおっひさー!元気でしたかー!」
秋夜「おひさおひさー。棗さんとは会えましたか?ってゴスロリ……くっ……ふふっ……」
エイリオ 「へいらっしゃい!綾瀬さん秋夜さんお久しぶり!元気してた!?」
夏水「うわ、最低のタイミングで帰ってきやがった……!」
ことり「そんな人の顔を見るなりげんなりされても。何かあったんです?」
夏水「というかその傲慢な感じ……って娘が、増えてる……!」
鏡「……?」
ことり「この人が夏水さんで、この人がエイリオちゃん。私達の友達だよ」
鏡「うん……」
秋夜「というか天お姉ちゃんもいるんだ。今はこっち所属?」
稲生「秋夜くんと……知らない方……、気配を消さなきゃ……。あっ……速攻でバレた……」
エイリオ「よろしくねー!名前は?パパとママは仲良くしてるー?」
鏡「かがみ……時間の、魔女……!」
エイリオ「なるほど!かがみちゃんか!オレはエイリオ!誇り高きダークエルフのおーう!!」
ロウハ「そしてその秘書のロウハ!ゆくゆくは下剋上!!」
エイリオ「謀反の芽を発見!摘んでやるー!!!」
ロウハ「きゃー!!!!」
▶ロウハの脇腹に指をプスプスします
夏水「厨二ね。うんうんわかる。で、スルーしてたけどそっちの子たちは?まさかそっちも子供ってわけじゃないだろ?」
ことり「そっちもっていうか、こっちもそうとは言えないんだけどね?えーっと、自己紹介してもらうか。森羅くんからどうぞー」
森羅「上ノ瀬森羅。特に言うことはねえよ」
杏弥「杏弥です。えっと……森羅くん、私達ほんとにここに居ていいのかな?」
森羅 「わかんね。いざとなったらまた、逃げるしか……」
秋夜「まあこんなクールキャラ装ってるけど、俺のブーメランワンパンで沈んだくらいだから!そっちで新人登録してほしいんだけど」
エイリオ「拾ってきたってこと?誘拐じゃないよねぇ~?」
ロウハ「ロリ誘拐……?」
ことり「まあ、行き場所ないみたいだし、そういう意味では誘拐ではないんじゃない?うん。……ところでそっちのお姉さん(?)は?秋夜の親戚の方?」
秋夜「そう、天お姉ちゃん。昔はお世話になったけど、最近は距離取られてる」
稲生「ひゃわっ……、は、はじめ、まして……。わ、私のことは、気にしなくて、いいですよ……」
エイリオ「なんかやらかしたんじゃないの~?一筋に見えて稲生ちゃんの魅力に勝てなかったんじゃないのぉ~?おーん?」
ことり「えぇ……、またなんかしたんじゃないの……?」
秋夜「や、こう……久々に親戚の集まりで見たら綺麗になったから見惚れてたら声かけられたらすっごい気まずいじゃん?だから胸の方見てたらこう、その、あれですよ」
稲生 「あぅぅ……」
ことり「あ、はじめまして、綾瀬ことりです。気にしないってわけにも行いかないと思うんですけど、よろしくおねがいします」
エイリオ 「うーわ、思った以上にサイテーだ……でも正直なところはいいところだね!」
ロウハ「(*´・д・)(・д・`*)ネー」
ことり 「なんで顔は見れないのに胸は見れるの、というか私から目をそらす時も毎回下に泳ぐのって……?」
秋夜「や、こう目外らしたら目行くじゃん?揺れるじゃん?無理じゃん??」
ことり「……まあ、あんまり他の人の胸ばっか見ちゃだめだよ、うん」
エイリオ「うん!この話やめやめ!それで、どう?オチビ達!ここ、なんか見える?」
夏水「まあいいけど……。一応チェックはさせてな」
▶夏水は指先からHELPという煙を作ります
杏弥「はい、見えますけど……?」
夏水「まあ、いいか。駄目ならウエイトレスだし。これが契約書、よく読んでね。衣食住とお給料は保証されるけど、制服がコレだから無理なら無理でいいよ」
▶夏水は森羅と杏弥、2人に契約書を出すよ。ことりはその下にある萩野天って書かれた書類がちらっと見えます
エイリオ「コレコレ!かわいいっしょ!二人とも似合うよきっと!お腹空いてない?なんか食べる?」
ロウハ「和ロリは世界を救うんですよ??」
稲生「私もソラの時だったら着たいなぁ……」
杏弥「どうする?森羅くん。悪い人ではなさそうだけど」
森羅 「生活を保障してくれるってんなら……まあ、いいんじゃないか?」
▶サインを受け取って、夏水は疲れたように切り出します
夏水「ありがとう。――じゃあ、早速なんだけど当主としての仕事をしてほしいな」
稲生「……?え……も、もしかして、私に向けて……ですか……?」
夏水「そうそう。萩野天ちゃん。最近、病院の近くの墓地で幽霊騒ぎが起きてるのね。――紅葉的な解釈で幽霊ってのはありえないし、ことりもいるしで、さっくり見てきて」
ことり「当主?秋伍さんじゃなくて?というか神社に住んでるのに秋夜じゃないんだね、引き継ぐにしても」
秋夜「知らん間に親戚のボイン姉ちゃんが許嫁になってた……でも俺には綾瀬がいる……これが、これが男の幸せ……?」
エイリオ「そんなんじゃないらしいから起きてていいよ!」
ロウハ「口は災いのもとですよねえ」
稲生「ま、まだちゃんと届け出も出してないのにぃ……。でもこれからはそういうことが……となると前哨としては……でも……あぅ……」
秋夜「ことりちゃんを愛人に……?いやでも俺はことりちゃんだけを見て生きてきたしそんなの出来るのか……いや無理だろでもジジイの決定だろ……?」
稲生「秋夜くんは秋夜くんで勘違いが進んでるし……」
エイリオ「まだ夢の中に居るようだ」
ことり「え、何私二番目なの?聞いた鏡ちゃん、これが家庭崩壊ってやつなのよよよよ……」
鏡「お父さんについていくから……ばいばい」
ことり「そんな、鏡ちゃん!?母性で負けたってことなのか、これが……」
夏水「とっとと行ってこいや色ボケ!えー、森羅くんと杏弥ちゃんね。ついでに実力も見るつもりだから、さっくりぶん殴ってきて」
杏弥「は、はい!じゃあ……行こっか?森羅くん」
森羅「おう、やってやろうぜ」
▶杏弥は森羅の手を取って外に出ます
エイリオ「フフ、仲良しさんだな!ホラホラおチビ共!初陣じゃ!気合入れろー!」
稲生「うー……わ、わかりました……。行ってきます……」
――朱鷺森市 墓地――
▶病院近くの墓地に、大量の黄色の悪鬼が出現しています。放置していると合体して大変なことになりそうです
稲生「あぅ、黄色……。しかもこの量……なかなか厄介……」
秋夜「まあ、鏡もいるし……建前としては愛人で……ってまあまあ出てるな。天お姉ちゃんはあの辺のやつ1人で潰してくれる?」
▶秋夜は4つほどの悪鬼をざっくり指差します
稲生「えっ、うえ、ひ、一人ではさすがにちょっときついと思う……!」
ことり「はえー、いっぱいあるねえ。じゃあ私は杏弥ちゃん達のサポート回ったほうがいいかな?」
稲生「わ、別に私は強くはないんだから……そのあたりはちゃんと……」
秋夜「えぇ……。じゃあ森羅と杏弥ちゃんつけるわ。俺とことりちゃんはあっち、エイリオくんは真ん中でいいか?」
ことり「ああそう?じゃあ順に回っていこっか」
エイリオ「おはよう秋夜さん、任せといて!行くよ!ロウハ!」
ロウハ「ラジャラジャラジャー!戦闘モード、移行します……」
稲生 「ううー……と、とつげきー……!」
――宝石ネズミのチュー王国――
▶入ると、洞窟のような場所ですね。お台場ガンダム並のデカさのネズミが鎮座しており、取り巻きのように大量の人間大の大きさのネズミが軒を連ねています。また、後ろに暗く輝く紫の宝石があるのが見えます
稲生「うわぁ……なにあれ……。ねずみ、と……宝石?」
森羅「とっとと終わらせようぜ、絶対あいつらより先に戻ってきてやる」
杏弥「分かった。それじゃあ、最初から飛ばしちゃうね?」
▶杏弥は、注射針を自分の腕に刺して変身を始めます。
背中に現れた機関銃からチューブを引っ張り注射針に繋げ、ガトリングを構えると血液がチューブを通っていき装填されていきます。飛びかかってきたネズミに引き金を引くと、血液が弾丸のように発射されます。血の雨そのものですね
▶森羅も隠していた耳と尻尾を出し、自分の犬歯を引っこ抜いて刀に変換します
稲生「うわ……わわ……それ……大丈夫……?」
杏弥「燃費なら大丈夫です。2分ぐらいはこのまま制圧射撃を続けられます!」
稲生 「そ、そういう意味じゃなくて……ううん……」
ソラ 「無理はさせられない……私も……ソラもやるぞー!いえーい、ソラちゃん大変身ー!からの分身の術!なんちゃって!よーし、不死鳥さん、お狐様、いっくぞー!」
▶大量にいたネズミを主にお狐様がボコって、悪鬼が崩れ始めていきます。ソラは紫の宝石を手にとるよ
ソラ「よーし、多分目的は果たした!脱出するよー!」
森羅「……なあ杏弥、どう思う?あれ」
杏弥 「んー、あれって?」
森羅「いや、何でもねぇわ。どいつもこいつもふざけた強さしやがって……」
ソラ「どしたのー?はっ、さてはソラに見惚れちゃった?ふっふっふ、もっと褒めてくれてもいいんだぜー!」
杏弥「言われてるよ、森羅くん」
森羅「うるせー!分身出来るならその分多く攻撃できんのも当たり前だろ!」
――朱鷺森市 墓地――
▶稲生たちが戻ってくると、秋夜達やエイリオ達は既に終わってるのか涼しい顔で待っててくれていますね
秋夜「やっぱネズミ無理だわ。家キレイにしないとなって思うわ」
ことり「そういや前にもネズミと戦ったことあったっけなあ。色々食べてて大変だったよ」
稲生「よ、よかった……。誰も特に怪我することもなく戻れた……」
エイリオ「お?終わったー?眠たくなってきちゃってたとこだったよ!特に何事も無かったし!帰ろっか!」
ロウハ「かえろかえろ!」
▶鏡が稲生の宝石を見て目をキラキラさせていますね
鏡「それ、宝石……?きれい……」
稲生「そ、そういえば私も持ってきちゃったけど……。これ、なんだろ……?」
鏡「見せて……」
稲生「う、うん……。はい……。――でも、悪鬼にあったやつだから……危ないかもしれないから、あんまり……」
▶稲生が宝石を渡すと、鏡の周りを紫の宝石が回転するように宙に浮き、鏡の額に貼り付きます
稲生「えっ……わっ……!?だ、大丈夫、なの……!?」
鏡「ディアルガ……十六夜……魔女の力……!」
エイリオ「パパさんママさん!?これは!?」
ロウハ「これは!?」
秋夜「宝石の子供だからまあ……。ことりちゃんにエラーラついたらこうなるんやろなあ……」
ことり「大丈夫そう?それ。どんな感じ?」
鏡「大丈夫……。若返り、する?」
稲生「わ、若返り……?」
鏡「できるよ……?」
▶そう言って鏡は手から砂を出します。こぼれ落ちた砂が墓に当たり、みるみる新品になっていきますね
稲生 「わぁ……すごい、綺麗に……」
秋夜「とりあえず報告だなあ。ボスになれなかったから幼女を合法的に大量に養子にする計画もパーだけど、天お姉ちゃんならいいかぁ」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉――
夏水「はいはいおかえり。森羅くんたち、今回のは雑魚だったと思うんだけど、どう?」
森羅「倒したのはほとんどあいつだ、あっちに聞けよ」
▶ぶっきらぼうに稲生を指差します
エイリオ 「稲生ちゃん、おチビたち頑張ってたー?まさかサラっと一人でやっちゃったとかないでしょー?」
ロウハ「数の暴力だよねーあれ」
稲生「えっ、あっ、そ、その、ちょ、ちょっとは倒してもらったけど、あんまり無理はさせられないと思って、ある程度は……。ダメだった、ですか……?」
エイリオ「優しいんだからー」
夏水「まあ、英雄相当の戦力を期待してたわけじゃないしいいかぁ。戦えてはいたんだろ?」
稲生「は、はい……。でも、ちょっと心配になる感じの戦い方でしたけど……」
秋夜「どんなんだっけ?敵刈り取る為にブーメラン投げたらおったイメージだわ。ことりちゃん覚えてる?」
ことり「うーん申し訳ないけどあんまり。歌って踊ってまでしてるとそんなに余裕ないかなあ」
ことり 「ああそうだ、それと天さんが宝石みたいなのを拾ってきたみたいなんだけど、えっと……」
鏡「これ……」
夏水「くっついてるやんけ!お?カーバンクルか??報告書やべーなーよびだしくらうなーやだなー」
稲生「うーん……や、やっぱり私なんかに務まるのかなぁ……」
エイリオ 「保護者の反応からわりかしよくありそうだったから平気じゃない?」
稲生 「あ、え、ええと、二人の戦い方は……なんというか、自分の身を削るような感じで……。しっかり見ていてあげてくださいね……」
杏弥「身を削る……?よく分かりませんが、よろしくお願いします」
森羅「なあところでよ、男用の制服は?」
▶和ロリを着た夏水はとても悲しそうな顔をします
夏水「すまん……。ない……。こればっかりは紅葉の悪い風習なんだ……俺もコレはちょっときついけど無理なんだ……」
エイリオ「うちはだいぶ良心的だよ!」
ロウハ「和ロリは世界を救うんですよ!!!!!!!!」
稲生「い、一着借りていってもいいですか……?家で一人でソラを着るときに着てみたい……」
ロウハ「どうぞどうぞ!」
秋夜「ビキニアーマーは良かった……水着マフラーも良かった……白タイツ腋だしメイドも良かった……」
ことり「和ロリは?」
秋夜「神……萌え袖で扇いでほしい……」
ことり「そっか……」
夏水「まあ、そういうことなんだ。袴だと思って我慢してほしい……」
エイリオ「かわいいから大丈夫だよ!男の子が女物着るのは最初は抵抗あるけど、すぐに慣れるって!オレが保証する!」
ことり 「まあ、慣れだよ慣れ。慣れてきたと思い込むのが大事だよ、本当に」
森羅「慣れてたまるか、おかしいよな?おかしいだろ……」
夏水「ま、いいか。色々、優しいお姉さんがいるから教えてもらって。万年人手不足だから大歓迎。えっと、アレか。ようこそ、紅葉へ。私はあなた達を歓迎します」
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