前のエピソード――仏滅に、王座を射た

　眼が覚めた。枕時計が「朝の８時」を示していた。布団を出て、張り出し部分のカーテンを開けた。窓の向こうに粉雪が舞っていた。駐車場に駐車されているクルマの屋根に雪が積もっていた。

　洗顔後、台所のケトルにミネラル水を注ぎ込んだ。沸き立ての湯で、即席コーヒーを淹れた。カレーパンを齧りながら、熱いやつを飲んだ。昨日の内に洗濯を済ませておいて正解であった。こんな日にランドリーなど行けないし、行きたくもない。雪の舞いを眺めつつ、二杯目を飲んだ。

　居室に行き、ニンテンドーＤＳを起動させた。ドラクエⅥを再開した。その後の冒険の続きである。このゲーム、本当によくできている。長く楽しめるように様々な工夫が凝らされている。代金分の価値は確実にある。

　ダーマ神殿の地下に広がる怪迷路の一番奥に「大魔王より強いやつ」が潜んでいる。今日はそいつの首級をもらいに行く。返り討ちに遇う恐れもあるが、ともあれ、やってみよう。部隊編制は次の通りである。

第一陣(斬り込み隊)として、

アルゴス〔盗賊〕レベル６９／ＨＰ５５３／武器：ラミアスのつるぎ

ガンダル〔盗賊〕レベル６９／ＨＰ５７９／武器：メタルキングのけん

コロサス〔盗賊〕レベル６５／ＨＰ４９０／武器：はやぶさのけん

パプリカ〔盗賊〕レベル６８／ＨＰ３７９／武器：きせきのつるぎ

第二陣(後詰め)として、　

ゾルドバ〔ドラゴン〕レベル６７／ＨＰ５９６／武器：きせきのつるぎ

ジャコン〔ドラゴン〕レベル６５／ＨＰ６５５／武器：らいめいのけん

バビロン〔盗賊〕レベル６０／ＨＰ３７５／武器：はやぶさのけん

ムガール〔パラディン〕レベル６２／ＨＰ３５４／オリハルコンのキバ

　八の内、五も泥棒さんがいるのは、そいつが所持しているであろう「凄い宝」を奪い取るためである。当然、戦闘力は落ちるが、後詰めの二竜がなんとかしてくれるだろう。

　予想以上の難戦になった。アルゴス、パプリカ、ムガールが殺され、ガンダルとコロサスが瀕死の状態に追い込まれた。大敵にトドメを刺したのはゾルドバだが、もし「やまびこのぼうし」を装備していなかったら、こちらが殺(や)られていた。まさに辛勝であった。打倒までに２６ターンもかかってしまった。戦後、あちらさんに「まだまだだな」とバカにされた。

　侮りを受けたが、ガンダルが「はぐれのさとり」を奪っていたのは、大きな戦果であった。今回最大の殊勲者と云える。初戦の結果としては上出来ではあるまいか。地上に戻り、棺桶の中に入っている二人と一匹を蘇生させた。ダーマ神殿に行き、アルゴスをはぐれメタルに転職させた。〔９日〕

［柊らくあさんのコメント］

ドラクエ6は昔、兄が遊んでいたのを横で見ていた記憶があります。

ミレーユがテリーの実の姉だったり、主人公に妹がいたりというパターンもありましたね。

［闇塚の返信］

お兄さんが遊んでおられたのは、スーパーファミコン版でしょうか。１万円を超える高額品でしたね。