第71話

「アンディ先生は、日本語とっても御上手なんですね! どこで覚えられたんですか?」


花音がコーヒーをテーブルに置きながら聞いた。


「先生はこいつだヨ」


アンディが古城を親指でさした。


「古城さんが……」


「あ、明日、花音ちゃんのママに病院の方に移ってもらうから、仕事が終わったら会いに来ればいいよ」


「明日ですか? はい! 有り難うございます」


花音は迅速な対応に涙が出そうなぐらい嬉しくなった。


「あ、あの、病院を移る時、母に付き添ってもいいですか?」


「心配なのは分かるけど、朝、一番にヘリで移動してその後検査に入る。検査の時は一緒にいられないから……」


「はい。会社が終わってから伺います」


「それがいいと思うよ」


花音が二人に頭を下げて自分の部屋に行こうとすると、古城が声をかけた。


「朝起きた時、僕たちはいないかもしれないけど、驚かないようにね……」


「……あ……」


この間、パジャマ姿で外を走ったことを言われていると分かって、顔がぽーっと赤くなってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る