第19話 10月17日
十月十七日金曜日の朝。
八重は昨日の約束通り、言ノ葉の家のインターフォンを押し込んだ。
間延びしたチャイムの音と共に、パタパタと家の中を走り回る足音が聞こえて来ると共に玄関の扉が開かれた。
「はぁ〜い、あら?どちらさま?」
出てきたのは、どことなく言ノ葉の面影を思わせる女性だった。
「朝のお忙しい時間から失礼します。言ノ葉さんのクラスメイトの大見八重と申します。本日は硯言ノ葉さんと共に登校を共にしようという約束をしていたので、お迎えに上がりました」
「…………あっ!あなた八重くんね!ちょっと待っててね〜今言ノ葉ちゃん呼んで来るから」
僅かな間と、合点がいったという『あっ』という反応が妙に気になったが、家の中から
そんな疑問を打ち消す言い合いの声が飛び交い、すぐさま怒り顔の言ノ葉が玄関から顔を出した。
言ノ葉は行ってきますも何も言わずに、扉を勢いに任せて締め、怒りを露わに肩で息をしている。
「おはよう、今日も実にいい天気だ」
「そうね、いい天気……じゃないわよ!なんでインターフォン押すわけ!意味分かんないんだけど!」
「何を言っているんだ?インターフォンを押さずにどうやってお前を呼べばいい?」
「携帯があるでしょ!なんで勝手に人んちのインターフォン鳴らすかなぁ……」
勝手にインターフォンを鳴らすという、今世紀最大の衝撃を受けた八重だが、此処でショックを受けている暇はない。
「不満の詳細は後で聞こう。済まないが今日はもう一人今日は迎えに行かなければいけない」
「迎えに行くって誰よ?」
「そう、警戒するな、お前もよく知る人間だ」
八重は言ノ葉を先導しながら、隣の家の前に立ち止まり迷う事無くインターフォンを鳴らした。
「ちょっと!アンタなにやってんのよ!」
「ちょっとも何も見れば分かるだろう?この家の人間を呼び出している」
インターフォンを鳴らした直後、目の前の家の中を足音が慌ただしく動き回る。
「はい?どちらさまでしょうか?」
インターフォン越しに発せられた警戒色が強い声音に、八重は努めて明るく笑顔を作る。
「朝のお忙しい時間から失礼します。京子さんのクラスメイトの大見八重と申します。本日は荒木京子さんと共に登校を共にしようという約束をしていたので、お迎えに上がりました」
「あら?やえ……?ああ!貴方が八重くんね!娘がお世話になっております。京子の母の舞と申します〜」
八重という名前を聞いた途端、警戒心が嘘の様に霧散し、親しみすら感じる口調で喋りかけて来た。
「いえ、とんでも御座いません。こちらとしても京子さんには何時もお世話になっております」
何故、『荒木京子』の家に来たのかと言えば、八重が昨日をうちに荒木京子へ強力の要請をメールで取り付けたからである。
ストーカー被害で最も恐ろしい事態は、加害者側がヤケを起こしてしまう事にある。
八重と言ノ葉二人で行動を共にしていたなら、勘違いをしたストーカー側は逆上して襲って来てもおかしくないと考えた八重は、京子へ協力を要請したのだ。
そして同様の理由で信吾にもメールを送ったのだが、朝練という理由で断られてしまった。
だからこうして、朝早くから京子の家に訪問していた。
「あらあら、ちょっと待っててね〜直に京子も降りてくる、とっ……あっ!京子ちゃん、八重くんが家の前に来てくれてるわよ〜」
「ふぇ?ちょっと母さん!何やってるんだい!」
マイク越しに慌ただしい京子の声が漏れ聞こえてくる。
「何やってるって〜京子ちゃんの噂の彼と、ちょっとだけお話を……」
「やめっ!やめるんだよ!母さん早く通話を切って!ああ!もう!何やってるんだい!」
「今日の京子ちゃんちょっとだけ、強引ね〜」
「ああもう!うるさいよ!」
京子の叫びを最後に、プツッとインターフォンの通話は切れ数分、またしても言い合いの声が数分近所に響き渡り、憮然とした表情の京子が玄関から現れる。
「おはよう京子、今日も実にいい天気だ」
「いい天気は認めるさね!だけど今はそんなことより!インターフォンを押すんじゃないないよ!家の前に着いたら携帯に連絡を入れて欲しいものさね!まったく!」
ほら見た事かと、自身の正当性を勝ち誇らんばかりの言ノ葉の表情が絶妙に腹立たしい。
「待て京子、インターフォンは家の住人を呼ぶ為にある物だ。つまり、俺の使用方法は間違っていない」
そう、インターフォンとは人を呼び出す……『以下略』為にある。
ただ、京子は腹立たしいと、足を一歩踏み出し上目遣いに八重を睨み付けた。
「そうさ!間違ってはいないだろうね!だけど!八重くんが居る事で母親からの影響を一つも考慮してないその姿勢がムカつくさね!」
八重には何を怒っているのかさっぱり分からないが、京子の隣を歩く言ノ葉は分かる分かると、首をぶんぶん縦に振りながら二人並んで歩き始める。
会話の挟む余地もないので、八重は仕方なく二人の後ろを付いて歩きながら本来の目的を果たすべく辺りを見渡していく。
それは、言ノ葉を中心としたズレ、即ちストーカーの特定という目的の為
街ゆく人間の行動の変化を見逃さぬ様見て行くが……
「これは、最悪の状況なのかもしれないな……」
後ろで苦々しく呟く八重だが、それもその筈である。
硯言ノ葉と荒木京子は何の因果か、神が二物を与えたとしか思えない美女である。
モデルも顔負けの美女二人が揃って街を歩けば、街行く人の視線は前を歩く美女二人へ集中して注がれる。
咄嗟に視線を逸らす者、
通り過ぎるまでマジマジと見つめる者、
チラリと見て聞こえよがしに隣の友人と話の種にする者など、反応は様々だがこれでは誰も彼もが怪しく見えて仕方がなかった。
「八重くん、少しは反省したかい?」
「八重くんは少し自分が変わってる事を自覚した方がいいわよ?」
JR中野駅を抜け中央ロータリーをぐるりと回り、カラフルな提灯の掲げられた路地を歩く道すがら、京子と言ノ葉は少しだけ歩く歩幅を緩め八重の横に並んで喋りかけて来た。
だが対する八重の反応は芳しくなく、むしろ焦りを孕んだ表情を浮かべていた。
「ああ、反省してる……今も丁度自分の計画性の無さに軽く絶望しかけていた所だ」
八重の言葉に二人は意味が分からないと顔を見合わせるが、八重にとっては大きな問題だろう。
美女二人、たったそれだけの存在でこんなにも道行く人々の変化が起こる事を八重は考慮に入れていなかった。
人の外面だけで、人の行動の変化が現れる事を考慮に入れ忘れた八重のミスだ。
だがそれでも諦め悪く、変化の兆しを見つけようと街行く人々を見渡していたが、結局学校に到着するまでに確信を得る発見は得られなかった。
学校の正門を跨ぐまでに得た結果と言えば、担任の駒沢教諭が警備強化として学校前に立たされていた事ぐらいだろう。
登校した三人は校舎へ入り、各自の席へ座って授業を受ける。
授業中にも特出した変化はなく、昼休み。
八重は唯一の同性の友人である信吾と、情報の共有をしようとしたが、昼休み開始に信吾の姿を探すが、先まで授業を受けていた信吾の姿なく、八重はいつもの様に別棟四階の屋上の踊り場の前に集合する。
八重、言ノ葉、京子の三人は固まっている訳でもなく、かと言ってバラバラに座るでもない奇妙な距離で食事に手を付けている最中、言ノ葉は弁当箱の淵に箸を置いた。
「ねえ、八重くん変化は見つけられた?」
そう聞いてくる言ノ葉の表情には、不安という感情が滲んでいるが、八重にその感情を払拭させてやれるだけの手がかりは掴めていなかった。
「すまない。二日では何とも言えないな。だが一つ確かな事は、お前が生きているというただそれだけで生じる変化は、俺が想像していた以上に大きい事だけは理解出来た」
人が一人、ただそれだけの違いは、ただそれだけと言うには余りにも大きな変化を齎していた。
「来週、隣のクラスにお前に告白して来る男子が居る」
八重は突然そんな事を口走った。
「……あっそう、で?だから?」
務めて素っ気なく返す言ノ葉だが、刺々しさが言葉の端々に見て取れる、
「別に揶揄っているつもりはない。俺が言いたいのは、お前はその容姿で存在するだけで多くの人間を魅了しているという事だ」
「魅了って、それって私のせいなの?」
「誰のせいかと聞かれれば、間違いなくお前のせいだろうな。お前は生まれもって魅力的な容姿を得て生活をしている。悪過ぎる事が短所なら、また良過ぎる事も短所になりうる希有な例だろうな。つまり、お前とそれから京子もだが、お前達は生きているだけで、人からの注目を集め過ぎる」
八重にしては強い否定の言葉を放ったつもりだったのだが、二人は揃って顔を覆い隠す様に八重から顔を背けた。
「なっ!ばっ、馬鹿な事言ってるんじゃないよ!」
「馬鹿ではない。お前達は客観的に見ても美人だ。これでは言ノ葉を狙っているストーカーの判断は難しくなる」
当面の問題の解決は硯言ノ葉に降り掛かっているストーカーの調査である。
だが八重の知りうる過去の事象と比べてみても、硯言ノ葉の居る世界の事で生じる変化は無視出来る範疇を超えていた。
「それから、京子にはメールでも説明したが共に居る以上危険な事に変わりはない。それに加えて、ストーカーの判別も困難な状況だ。確認するのが遅くなったが、本当に京子は俺達に協力していいのか?」
「親友を助けるためなら当たり前さね。そんなことより、何か犯人に繋がる手がかりはないのかい?今まで聞いた事を総括すると、八重くんは道行く全員を疑う必要が在る様に聞こえるんだけどね」
文字通り道行く全員を疑う他ない八重だが、手がかりという手がかりは一つしかない。
「手がかりらしい手がかりと言えば、これぐらいだ」
八重はそう言って携帯で撮っていた写真を京子に見せる。
その写真は定規文字で『愛してる』と赤文字で書かれた一枚の紙切れである。
更に付け加えるなら、ご丁寧に小さい定規文字で『言ノ葉ヘ』という宛先まで書かれている。
「きっ……気持ち悪いさね」
「俺もそう思う」
「アンタたちの感想なんて聞いてないわよ。それよりコレの何処が手がかりになるわけ?」
言ノ葉は心底見たくもないと、顔を背けるが手紙はある種の手がかりに間違いない。
「これから推察されることとなると、この相手が言ノ葉の家の場所を把握していることだろうな」
「それはそうでしょ?この紙私の家のポストにそのまま投函されてたのよ?知らなかったらポストに入れられるわけないじゃない」
深く溜め息をつきながら、言ノ葉は置いていた箸を取り食事を進めて行く。
まじまじと見つめていた京子は中央に置かれた八重の携帯の画面を拡大する。
「規則正しいのが気持ち悪いねえ。コレは特徴を出さない線引きをしようとして、逆に特徴的になってるさね。それに、定規文字を使うのも理解できないねえ。ラブレターと言うより、これじゃあまるで犯行予告上みたいじゃないかい?」
「言われてみれば確かにそうだな。言ノ葉への愛に狂ってるにしては、何処か冷静さも感じると言われてみれば、確かにその通りかもしれない」
「ちょっと……愛に狂ってるとか、冗談でもやめてくれないかしら……」
だが言い得て妙とはこの事だろう。この手紙の主はストーカーと呼ばれてしまう程には狂っている。
だが狂っているにも関わらず、わざわざ手間の掛かる定規文字を使う理由とはなにか?
「愛故に、愛しい人に書く手紙には手間を掛けたかったのかねえ……八重くんはどう思うんだい?」
「どう、と聞かれてもな……定規文字を書く理由……文字が汚くて、愛する言ノ葉を幻滅させたくないのか……それか文字を見せられない理由でもあるのか……」
考えてみるが、そればかりはこの紙を書いた犯人に理由を聞いてみなければ分からないだろう。
「ねえ、愛してるとか、愛しのとか、本当に気持ち悪いんだけど……そろそろ、やめてくれないかしら?」
本気の嫌悪を顔に出し、八重と京子を睨みつける言ノ葉に二人は苦笑いを浮べ話題を切り上げ黙々と食事を続けていると、始業のチャイムが鳴り響いたのを聞き届けた三人は急いで教室へと戻る。
次の時間は担任である駒沢教諭の担当する数学の授業だった筈だが、始業チャイムが過ぎ居るにも関わらず駒沢教諭の姿は教室には見当たらない。
「ラッキーさね」
「コマ先の授業、遅れて教室に入ると問題を当ててくるのよね……」
二人は先生が居ない為に未だに騒がしい教室の隅を辿りながら、そそくさと自席へと着席していくが、八重はこの状況に払拭しきれない違和感を感じずにはいられない。
何かがおかしい。
そう分かっているにも関わらず、その違和感の正体が掴めない。
「八重、そろそろコマ先来るから座った方がいいぜ〜」
最後列で止まっていた八重に、信吾が声を掛けて来る。
信吾の声につられて、複数人の視線が八重に向かう中、八重はこの中にある筈の違和感の正体を探り続けていたが、教室前方の扉が開かれ駒沢教諭が現れる。
「大見座れ〜授業はじめるぞ〜」
声を掛けられ集中が途切れると、感じていた筈の違和感も感じなくなっていた。
駒沢教諭に促されるまま席に着き数分、数十分と待ってみたものの、待ち望んだ違和感が訪れる事なく五〇分間の授業終了のチャイムが鳴り響く。
「はい、じゃあ今日はここまでな〜……あっ、そうだ。言い忘れてた。この前、別棟で備品が壊された。何か見た者か誰か心当たりのある者は申し出ること。それから、疑われたくないなら用が無い限りは別棟に近づかない方がいいからな」
駒沢教諭はぐるりと生徒の顔を見渡した後、それだけ言い残し教室を後にして行った。
よくある話の一つだ。
いや、この学校は比較的落ち着いた生徒が多いため頻度としては多くはないが、学内で問題が起こらない学校など稀も稀だろう。
よくある話……
いや、ここはむしろ言ノ葉にとって最悪の状況しか思い浮かばない。
六限が終わりホームルームの終わり、八重はどうしようもない焦りを感じていた。
「八重くん?どうしたんだい?」
「駒沢教諭の言っていた事、お前達はどう思う?」
「どうって……そうね。別によくある事なんじゃないかしら?学校の備品なんてよく壊れるだろうし、壊した人も怒られたくないなら逃げるんじゃないかしら?」
「私も言ノ葉ちゃんと同意見さね。別に思い悩む程の事じゃないと思うけれどねえ」
そう、思い悩む事じゃない。
だが問題はそこではない。
問題は問題が起こった事にある。
「俺はこの事件を知らない。駒沢教諭の言っていたこの事件は、俺の居た……言ノ葉の居ない世界では起きていない」
「……はぁ?だったなら尚更なんで八重くんが悩む必要がある訳?犯人探しでもしようとしてるの?」
「分からないか?この世界で俺が知らないという事は、つまりお前が関わっている可能性が高いという事なんだぞ?」
流石に言ノ葉も事の重大さに気付いた様だ。
犯人不明の事象。
八重の考え過ぎという可能性も十分にある。
だが、駒沢教諭は備品が『壊された』と言ったのだ。
つまり、通常なら壊れない物が意図して壊された可能性が高い。
「ちょっと待つさね!これ以上は何時もの場所に行ってから話し合いをした方がいいんじゃないかい?」
教室内は文化祭も近い事もあってか、未だに残っている生徒がチラホラ見受けられる。
誰がストーカーなのか分からない現状、生徒の一人だろうと疑うべき対象には変わりない。
八重は京子の提案に一つ頷きを返すと、帰る準備を済ませていた鞄を床から掬い取り席から立ち上がる。
三人は微かな緊張感の漂う廊下を歩き、別棟へと歩を進めて行く。
本校舎と比べると極端に人気の少なくなった階段を上がり、三人以外の人気がない四階屋上踊り場前に辿り着く。
二人の視線が八重を見つめ、先の話の続きを促して来ているのが伝わって来る。
「……さっきの話の続きだが、俺の知っている世界は硯言ノ葉の存在しない世界だ。そしてこの世界と俺の知る世界の違いは、硯言ノ葉が存在しているか居ないかの違いでしかない。だからこの世界で起きる、俺の知らない事象には、硯言ノ葉が遠因となって起こっている可能性が高い」
二つの世界に違いがあるなら、硯言ノ葉の存在の有無でしかない。
つまり、言ノ葉が居たからこそ事件は起こった。
「なら、今回備品の破損は言ノ葉、お前が関わっている可能性がある。無論お前が備品を壊したのなら話は単純だが……一応聞く、お前は備品の破損と関係があるのか?」
「ないわよ……そもそも、此処に来る様になってからも、途中ですれ違った人すら居ないもの……」
別棟は極端に人の出入りが少ない場所である。
つまり人とすれ違うことすら珍しいこの場所で備品の破損など、意図して起こさない限りは起こり様がない。
「この話に信憑性はない。だが大した事はないと切り捨てるには余りにも大きな違和感だと俺は思う」
「気にし過ぎ……と言うには能天気すぎるんだろうねえ。だけど八重くん、結局どうするつもりなんだい?誰とも分からない相手を八重くんの持ってる未来の記憶だけを頼りに見つけ出すのはあんまりにも難しいんじゃないのかい?」
「そうだろうな。だが事象のズレは言ノ葉の周りと学内で起こっている。コレは本当に偶然なのか?」
この事象を偶然で片づけてしまうには危険な可能性だと八重は感じていた。
「俺はこの世界に来て二週間、様々な場所に行って様々な行動を見て来た。両親の作る料理、クラス座席の位置、クラスメイトの人間関係、自販機の売り切れの数までだ。どれも大きな変化は見られない中で、学内で小さな変化が起きてる」
「それは言ノ葉ちゃんが十月一日以降を生きている事で生じた変化なんじゃないのかい?」
「当然、その可能性もある。だがいくら言ノ葉であろうとも、一人の人間が起こせる変化は自分が両手を広げて起こせる範囲だけだ、。言ノ葉からも手が届いて、向こうからも手が届く範囲でしか変化は起こらない。なら今回の変化はその埒外から起こされている決定的な変化だ」
「でも!だっておかしいじゃない!此処は学校よ!そんな場所にストーカーが居るなんてある訳ないわよ!」
「悪い場所には善良な人間は少ない。だが事良い場所においては違う。良い場所には善良な人間も悪い人間も混ざり込む。そして、一番の問題は善良な人間は悪人の振りが出来ないが、悪人は善良な人間に成り済ます事が出来るという点だ」
判別が出来ない。
善良な人間が悪人の振りをすればそれはもう悪人になるのに対して、悪人はいとも容易く善人の振りをする。
「問頭をしていても仕方がない。そろそろ俺の考えていた結論を出そう。この学校内でこの備品を壊すという行為事態に言ノ葉を含めた意味がある……つまり、言ノ葉を狙っているストーカーはこの学校内に居る可能性がある」
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